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キャットフードの栄養素:ビオチン(ビタミンB7・ビタミンH)
猫の場合はビオチン推奨量が定められている
ビオチン(biotin)はビタミンB群の一種で、糖質・脂質・アミノ酸などエネルギー源となる栄養素の代謝に関わっています。
ビタミンB7・ビタミンHと呼ばれることもありますが、健康な動物の場合、必要なビオチンの約半分以上は消化管内の細菌が合成する微生物由来のビオチンでまかなうことができるため、単に「ビオチン」と呼ばれることが多いです(ビタミン=生理機能の調節作用がある体内で合成できない必須栄養素のため)。
人や犬のビオチン欠乏症は稀ですが、猫に精製飼料で試験を実施したところ、ビオチン欠乏症として皮膚病、精神異常、無気力、成長低下が確認されたため、ビオチン推奨量が定められています。
ただ、生の卵白にはビオチンの吸収を抑制するアビジンが含まれているので、生卵によってビオチン欠乏を引き起こす場合があります。また抗生物質の服用によって、消化管内でのビオチン合成を抑制されると、ビオチンが欠乏することがあります。
ビオチン(ビタミンB7)が豊富な食材
- 卵黄
- アルファルファ
- 肝臓
- 酵母
- 大豆
猫におけるビオチン(ビタミンB7)の働き
アトピー性皮膚炎、糖尿病、免疫不全症、髪や爪への効果
キャットフードに必要なビオチンの量・基準
画像引用元:2016 AAFCO Midyear Meeting Committee Reports
ペットフード公正取引協議会が採用するAAFCOのガイドラインによると、ドライタイプのキャットフードのビオチンの最低基準は、幼猫用・成猫用とも0.07mg/kgと定められています。
最大値(上限値)の設定はありません。
ビオチン(ビタミンB7)の欠乏/過剰摂取
欠乏症
- 皮膚炎
- 成長阻害
- 奇形
- 皮膚病
- 精神病
- 精神異常
- 無気力
- 成長低下
過剰摂取
- 中毒性は低い
ビオチンの毒性は極めて低いと考えられており、中毒症は知られていません。
まとめ
- 脂質・糖質・アミノ酸代謝