【アメリカンボブテイル】特徴、性格、飼い方、かかりやすい病気について

アメリカンボブテイル(american bobtail)特徴、性格、飼い方、かかりやすい病気について
アメリカンボブテイル(american bobtail)特徴、性格、飼い方、かかりやすい病気について

アメリカンボブテイルの誕生・起源

起源は1960年代

アメリカンボブテイル(American Bobtail)はアメリカで誕生した1960年代という比較的新しい猫種です。

アメリカのアイオワ州で旅行中のサンダース夫妻が短い尾を持つ野良猫「ヤディッシュ」を見つけたことが始まりです。夫妻はこの猫を家に連れ帰り、飼い猫のメスと交配させました。その結果、短い尾を持つ子猫が生まれ、この特徴が遺伝的に継承されることが確認されました。

メリカンボブテイルの短い尾は自然発生的な突然変異によるもので、優性遺伝として子孫に受け継がれることがわかりました。この特性を基にブリーダーたちは野良猫や他の品種を交配に取り入れながら、アメリカンボブテイルの基礎を築いていきました。アメリカンボブテイルの遺伝的多様性を維持しつつ、特徴である短い尾や筋肉質な体型、厚い被毛、そして愛らしい性格を確立することでした。

1980年代に正式に認められる

1980年代に入るとアメリカンボブテイルは正式な猫種として認められるようになり、国際的な猫種登録団体から公認されました。アメリカンボブテイルの野性的でユニークな外見と、知的で愛情深い性格から、家庭でのペットとして人気を博しています

日本ではあまり知られていない

アメリカンボブテイルは日本ではあまり浸透していないため、ブリーダーやペットショップから購入するのは非常に難しいです。飼育は非常に稀であり、入手を希望する場合は専門の輸入業者や海外のブリーダーとの連絡が必要となるでしょう。

アメリカンボブテイルの性格

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穏やかでフレンドリー

アメリカンボブテイルは、その野性的な外見とは対照的に、非常に穏やかでフレンドリーな性格を持つ猫種です。人懐っこく、飼い主さんや家族との強い絆を築くことを好むため、愛情深いパートナーとして知られています。

とくに家庭内での人間との交流を楽しむ性質があり、子供や他のペットとも仲良くすることができます。そのため、初めて猫を飼う家庭や多頭飼育を考える家庭にも適しています。

知的で好奇心旺盛

アメリカンボブテイルは知的で好奇心旺盛な一面もあり、新しいおもちゃや環境に興味を示します。遊び好きな性格で、キャッチや追いかけっこといった遊びを一緒に楽しむことができます。

また、名前を呼ぶと近づいてきたり、簡単なしつけを学ぶことができるため、「犬のような性格」ともいわれることもあります。

適度な独立心

一方で、アメリカンボブテイルは適度な独立心も持ち合わせています。必要以上に甘えることはなく、一人で過ごす時間も楽しめるため、仕事などで日中家を空ける飼い主さんにも適しています

しかし、長時間の孤独は苦手なため、適度なコミュニケーションや遊びの時間は必ず設けてあげましょう。

新しい環境でも順応しやすい

アメリカンボブテイルはリラックスした性格を持つため、環境の変化や旅行などにも比較的順応しやすいとされています。この順応力の高さは、引っ越しが多い家庭やペットと一緒に旅行を楽しみたい飼い主さんにとって魅力的です。

アメリカンボブテイルの毛色・模様

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多種多様な毛色と模様

アメリカンボブテイルは、その多種多様な毛色と模様でも知られる猫種です。

毛色は非常に豊富で、ホワイト、ブラック、ブルー、レッド、クリーム、キャリコ(パッチワークのような三毛)、タビー(縞模様)、トーティーシェル(まだら模様)など多くのパターンが認められています。

とくにタビー模様は人気があり、クラシックタビー、スポッテッドタビー、マッカレルタビーなどのバリエーションが見られます。

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ふわふわな被毛

アメリカンボブテイルは短毛種と長毛種の両方が存在します。短毛種は柔らかく滑らかな被毛を持ち、長毛種はふわふわとした厚みのある被毛が特徴です。いずれもダブルコートで保温性と耐久性が高く、汚れや水をはじく役割を果たします。

アメリカンボブテイルの顔・体型

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野性的と愛らしさ

アメリカンボブテイルの顔と体型は、野性的な雰囲気と家庭猫の愛らしさを兼ね備えたユニークな特徴を持っています。顔は幅が広く、やや短い台形のような形をしており、力強い印象を与えます。頬骨が高く、顎がしっかりしているため、堂々とした雰囲気を持っています。写真のように、他の猫と比べても顔が大きめだということが分かります。

