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キャットフードのサルモネラ菌汚染
ペットフードのリコールで特に多いのが、サルモネラ菌による食中毒です。
最新で言うと、2019年に生活クラブ連合会が販売したペット用おやつ(ジャーキー)からサルモネラ菌や大腸菌が検出されたニュースがありました。食べた68匹のペットに嘔吐や下痢など食中毒の症状があり、中にはそれがきっかけで死亡した犬や猫もいました。
サルモネラ菌とは
食中毒性のある細菌
一般的には、サルモネラル属の細菌の中で食中毒性のあるサルモネラ菌を呼ぶことが多いですが、サルモネラ菌(salmonella)は通性嫌気性桿菌の腸内細菌科サルモネラ属に属する細菌の総称です。
サルモネラ菌は感染した宿主の細胞の内外両方で増殖することが可能な細菌で、腸管上皮細胞に侵入し感染することで胃や腸に炎症を引き起こします。
サルモネラ菌による食中毒の症状
嘔吐、下痢、血便など
サルモネラ菌による食中毒では、猫の胃腸に炎症が引き起こされるため、嘔吐や下痢、血便などの症状が現れます。
- 嘔吐
- 下痢
- 血便
- 腹痛
- 食欲不振
サルモネラ菌の感染源と原因
動物の腸内や自然界にも生息
サルモネラ菌は様々な動物の腸内に生息しているため、サルモネラ菌の食中毒は食肉や卵がか多いです。
また卵や動物に限らず、河川や下水道、ミドリガメ、ゴキブリなどにも生息しているため、そこまで珍しい細菌というわけでもありません。
1分の加熱(75℃)で死滅
キャットフードにはよく食肉や卵が使用されるのでサルモネラ菌が入る可能性は大いにありますが、サルモネラ菌は75℃以上の温度で1分間加熱すればほとんどの菌が死滅します。
ドライフードは製造される際にエクストルーダーという機械で115~160℃の加熱を行うので、生の肉や卵を使っていたとしても、ドライフードになる頃にはサルモネラ菌は死滅しています。
このためドライフードでサルモネラ菌汚染が起こるとしたら、製造後に袋やフードにサルモネラ菌がついた、サルモネラ菌で汚染された手や機器がドライフードに触れた、製造ラインでサルモネラ菌が混入したなどの原因が考えられますが、メーカーによる説明がありませんので原因は定かではありません。
サルモネラ菌汚染でリコールになったキャットフード
- クエストキャットフード(Quest Cat Food)
- フリスキー(Friskies)
- ラッドキャット(RAD CAT)
- アバディキャットフード(Abady)
- ナチュラルバランス(Natural Balance)
- ソリッドゴールド(Solid Gold)
- ウェルネス(Wellness)
サルモネラ菌は人獣共通感染症
飼い主さんも注意が必要
サルモネラ菌は人獣共通感染症なので、飼い主さんも感染します。猫の腸内や糞便にもサルモネラ菌が存在しているので、猫だけでなく飼い主さんもサルモネラ菌には気を付けましょう。
キャットフードのサルモネラ菌まとめ
今回はキャットフードのサルモネラ菌汚染について紹介しました。
サルモネラ菌が直接的な原因にはならなくても、サルモネラ菌の食中毒がきっかけで命を落としてしまう猫もいます。
また食中毒がきっかけでこれまでより食欲がなくなったり、食べ物に対して警戒心を抱くようになったりすることもあるので、キャットフードや猫用のおやつを選ぶ時には信頼できるメーカーとこれまでリコールや問題がないかを確かめておくといいかもしれません。