キャットフードの原材料:セイヨウイラクサ(Nettle)
西洋イラクサ(Nettle)は薬効のある食用ハーブとして古くから利用されてきた歴史があり、「天然のマルチビタミン」と呼ばれるほどビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。
セイヨウイラクサの葉にはギ酸やヒスタミン、アセチルコリンなどの毒性成分を含む刺毛があるため、触れると皮膚炎を起こしますが、加熱すれば毒性はなくなるので、キャットフードなど加熱された商品の場合は問題ありません。
庭のガーデニングでセイヨウイラクサを栽培している場合、また屋外に出ることがある猫の場合は、セイヨウイラクサに触れてしまう可能性があるため注意しましょう。
イラクサとセイヨウイラクサの違いは別種
イラクサとセイヨウイラクサは、名前が似ていますが、日本に自生する「イラクサ」と「セイヨウイラクサ」は別種です。
キャットフードではセイヨウイラクサが使用された海外産のキャットフードがほとんどで、国産フードではイラクサはほとんど見られません。
- エリザベスキャットフード
- ロニーキャットフード
- ファインペッツ
- AATU
- YARRAH キャットフード
イラクサの効果作用と猫におけるメリット
抗アレルギー作用・抗炎症作用
セイヨウイラクサには抗アレルギー作用があることから、キャットフードではアレルギーの体質改善を目的に使用されることがあります。
セイヨウイラクサにはフラボノイドのケルセチンが含まれており、ケルセチンはアレルギー症状を引き起こすヒスタミンの分泌を抑える働きがあります。
また、ヒスタミンの抑制によるアレルギー症状改善だけでなく、炎症を引き起こすロイコトリエン分泌も抑制することから、抗炎症作用も期待されています。
利尿剤や緩下剤などの民間薬として利用
セイヨウイラクサは古くから英尿剤や緩下剤などの民間薬として利用されてきた歴史があり、排尿促進や便をやわらかくして便秘を改善する効果があるとされています。
猫は特に排尿回数や量が少なく尿路結石や腎臓病を患う猫が多いため、利尿作用による腎臓機能のサポートが期待されています。
浄血・造血作用による血行促進、血流改善、貧血改善
セイヨウイラクサには、浄血・造血作用のあるクロロフィルや鉄分が豊富に含まれており、造血・浄血によって血流改善、血行促進、貧血改善などに役立ちます。
ビタミン、ミネラルなどとにかく栄養が豊富
天然のマルチビタミンと呼ばれるセイヨウイラクサには、ビタミンA、C、Kなどのビタミン類や、カルシウム、カリウム、珪酸、鉄などのミネラル類が豊富に含まれています。
ミネラルやビタミンの他にも視覚の健康維持に効果のあるルテインや抗酸化作用のあるβ-カロテン、またセイヨウイラクサの葉や種子には必須脂肪酸のα-リノレン酸やリノール酸など様々な栄養素が含まれています。
イラクサの注意点、副作用、危険性
生の葉に含まれるトゲや毒には注意
冒頭にもある通り、イラクサの葉には刺毛というトゲや毒性成分が含まれるため、生でトゲのある状態のセイヨウイラクサには注意が必要です。
キャットフードやイラクサを含んだ猫用製品については加熱がしっかりと行われていれば与えても問題はありません。
まとめ
- 天然のマルチビタミンと呼ばれる栄養の豊富なハーブ
- 抗アレルギー作用・抗炎症作用、利尿作用、造血など様々な効果が期待
- 生の葉には毒のあるトゲがあるため注意