目次
猫アレルギーとは
猫アレルギーとは、人が猫のフケや汗、唾液、分泌物など猫の分泌物に含まれるアレルゲンによって引き起こされる免疫の過剰反応です。犬アレルギーもありますが、猫アレルギーの方が患者数は多いです。
猫アレルギーによって死亡する確率は低いですが、下記のような症状が現れ、死亡の可能性も0ではありません。
- 目(かゆみ、腫れ、充血、過剰な涙など)
- 鼻(くしゃみ、鼻水、鼻詰まりなど)
- 喉(痛み、咳など)
- 皮膚(じんましん、赤み、腫れなど)
- 呼吸が苦しくなる
- アナフェラキシーショック
猫アレルギーの治療と完治の可能性
対症療法と減感作療法
猫アレルギーの治療では、対症療法と減感作療法の2つの方法が用いられます。
- 対症療法…症状を和らげる、緩和させる治療方法
- 減感作療法…アレルゲンを少しずつ摂取して徐々に慣れさせる方法
アレルギー反応によって引き起こされる症状を抑えることを目的にしているのか、根本的に直すことを目的にしているのかが大きな違いとなります。ただ減感作療法は、効果に個人差があり、アレルギーの治療の場合、大体はアレルゲン(猫)を避けるよう指示され、1つ目の対症療法が行われるかと思います。
猫アレルギーの完治の可能性
ですが現在のところ猫アレルギーの反応や症状を軽減させる方法はあっても、猫アレルギーを完治させる方法は見つかっていません。
上記の方法で症状が改善され、猫と普通に過ごせるようにはなるかもしれませんが、治療の効き目には個人差があるためどれくらいの効果が見込めるかは一概には言えません。
猫アレルギーの検査方法
病院で血液検査やパッチテストをする
猫アレルギーかどうかを確かめるには、病院で血液検査やパッチテストをして確かめる方法があります。
最近はアレルギー科がある病院もあるので、もしあった場合はアレルギー科へ。アレルギー科が無く、なんらかのアレルギー症状が出ている場合は、症状が出た部位で行く科を決めましょう。
<2021年春発売予定>世界初!猫アレルギーを緩和させるキャットフードが開発されました
最新情報 猫アレルギーの原因物質を中和するキャットフード
ネスレ日本株式会社が展開するピュリナから、猫アレルギーの原因物質である「Fel d 1」を中和し、猫の被毛やフケに付着する猫アレルゲンを減らすキャットフード「ピュリナプランリブクラ」が2021年春に発売されると発表されました。
卵から摂取されるタンパク質を主要成分として配合し、猫が食べた時にアレルゲンであるFek d 1と結びついて中和させることで、唾液に含まれる猫アレルゲンが減少し、毛繕いなどで唾液が付着した被毛や体に触れたり一緒の空間にいても、猫アレルギーの反応が出なくなることが期待できるようです。世界で初めて猫アレルギーの対策のキャットフードということで、注目度も高いのではないでしょうか。
猫アレルギーの人に優しい猫
しかし必ずしも猫アレルギーの人が猫を飼えないわけではありません。猫アレルギーの人でも飼いやすい「ハイポアレジェニック・キャット」という猫がいます。
ハイポアレジェニック・キャット
ハイポアレジェニックキャット(hypoallergenic cat)は、猫アレルギーの反応が出にくい猫の総称です。
直訳すると「低刺激な猫」という意味で、猫アレルギーの反応が出るアレルゲンを持っている量が少ない猫種を指しています。
このハイポアレジェニック・キャットなら、猫アレルギーの人でも症状が出にくく飼いやすいので、下の猫種の中から選ぶことをおすすめします。
ハイポアジェニック・キャット一覧
- ロシアンブルー
- バリニーズ
- サイベリアン
- ベンガル
- ジャバニーズ
- コーニッシュレックス
- デボンレックス
- オリエンタルショートヘア
- ラパーマ
- オシキャット
- シャム
- スフィンクス
- カラーポイントショートへア
上記の猫は、アレルゲンとなるタンパク質量や抜け毛、フケなどが他の猫種より少ないため、アレルゲンが室内に散らばりにくい特徴があります。
猫アレルギーの人が猫を飼うなら
猫アレルギーの人でも猫を飼うことは可能だと分かりましたが、それでも気を使わなければならないところや注意しなければならない点はあります。
飼育するのは1匹だけ
まず猫の飼育数は1匹だけにして、多頭飼いをするのは避けましょう。
猫の数が増えればアレルゲンの数も倍になってしまうため、せっかくアレルゲンの少ない猫を飼っても意味がなくなってしまいます。
病院に定期的に通い、薬を常備
またいくら猫アレルギーの人も飼いやすい猫種を選んでも、定期的に病院に通い治療や薬の処方を続ける必要があります。
いざという時のためにも薬は常備し、常に家にある状態にしておきましょう。
掃除や手入れをこまめに行う
そして大切なのは、こまめに部屋の掃除や猫の体毛のケアを行うことです。抜け毛を減らすにブラッシングを頻繁に行ったり、時にはシャンプーもしてアレルゲンとなるフケや汗を洗い流しましょう。
また部屋には猫のフケや分泌物があります。掃除の頻度や時間を増やしてアレルゲンを部屋に留まらせないように心がけましょう。
空気清浄機やフィルターを使う
猫アレルギーの場合、室内に塵になって舞ってしまっていることが多いため、空気清浄機や猫アレルギー用のフィルターを利用することで改善が期待できます。
費用はかかりますが、家電量販店などで探してみてはいかがでしょうか。
【あまけ】なぜ犬アレルギーより猫アレルギーの方が多いのか
犬アレルギーはあまり聞かない
犬が原因の「犬アレルギー」もあります。しかし猫アレルギーに比べると、犬アレルギーの話はあまり聞かれないと思いませんか?
犬は猫よりも昔から人間と一緒に暮らしてきましたし、犬を飼育している家庭の方も猫より多いはずなのに、なぜ「犬アレルギー」より「猫アレルギー」の方が認知度が高く、数も多いのでしょうか。
猫のフケの方が多い&軽い
それはアレルギー反応の原因であるフケが猫の方が多く、さらにフケが軽く細かいため空気中に舞いやすいからです。
犬にもフケや抜け毛はありますが、猫より重く少ないので人間の体内に入りにくく、猫アレルギーよりも症状として重症化しにくいと言えます。症状が軽いことでアレルギーと気づかない方もいるかもしれません。
そのため猫アレルギーの方がよく聞かれ、犬アレルギーはあまり耳にしないというわけです。