キャットフードの原材料:タイム(Thyme)
タイム(Thyme)はシソ科のイブキジャコウソウ属のハーブの総称で、ヨーロッパからアジア、北アフリカにかけての広い地域に生息しています。
イブキジャコウソウ属の植物はコモンタイムやレモンタイム、ワイルドタイムにゴールデンタイム、クリーピングタイムなど、およそ350種ありますが、日本ではタチジャコウソウのみをタイムと呼んでいるようです。
タイムは種類によって香りが異なりますが、肉料理や魚料理の風味付けに使用されています。レモンタイムの場合はレモンのような爽やかな香り、タチジャコウソウの場合は麝香(ジャコウ)のような甘い香りがします。
キャットフードでは原材料のひとつとして少量ずつ他のハーブと混合されたものがよく使用されています。
タイムは他のハーブと同様、海外産キャットフードに使用されていることがほとんどですが、中にはコンボのような国産のキャットフードにも使われます。
タイムの栄養素と猫におけるメリット
サポニンの抗酸化作用や免疫力向上させる働き
タイムに含まれるサポニンには抗酸化作用があります。抗酸化作用は活性酸素から体や細胞の劣化・老化を防ぎ、血流改善や動脈硬化の予防に役立ちます。
また、サポニンにはリンパ球のナチュラルキラー細胞を活性化させ、免疫力を高める働きがあります。
鉄分が豊富
タイムは鉄分が豊富で、鉄分の含有量はハーブの中でもバジルに次いで多くなっています。
鉄分は赤血球のヘモグロビンの一部になって血液に存在し、酸素を全身に運ぶ役割を担っています。
鉄分が不足すると貧血やふらつき、息切れなどの症状が現れます。
タイムの注意点、危険性や副作用
サポニンは有毒な一面も
サポニンは抗酸化作用や免疫力向上などの作用がある栄養素ですが、猫にとっては有毒な一面もあります。
摂取量や体質にもよりますが、サポニンにより一時的に嘔吐や下痢が起こることがあります。キャットフードなどでは非常に少量の配合であることが多いので影響はほとんどないと考えられますが、タイムをそのまま与える場合や、タイムの配合量が多いキャットフードの場合は様子を見ながら与えるようにしましょう。
まとめ
- タイムはハーブの一種
- サポニンによる抗酸化作用や免疫力向上などの効果が期待
- 鉄分が豊富
- 摂取量や体質により一時的な下痢や嘔吐が起こる場合がある