猫のてんかんとは
脳の神経活動の異常
てんかん(癲癇)とは神経に起こる疾患で、脳細胞の異常な神経活動によって引き起こされる症状を言います。
この異常な神経活動とは、神経に通っている電流がオーバーヒートしてしまうことで起こります。通常1つの神経活動でオーバーヒートが起こっても他の神経に広がることはありません。
しかしてんかん発作が起きる猫はその異常な神経活動が他の神経にも広がってしまいそれを止めることができません。そのためてんかんの発作が現れます。
猫のてんかんの原因
原因は脳への大きなダメージ
てんかんが起こるのは、脳になにかしらの衝撃やダメージが与えられたことが原因です。
- 頭に大けがを負った
- 頭を激しくぶつけた
- 低酸素症(脳に酸素がいかない状態)
- ウイルス、感染症
- 脳腫瘍
など事故や怪我、病気など、外的要因、内的要因にかかわらず猫の脳にダメージが与えられることがてんかんの原因になります。
てんかん発作の症状
- しびれる
- 痙攣する
- つっぱる(かたくこわばる)
- よだれや泡が出る
- 苦しそう
- 意識が朦朧とする
などの症状が現れます。軽度の発作なら体の一部が痙攣したりつっぱる程度ですが、重度の発作は全身が激しく痙攣したりつっぱった状態になり意識が朦朧とすることも。
この状態はおよそ10秒位から長くても数分で終わります。
てんかんで死んでしまう可能性
命の危険もある「重責発作」
飼い主さんとして心配なのは、てんかんによって猫が死んでしまうのではないか、寿命が縮むのではないか、ということだと思います。
てんかんの発作を長時間繰り返す「重責発作」の場合、命の危険があり命を落とす可能性もありますが、てんかんの発作自体でなくなるのは少ないです。
てんかん発作が起きた時の状況
しかしてんかんの発作が起きた時に、
- 高い所
- 水辺
- 道路
などにいた場合、落ちたりひかれたりして亡くなる可能性は高くなります。そのため自宅や猫の生活する場所によって変わってくると言えます。
てんかんかどうか確かめるには
他の病気の可能性をつぶす
猫がてんかんであるかどうかを確かめるための検査や方法は今のところありません。そのため現在、猫がてんかんかどうかを確かめるには、てんかん以外の病気の可能生をつぶして「てんかん以外はありえない」ということを確かめるしかありません。
痙攣や硬直などの症状が出るてんかん以外の病気を、検査や診察で消していき、最終的にてんかんと診断します。
猫のてんかんの治療方法
長期的な飲み薬の服用
猫のてんかんを完治させることは難しいですが、発作を出にくくして頻度を少なくすることは可能です。
てんかんの治療は基本的に処方された飲み薬「抗てんかん薬」を長期的に服用することで行っていきます。
そのうえで定期的に検査や診察を行い、治療の経過や猫の状態などを見て、薬の効果や副作用を確認しながら治療を続けます。
猫の抗てんかん薬の種類
てんかんに効果的な飲み薬
- タウリン
- フェノバルビタール
- ジアゼパム
- ゾニサミド
猫の抗てんかん薬には上記のような種類の薬が使われます。