また、大きくてアーモンド形の目は輝きと表情豊かさを感じさせ、毛色に応じてゴールドやグリーンなどの魅力的な色合いをしています。耳は中くらいのサイズで先端がわずかに丸みを帯びており、全体の調和を取っています。

体型は筋肉質でがっしり

ゴージャスな見た目とは裏腹に体型は筋肉質でがっしりとしており、中型から大型の体格を持っています。胸が広く、脚はしっかりとしており、後脚がやや長いのが特徴です。野生の猫を思わせる機敏さと力強さを備えています。

アメリカンボブテイルの最大の特徴ともいえるのが、短いしっぽです。長さや形状には個体差がありますが、ぽんぽんのような丸い形や曲がった形をしており、愛らしいポイントとなっています。

アメリカンボブテイルの飼い方

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生活環境

アメリカンボブテイルの飼い方や暮らし方を理解することは、健康で安全な生活をするうえで重要となります。アメリカンボブテイルを迎える前に飼い方をしっかりと確認し、家族できちんと共有しましょう。

適度な運動量を必要とするため、キャットタワーやトンネル、登りやすい棚を用意してあげましょう。また好奇心旺盛な性格を持つため、窓から外を観察できるスペースを設けると良い刺激になります。

アメリカンボブテイルは環境の変化に比較的順応しやすいため旅行や引っ越しにも対応できますが、安心できる隠れ場所を用意してストレスを軽減する工夫も必要となります

食事管理

タンパク質が豊富で栄養バランスが整ったキャットフードを選びましょう。肥満になりやすい体質ではないものの、過剰なカロリー摂取を防ぐことが大切です。

ブラッシング

アメリカンボブテイルは短毛種と長毛種がありますが、どちらもダブルコートの毛質を持つため、定期的なブラッシングが必要です。

短毛種は週に1回長毛種は週に2〜3回のブラッシングをすることで、抜け毛を取り除き毛玉を防ぎます。ブラッシングは血行を促進して被毛を健康に保つ効果もあるため、とくに換毛期には入念なケアが必要です。

遊び

遊び好きで知的なアメリカンボブテイルは、飼い主さんとの遊びを通じて絆を深めることができます。ボールや羽根のおもちゃを使ってキャッチや追いかけっこをすることで、知性を刺激し退屈を防ぐことができます。

アメリカンボブテイルのかかりやすい病気

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遺伝疾患は少ない

アメリカンボブテイルは自然発生種でありながら、育種の過程で慎重な計画により成立した猫種です。そのため、現在では遺伝疾患は少ないといわれています。

肥大型心筋症(HCM)

遺伝的に幅広い交配を起こっているため他の純血種に比べて遺伝性疾患のリスクは低いとされていますが、肥大型心筋症(HCM)などの猫に共通する病気が発生する可能性はゼロではありません。

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アメリカンボブテイルの価格

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国内での購入は非常に難しい

アメリカンボブテイルはその希少性と独特の魅力から、価格が高めに設定されることが一般的です。日本国内での流通は非常に限られており、ブリーダーやペットショップで見かけることは非常に稀です。そのため国内での入手は難しく、価格も高額になる傾向があります。

海外、とくに原産国であるアメリカでは、アメリカンボブテイルの子猫の価格は約6万~8万円とされています。 しかし海外からの輸入となると、輸送費や手続き費用、検疫などの追加コストが発生します。これらを考慮すると、総額で25万~30万円、仲介業者を利用する場合は30万~40万円、あるいはそれ以上の費用がかかる可能性があります。

さらに輸入手続きには時間と労力が必要であり、語学力や専門知識も求められることがあります。そのため、アメリカンボブテイルを迎え入れる際には、費用面だけでなく手続きや飼育環境の準備など総合的な計画と準備が重要です。

まとめ

  • アメリカンボブテイルを日本で購入するのは非常に難しい
  • アメリカンボブテイルの特徴的な短いしっぽは突然変異によるもの
  • 性格は知的でフレンドリー、適度な独立心を持っている
  • 尾椎症候群などの、しっぽの形成不全や脊髄異常が発生する可能性がある

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士、愛犬飼育スペシャリスト、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。文章を通して猫ちゃんの魅力を発信し、また多くの飼い主さんの悩みや不安を解決することで、飼い主さんと猫ちゃんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。