



猫のコート構造とは?
猫の被毛の構造には、シングルコートとダブルコートが存在します。
シングルコート
シングルコートとは、トップコート(上毛)のみで構成されている被毛のことです。
アンダーコート(下毛)がほとんどないため毛の密度が少なく、全体的に滑らかな触り心地が特徴です。このため、毛が絡まりにくく、手入れが比較的簡単です。
シングルコートの猫は、暖かい地域原産の品種に多く、被毛が薄いため、寒さへの耐性はあまり高くありません。日常的な毛づくろいで被毛の状態を保ちやすいですが、冬場には暖かい環境を整えてあげる必要があります。
ダブルコート
ダブルコートとは、トップコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の2層構造になっている被毛のことです。
アンダーコート(下毛)はふんわりとした柔らかい毛で、保温性を高める役割を果たします。一方、トップコート(上毛)は硬くしっかりしており、外部からの汚れや水を弾く役割があります。このため、ダブルコートの猫は寒冷地原産の品種に多く、寒さに強い体質です。豪華な被毛を持ち、優雅な印象を与えます。
ダブルコートの被毛は毛が密集しているため、換毛期には多くの毛が抜けます。ブラッシングを怠ると毛玉ができやすいので、日々のケアやお手入れが重要となります。
猫の被毛タイプ:短毛種

短毛種とは
短毛種の猫は、被毛が短い猫種です。短い被毛で動きやすく体のラインも分かりやすくなっています。
短毛種は、シングルコートとダブルコートどちらも存在します。
短毛種の猫の特徴・性格
短毛種は、活発に動き回ることが好きな猫が多いのが特徴で、狩りやおもちゃを使った遊びにも積極的に参加してくれやすい傾向があります。
また短い被毛は抜けにくいので、室内で飼ってもお手入れがしやすいというメリットがあります。
短毛種の猫
- アメリカンショートへア
- ロシアンブルー
- ブリティッシュショートヘア
- アビシアン
- デボンレックス
- バーミーズ
- ベンガル
などの猫種は、短毛種に分類されます。
日本古来といわれる「三毛猫」も長毛種と交配が始まるまでは短毛種でした。
猫の被毛タイプ:長毛種
長毛種とは

長毛種はフワフワの長い被毛が特徴の猫種です。比較的大きい体格の猫に多いかもしれません。
長毛種の多くはダブルコートで、シングルコートはほとんどみられません。
長毛種の猫の特徴・性格
その貫禄通り、長毛種は穏やかで大人びた性格、落ち着いていてのんびりとした動きをする猫が多いです。
体のラインが分からないほど長くもっさりとした被毛の触り心地に虜になってしまう人も多いと思います。
長い毛を持つ長毛種は、毛玉や抜け毛の量や、毛で分かりにくい肥満などに注意が必要です。
長毛種の猫
- メインクーン
- ノルウェージャンフォレストキャット
- ラグドール
- ペルシャ
- ヒマラヤマン
- ソマリ
などが長毛種に分類されます。ただ猫種によっては長毛種・短毛種どちらも兼ねているケースもあります。
猫の被毛タイプ:無毛種
無毛種とは

最後に無毛種。無毛種は、短毛種や長毛種のように被毛でしっかり皮膚が覆われているわけではなく、産毛が生えている程度で、肌がむき出しのような姿をした猫種です。まさに人間の肌、と言えるのかもしれません。
猫といえば被毛の触り心地ですが、無毛種の場合、人間に触れているような肌の感触があるのでハマッてしまう人も多いようです。
無毛種は被毛がほとんどないので、シングルコートやダブルコートとは無関係です。
無毛種の猫の特徴・性格
被毛で覆われていないだけでなく、かなりスリムで痩せている無毛種の猫は弱々しくも見えてしまいますが、実は元気で人なつっこく運動量もあります。寿命も他の猫種とほとんど変わりません。
ただ被毛で体が覆われていないので、他の猫種よりも皮膚の病気や温度の調節などには注意しなければなりません。
無毛種の猫
- スフィンクス
- バンビーノ
- ピーターボールド
無毛種の猫種は、長毛種や短毛種に比べて少ないです。その貴重な存在から高価な猫としても知られています。
無毛種の詐欺問題
最近問題になっているのが、短毛種の猫の被毛を刈り取って無毛種と偽り販売する詐欺事件。
被毛を刈り取られて売られた猫は、空間把握や平衡感覚を保つのに重要なヒゲも刈り取られたと言います。当然ながら精神的なトラウマも負っており、決して許されることではありません。