キャットフードの原材料:マジョラム(Marjoram)
マジョラム(Marjoram)は、地中海沿岸地域から西アジア・北アフリカにかけて乾燥地に広く分布するハーブの一種で、ほのかな甘い香りとほろ苦さがあり、肉料理の香り付けによく使用されることから「肉のハーブ」と呼ばれています。
キャットフードでは少量ずつ他のハーブやスパイスと混合された状態で配合されることがあります。使用しているブランド数は多くありませんが、欧米産のキャットフードに比較的よく見られます。
マジョラムはオレガノと非常に近い品種なので、マジョラムはスイートマジョラム、オレガノはワイルドマジョラムと呼び方で区別されています。
マジョラムの栄養素と猫におけるメリット
リラックス効果や鎮痙作用が期待
マジョラムの配合量はキャットフードでは非常に少量のため、必ず上記の効果が期待できるものではありませんが、マジョラムには神経系の過活動を抑制する鎮静作用やリラックス効果があるとされています。また、痙攣(けいれん)を抑える鎮痙作用も期待されています。
警戒心の強い猫や、興奮しやすい猫に落ち着いてもらいたい時や、痙攣を起こしやすい猫には効果が見られるかもしれません。
消化促進、食欲増進
また、マジョラムには食欲増進・消化促進作用もあるとされています。
スパイスやハーブは人においても香りで食欲を刺激し、食欲をかき立てる効果があるので、猫にとっても肉に合うスパイスの風味や香りは魅力的に感じられるかもしれません。
強壮作用
マジョラムには健康で丈夫な体を維持する強壮作用もあると言われています。
根拠についてははっきりとは示されていませんが、ハーブは古くから民間薬として利用されてきた歴史があるので、マジョラムの強壮作用もその経験から考えられている作用なのかもしれません。
猫にマジョラムを与えると毒性を示す?
マジョラムをそのまま食べるのはNG
マジョラムはキャットフードなどに使用される場合、配合量は非常に少量(1%以下)であり加熱や加工などの過程が行われることから、毒性成分は検出されなくなりますが、生のマジョラムや庭や外に生えているマジョラムを食べるのは危険と考えられています。
マジョラムの葉は精油としても利用されていて「テルピネン-4-オール」という芳香成分を含んでいます。
このため、マジョラムの葉によって胃腸炎や下痢を引き起こす可能性があります。自宅でマジョラムを育てている方や、猫が屋外に出る機会もあるご家庭では、猫がマジョラムを食べてしまわないよう注意してください。
まとめ
- マジョラムはハーブの一種
- キャットフードでは比較的よく使われるハー
- 鎮静・鎮痙、強壮作用、消化促進、リラックス効果などが報告
- マジョラムをそのまま食べるのはNG