キャットフードのオリーブオイル。栄養と便秘解消効果、マタタビのように酔ってしまう?

キャットフードのオリーブオイル。栄養と便秘解消効果、マタタビのように酔ってしまう?

キャットフードの原材料:オリーブオイル

オリーブオイル(olive oil

オリーブオイルはイギリスやスペイン、ギりシャなど地中海地域周辺で古くから主要な食用油として利用されてきた植物性油で、モクセイ科の常緑高木「オリーブ(olive)」の実から抽出されます。

オリーブ 猫

オリーブオイルにはフルーティーな香りと苦みや辛みがあり、サラダやマリネ、カプレーゼ、炒め物や焼き物などの香り付けや風味付けとしても様々な料理に使われていますが、他の食用油に比べて酸化しにくく常温でも固まらないので、保存や流通がしやすく、キャットフードでもオリーブオイルは重要な脂質の供給源として配合されます。

オリーブオイル抽出は加熱も溶剤も必要としません

オリーブオイルは果実に油分が多く含まれるため、他の植物性オイルと異なり、製造工程において加熱や化学溶剤が必要ありません。

オリーブは収穫されると、木や枝の除去や選別が行われ、ペースト状に細かく砕かれた後、圧力をかけて絞られ遠心分離機にかけてオリーブオイルと果汁に分けられるので、非常にシンプルで栄養の損失も少ないです。また化学溶剤を使用する必要がないので、安全性も守られます。

オリーブオイル キャットフード 猫

他の植物ではこうはいかず、加熱もしくは溶剤による抽出が必要不可欠ですが、オリーブオイルはより少ない工程と少ない手間でオリーブからオイルを抽出することができます。

オリーブオイルの栄養素

ほぼ100%脂質

オリーブオイルは油分のみを抽出して果実や水分を除いているため成分のほぼ100%が脂質です。脂質は重要なエネルギー源ですが、多すぎると肥満の原因になるので与える量に注意は必要です。

オメガ9脂肪酸(オレイン酸)

脂質を構成する脂肪酸には、特にオメガ9脂肪酸の「オレイン酸」が豊富に含まれます。

オレイン酸は猫の必須脂肪酸ではありませんが、悪玉コレステロールを減らし腸の働きを活性化させる働きがあります。オリーブオイルは腸の働きを活性化させながら、便の滑りをよくし、便自体も柔らかくしてくれるので、便秘改善にもおすすめされます。

オメガ9脂肪酸 オレイン酸 キャットフード

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2020年11月20日

ビタミンE

オリーブオイルには脂溶性ビタミンのビタミンEやビタミンKも含まれます。抗酸化作用のあるビタミンEが含まれるためオリーブオイルは酸化しにくい性質を持っています。

猫にオリーブやオリーブオイルを与えても大丈夫?

猫はオリーブの香りを好むことが多く、オリーブオイルを与えても問題ありません。イタリアのようなオリーブの生産が盛んな国では、オリーブを猫のおやつとして与えているそうです。

ただしいくらオリーブオイルが健康的なイメージだからといって、ほぼ油であることに変わりはありません。与える量には気をつけ1日スプーン1杯以上は与えないようにしましょう。

猫にとってオリーブはマタタビと同じ効果がある?

猫にオリーブを与えると、マタタビを与えた時のようなうっとりとした表情や酔っているような姿が見られ、虜になってしまうようです。オリーブの匂い成分にはマタタビと共通するものは確認できませんでしたが、マタタビと同じようにオリーブの木に猫がすり寄ったり、近くでゴロゴロと骨抜きになっている姿が目撃されているようです。

オリーブ自体の味は渋みがあり、日本で売られているものは酢漬けや味が付いたものが多いので、そのまま与えるならオリーブよりオリーブオイルの方が安心かもしれません。

オリーブオイルのアレルギー性

オリーブオイルはほぼ脂質なので、アレルギーの原因物質になりやすいタンパク質はほとんど含まれません。

このためオリーブオイルを与えてもアレルギー反応が出る心配はほぼないと言えます。ただし質の悪いオリーブオイルや不純物が多く、不純物が多いオリーブオイルの場合、この限りではありませんので、オリーブオイルの製法なども確認してから与えるといいかと思います。

キャットフードのオリーブオイルまとめ

  • オメガ9脂肪酸が豊富
  • 悪玉コレステロールを減らす
  • 腸内の働きを活性化
  • 便を和らげ便通改善
  • オリーブにはマタタビのような効果がある

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。