キャットフードのpH調整剤。目的や働き、使用される代表的なpH調整剤の種類を紹介

キャットフード pH調整剤
鈴木さん
pH調整剤ってどのような原材料なのでしょうか。入れる必要はあるのでしょうか。
猫田
pH調整剤は食品添加物の一つで、キャットフードでも使用されることがあります。どのような添加物でどんな働きや目的があって入れられているのか、必要なものなのかなどを解説したいと思います。

キャットフードのpH調整剤(pH control agent、Acidity regulator)

pH値を調整する添加物

pH調整剤とは、水素イオン指数を調整する食品添加物の総称で、キャットフードの酸性・アルカリ性の度合い(pH値)を保つために用いられます。

添加物は基本的に具体的な成分名を記載する必要がありますが、pH調整剤を複数使用していても一括表示で「pH調整剤」と記載することができます。このため、pH調整剤に具体的にどのようなpH調整剤が使用されているか分からないキャットフードがほとんどです。

pH調整剤を使用しているキャットフードはスーパーやホームセンター等で販売されている激安フードが多い印象です。

pH調整剤を使用したキャットフード

代表的なpH調整剤

ほとんどのキャットフードは「pH調整剤」としか表記されていないので、具体的にどのような添加物が使用されているかわかりませんが、下記のような成分などが使用されています。

  • 塩化アンモニウム
  • クエン酸
  • リンゴ酸
  • アスコルビン酸塩(ビタミンC)

キャットフードにpH調整剤を使用する目的

酸性に傾ける目的での使用が多い

微生物や細菌が繁殖しにくいのは酸性の状態なので、キャットフードの品質を守り保存性を高めるために酸性に傾けるpH調整剤がよく使用されます。クエン酸とリンゴ酸は酸化防止剤としても利用されます。

このため酸性に傾け腐敗や変色を防止するpH調整剤は、酸化(劣化)を防ぐ酸化防止剤を兼ねていることが多いです。

どちらに傾き過ぎてもNG

それなら酸性に全振りすればいいと思うかもしれませんが、pH値は低過ぎても高過ぎても猫の尿路結石の原因になるため、適切な弱酸性のpH範囲内に調整する必要があります。

pHが低く酸性が強くなり過ぎると「シュウ酸カルシウム結石症」の原因になりますし、反対にpHが高くアルカリ性に傾くと「ストルバイト結石症」の原因になります。

このためpH調整剤はpH値をコントロールする尿路結石症の療法食やサポート食にも使用されます。

キャットフードのpH調整剤まとめ

猫田

キャットフードのpH調整剤についてまとめました。pH調整剤を使用しているキャットフードの多くは、その成分名までは記載していないので、どのような添加物が使用されているかの不安は拭えないかと思います。

原材料や他の天然添加物でpH値のバランスを調整しているメーカーもあるので、避けようと思えば避けられる添加物の一つですね。

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2016年8月26日

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。