
シャム(siamese)の誕生・起源
月のダイヤモンドとよばれるほど高貴な存在
シャムは、古代タイ(旧称:シャム)を起源とする歴史ある猫種です。タイでは「月のダイヤモンド」という意味の「ウィチアンマート」と呼ばれ、幸運の象徴として王室や貴族に愛された高貴な存在であったことが伺えます。14世紀頃のタイの詩集「タムラ・マウ」という古文書にも描かれており、非常に古い起源を持ちます。
トラディショナルシャム、またはアップルヘッドシャムともよばれます。
1880年代に、シャム王ラーマ5世がイギリスのビクトリア女王に贈ったシャムがきっかけで、ヨーロッパでこの猫種が注目を集めるようになりました。
20世紀にはモダンシャムが生まれる
20世紀に入ると、よりスリムで洗練された外見を持つ「モダンシャム」が繁殖を通じて生み出されました。シャムよりも体型が細く、エレガントな外見が強調されています。
日本でも人気が高い
アメリカンショートヘアやスコティッシュフォールド、ノルウェージャンフォレストキャットなどの人気猫種に比べると飼育頭数は少ないものの、シャムは日本でも根強い人気を誇る猫種の一つです。
一般社団法人ペットフード協会が発表している令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査によると、シャムは日本での飼育頭数は第8位でした。
日本ではシャムという呼び方に馴染みがありますが、欧米諸国ではサイアミーズと呼ばれています。
シャムの性格

社交的で甘えん坊
シャムは非常に人懐っこく、飼い主とのスキンシップを好みます。まるで犬のように後をついてくることもあり、構ってほしいときや遊んでほしいときに積極的にアプローチしてきます。
家族との時間を大切にする猫種で、一緒にいる時間が長いほど信頼関係が深まります。
鳴き声が大きい・おしゃべり好き
シャムは猫種の中でもとくに鳴き声が大きく、おしゃべり好きとして知られています。
声が大きい理由は、彼らが非常に社交的で感情豊かな性格を持っているためです。鳴き声を使って、自分の感情や要求を飼い主に伝えようとする傾向が強く、注意を引きたいときや遊んでほしいとき、空腹のときなどさまざまな場面で声を発します。
シャムの鳴き声は低く独特なトーンで、まるで会話しているように聞こえることがあります。そのため愛らしいと感じる一方で、深夜や早朝に頻繁に鳴かれると飼い主や周囲にとって負担になることもあります。
知的で好奇心旺盛
シャムは非常に賢く、学習能力が高い猫種です。トリックや芸を覚えることが得意で、飼い主が工夫した遊びやパズルに挑戦するのを楽しみます。また家の中の新しいものや動きに敏感で、探検することが好きです。
独立心と警戒心
甘えん坊な一方で、知らない人や環境には慎重に対応します。慣れるまで時間がかかる場合もありますが、一度信頼関係を築くと深い絆を持つことができます。
シャムの毛色・模様

シャムの毛色や模様について
シャムは、体の一部が濃い色になる模様「ポイントカラー」を持ちます。顔や耳、足、尾など体温が低い部分に濃い色があらわれ、胴体などの体温が高い部分は薄い色をしています。
これを生み出すのはチロシナーゼという遺伝子の突然変異で、この酵素は体温の低い部分で色素を生成する特性を持ち、シャム特有の美しいコントラストを生み出します。
シャムの毛色の種類
シャムは、成長とともに色が濃くなるのが特徴です。子猫のときには白かったのに、成長につれて全身がこんがりと黒い毛色になるなんてことも珍しくありません。
毛色の種類 | ポイントカラー | 胴体の特徴 |
---|---|---|
シール | 最も一般的で、濃い茶色や黒に近い | クリームやベージュ系 |
ブルー | 青みがかった灰色 | 淡いグレー |
チョコレート | 明るい茶色 | アイボリー |
ライラック | ピンクがかった薄いグレー | 白 |
シャムの顔・体型
トラディショナルシャム

顔
トラディショナルシャムの顔は丸みを帯びた形状で、柔らかく温かみのある印象です。目はやや大きめで、同じ青い瞳でも優しい表情が特徴的です。全体的にクラシックな風貌をしています。
体型
シャムの体型はオリエンタルタイプです。
トラディショナルシャムはモダンシャムよりもしっかりとした骨格を持ち、がっしりしていながらもバランスの取れた体型です。四肢はモダンシャムほど長くなく、全体的に丸みを帯びた体形ですが、それでも十分にスタイリッシュです。
モダンシャム

