猫は黒豆を食べても大丈夫!抗酸化作用のアントシアニンが豊富。黒豆茶や黒豆きなこがおすすめ

キャットフードの黒豆。抗酸化作用のアントシアニンが豊富!黒豆茶や黒豆きなこがおすすめ

黒豆(Black soybeans)

おせち料理で使われる黒豆。正式名称は「黒大豆」です。「肉の畑」とよばれるほどたんぱく質が豊富な黄大豆、青大豆など多くの大豆の種類のなかで、種皮が黒い色のものを指します。黒豆といえばおせち料理の煮豆が一般的ですが、塩茹でしておつまみにしたり、黒豆納豆や黒豆豆腐なども売っています。

猫は黒豆を食べても大丈夫です!味付けをしないものであれば、猫の健康に良い効果があります。

この記事では、黒豆が猫に与えるメリットや注意点、アントシアニンについてご紹介します。

黒豆の栄養素とメリット

下表は、茹でた黒豆と黄大豆100gあたりの栄養素です。

黒豆(国産・ゆで)黄大豆(国産・ゆで)
エネルギー155163kcal
たんぱく質14.714.8g
脂質8.69.8g
炭水化物9.88.4g
カリウム480530mg
カルシウム5579mg
アントシアニン174.8mg

※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

豊富なたんぱく質

たんぱく質は筋肉や内臓、皮膚、被毛など体のあらゆる部位を構成しています。ホルモン生成や免疫力向上の材料になったり、動脈硬化や高血圧の予防をしたりなど、体作りに欠かせない栄養素です。

人や犬は炭水化物をエネルギー源としますが、猫はたんぱく質をエネルギー源とします。猫はたんぱく質を体内で合成することができないため、食べ物から摂取する必要があります。

大豆に含まれるたんぱく質は必須アミノ酸をバランス良く含む良質なたんぱく質で、黒豆は黄大豆と比べるとたんぱく質が多く含まれています。またカロリーと脂質が低いため、遊ぶのが好きな子やダイエットしている子におすすめです。

カリウム

カリウムとはミネラルの一種で、体中に最も多く存在します。ナトリウムと作用し、お互いにサポートし合いながら体内の浸透圧の調整、神経刺激の伝達などの働きを持ち、体内の塩分濃度が高くなったときに尿と一緒に排出することで血圧の調整をするなど、さまざまな働きを持ちます。

猫はカリウムが不足することは稀といわれていますが、キャットフードへの食いつきが悪い子や食欲が落ちる夏の暑い時期などはカリウムが不足しがちです。黒豆をキャットフードにトッピングしたりおやつとして与えたりすることは、カリウム補給として効果的です。

アントシアニン

黒豆の種皮が黒色なのは、天然色素ポリフェノールの一種であるアントシアニンという色素を含んでいるためです。黒豆に含まれる栄養素や栄養素量は黄大豆とほぼ同じですが、黒豆が持つアントシアニンには抗酸化作用があります。体内の活性酵素を除去し、細胞の生成や修復、血液をサラサラにするため、老化の予防につながります。

黒豆のおすすめの与え方

黒豆茶はノンカフェイン

猫に与えてはいけない食べ物として、緑茶や紅茶などのカフェインが入ったものが挙げられます。しかし黒豆茶はノンカフェインなので、猫に与えても大丈夫です。しかし市販の黒豆茶は他の茶葉とブレンドしているものもあるので、パッケージの成分表は必ず確認しましょう。

アントシアニンは熱に強く、水に溶けやすい性質を持っています。そのため、アントシアニンの栄養を余すことなく効率よく摂取するには、黒豆をお茶にした黒豆茶を飲むことがおすすめです。

猫はもともと砂漠で生活していた動物なので、水を飲まなくても大丈夫な体の構造をしています。その習性が今も名残としてあり、普段あまり水を飲む習性がない子も多いでしょう。黒豆茶は水と比べて風味や香りがあるので、どうしても水を飲んでくれないときなどに活用してみましょう。

黒豆きなこにする

炒った黒豆を粉砕すると、黒豆きなこになります。キャットフードにふかけたり、ヨーグルトにトッピングしたり、手作り食の一食材として取り入れたり、さまざまな用途に手軽に活用することができます。

猫に黒豆を与えるときの注意点

生の黒豆は与えない

猫に生の黒豆を与えるのはやめましょう。

生の黒豆にはトリプシン・インヒビターという成分が大量に含まれています。これはたんぱく質を分解する働きを持つ酵素トリプシンの働きを阻害してしまいます。生のまま摂取してしまうと、消化不良や下痢などの症状があらわれます。トリプシン・インヒビターは熱に弱いので、猫に黒豆を与えるときはしっかりと加熱しましょう。

また、黒豆は人にとっては小さい粒ですが、猫にとっては喉を詰まらせたり消化不良の原因となってしまいます。しっかりと柔らかく加熱した黒豆はペースト状にしたり、小さくカットしましょう。

大豆アレルギーの子は要注意

黒豆は大豆の仲間なので、大豆アレルギーを持っている子には絶対に与えないでください。初めて黒豆を与えるときは少量からスタートし、食べたあともしばらく様子を見ましょう。下痢や嘔吐、体の痒み、元気消失などの異変がみられたら、すぐに病院で診てもらってください。

人間用の加工品は与えない

黒豆の煮物や黒豆せんべいなどは猫にとっては塩分や糖分の過剰摂取となり、健康に悪影響となります。

黒豆茶は猫用も売っています。沸騰したお湯で作り、猫に与えるときは常温になるまで冷ましましょう。冷蔵庫に冷やして、夏の水分補給としても活用できます。

まとめ

  • 猫はたんぱく質を体内で合成することができないので、食べ物から摂取する必要がある
  • 黒豆に含まれるアントシアニンは抗酸化作用がある
  • 猫に与えるときは、黒豆茶や黒豆きなこがおすすめ

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士、愛犬飼育スペシャリスト、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。文章を通して猫ちゃんの魅力を発信できること、多くの飼い主さんの悩みや不安を解決できることに魅力を感じ、動物ライターに。飼い主さんと猫ちゃんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。