猫用の療法食とは?獣医師指導のもと利用する、病状に合わせて管理されたキャットフード

猫用の療法食とは

キャットフードにおける療法食は、猫がかかりやすい泌尿器疾患や消化器疾患など特定の疾病又は、そのような健康状態にある猫の栄養サポートを目的に、獣医師の指導のもと、栄養成分が細かく調整され、管理された食事のことを言います。

療法食を摂る可能性のある病気

まず、療法食を摂る猫がどんな病気にかかっているのか、代表的な病名を見てみましょう。

・肥満
・糖尿病
・食物アレルギー(肉・魚が多い)
・消化器疾患
・便秘
・肝疾患
・腎疾患
・下部尿路疾患

泌尿器疾患

この中でも、下部尿路疾患や腎疾患などの泌尿器疾患は猫がもっともかかりやすい病気で、腎疾患は高齢の猫がかかることが多いですが、下部尿路疾患は高齢の猫だけでなく、若い猫もかかることがあるので、愛猫の健康の為にも、日頃から栄養のある食生活や新鮮できれいな水をあげるように心掛けましょう。

愛猫も、尿路結石に一度かかりました。原因は水分不足と水の質だったので、もう二度と再発しないように、今はキャットフードだけでなく、あげる水についても限りなく軟水をあげるようにしています。

消化器疾患

次に多い病気は、消化器疾患の病気で、主に環境の変化によるストレスや多頭飼いによるストレスが原因で胃腸を悪くしてしまうケースが挙げられます。ストレス社会は人間だけでなく猫の世界にあるので、日頃から愛猫とコミュニケーションを取り、キャットタワーやカラーボックスなどストレス発散する場を設けてあげることで、未然に防ぐことができるでしょう。

生活習慣病

また、肥満や糖尿病などの生活習慣病は、人間同様、日頃の運動不足や食事の過剰摂取が原因となっているケースがほとんどですので、飼い主として、可愛い愛猫だからといって、食事を与え過ぎず、愛猫が運動できるスペースを自宅等に設けてあげることで、このような生活習慣病は未然に防ぐことが可能性です。

猫用療法食の例(疾患別)

特定の疾患にかかっている猫には、キャットフードの製造元から発売されている疾患別の療法食を給与するのがお勧めです。

今回はロイヤルカナンの療法食を少し紹介したいと思います。

pHコントロール+CLT

下部尿路疾患の猫向けの『pHコントロール+CLT』は、弱酸性の尿になるようミネラルなどの栄養バランスが調整され、マグネシウム含有量を制限されています。また、ストレスの多い生活に配慮し、加水分解ミルクタンパクとL-トリプトファンが配合されています。

腎臓サポート スペシャル ドライ

腎疾患(慢性腎臓病)の猫向けの『腎臓サポート スペシャル ドライ』は、リンの過剰摂取を防ぐ為、リンの含有量を制限し、タンパク質や必須脂肪酸の含有量を調整しています。また、食べ物を匂いで判別する猫が好む匂いで食欲を刺激して、腎臓病による食欲低下に配慮しています。

消化器サポート ドライ

消化器疾患の猫向けの『消化器サポート ドライ』は、たんぱく質や炭水化物など消化性の高い原材料を使用していて、少ない食事量でも必要な栄養素やカロリーを充分に摂取できます。また、健康的な腸内細菌バランスに配慮して可溶性食物繊維も配合しています。

愛猫に療法食を食べてもらう方法

もともと、猫は匂いの変化にとても敏感なので、少しでも匂いが変わってしまうと、その変化に気づき、急に食事を食べてくれない・・・なんてケースもあります!

そんな時は、療法食を給与する方法を少し工夫するといいかもしれません!

【療法食を給与する方法】

  • 時間をかけて、療法食の比率を増やしていく
  • 食事と水を摂る場所を別々にする
  • 食事の質感を変えてみる(ドライ⇒ウエット、ウエット⇒ドライなど)
  • 調味料を加えて、匂いに変化つける(かつおぶしなど)

前述した方法が、私が以前に実践して上手くいった方法です。失敗した方法はもっとたくさんありますが・・この方法以外にも何かいい方法があったら、是非教えて下さい(笑)

まとめ

  • 愛猫の生活習慣病や特定疾患は日頃の食事管理やストレスケアで防ぐことが可能
  • 各メーカーから疾患別の療法食(キャットフード)が販売されていて便利
  • 療法食(キャットフード)を取り入れる際は少し工夫することで食い付きも変わってくる

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。