顔
モダンシャムの顔は逆三角形でシャープな印象を持ち、大きな耳が特徴的です。耳は顔の幅よりも広がり、スリムな頭部をさらに際立たせます。また、アーモンド型の青い瞳がやや傾斜して配置され、クールでエキゾチックな印象を与えます。
体型
スリムで引き締まった体型を持ち、脚が長くしなやかで、尻尾も長く細いのが特徴です。筋肉質でありながら細身で、全体的に洗練されたシルエットをしています。「優雅なダンサー」とも例えられることがあります。
シャムの飼い方・飼いやすさ

安全でストレスがない生活を送るために、シャムの飼い方をきちんと把握しましょう。
生活環境
シャムは活動的で人懐っこい性格のため、家族と一緒に過ごせる環境が理想です。孤独に弱く、長時間の留守番はストレスとなるため、もう一匹ペットを飼うなどすることで寂しさを軽減させると良いでしょう。
また好奇心が旺盛なため、家の中にキャットタワーや登りやすい棚を用意し、高低差のある空間を作ると喜びます。さらに抜け道や隠れ家など、安全に遊べるスペースを確保しましょう。寒さに弱いので、冬場には暖かい寝床を準備してください。
ブラッシング
シャムは短毛種なので、ブラッシングは週に1~2回程度で大丈夫です。抜け毛が少ないため掃除の手間はかかりにくく、被毛の手入れは比較的簡単です。
また毛が短い分、皮膚の健康状態も確認しやすいので、ブラッシング時に皮膚の異常(赤み、かゆみ、傷など)もチェックすることができます。
食事管理
スリムな体型を維持するために適切な食事管理が必要です。肥満になりやすいため、おやつの量を制限し、適量を守ることが大切です。また、食事の時間を決めて規則的に与えることで、健康的な生活リズムを保てます。
遊び
シャムは知的で遊び好きな性格なので、遊び時間をしっかり設けましょう。ストレス解消や肥満の予防にもつながります。
シャムは初心者でも飼いやすい?
シャムは社交的で甘えん坊な性格であり、お手入れも簡単であるため、初心者でも比較的飼いやすい猫種といえます。
しかし寂しさを感じるとストレスを感じるため、長時間家を空けることが多いご家庭では不向きかもしれません。
また、シャムは鳴き声が大きいことも特徴です。十分な遊び時間を確保したり、定期的にかまってあげることで過剰な鳴き声を減らすことができます。
シャムとの生活では、鳴き声を一つの個性として楽しむことが大切です。
シャムのかかりやすい病気

猫種に限らず、猫は猫下部尿路疾患や肥大型心筋症、歯周病にかかりやすい傾向にあります。ここでは、これらの病気以外でシャムがかかりやすい病気をご紹介します。
進行性網膜萎縮
進行性網膜萎縮とは、網膜の細胞が徐々に劣化し、視力が低下する遺伝性疾患です。シャムは進行性網膜萎縮を引き起こす変異遺伝子を持つ割合が比較的高いとされており、親から子へ疾患が遺伝しやすい傾向があります。
夜間に見えずづらくなったり(夜盲症)、視覚の低下などの症状があらわれ、進行すると完全に失明することもあります。
炎症性腸疾患
シャムは炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)を発症することがあります。
炎症性腸疾患とは胃や小腸、大腸などの消化管に慢性的な炎症が起こる疾患です。これにより消化機能が低下し、嘔吐や下痢が頻繁に起こったり、栄養の吸収が十分に行われなくなります。
喘息
シャムは他の猫種に比べて、喘息にかかりやすい傾向があるとされています。
原因はハウスダストや花粉、カビ、タバコの煙、芳香剤などの環境アレルゲンや、ストレスや遺伝的要因などが考えられ、気道の炎症や過敏反応によって引き起こされる慢性の呼吸器疾患です。
咳やゼーゼーという音、呼吸困難、鼻腔の広がりや体全体を使った呼吸などの症状があらわれます。
シャムの価格

シャムの価格は購入する地域やブリーダーの質、猫の血統や年齢によって異なりますが、10万円~30万円程度が相場とされています。ショータイプなど血統が良い個体や特殊な毛色のシャムは、さらに高額になることがあります。
まとめ
- シャムは非常に古い起源を持つ猫種で、日本でも人気が高い
- 社交的で遊び好きであるため、一緒に遊ぶ時間を毎日設ける
- 成長につれて毛色が濃くなることがある
- 猫種の中でも鳴き声が大きいことで有名