

猫の驚く様子に「おもしろい」という反応もあれば、「かわいそう」という意見も多いようです。
今回は、なぜ猫がきゅうりに対して驚くのか、理由や注意点を解説します。
猫がきゅうりに驚くのはなぜ?
動画は数年前にSNSにアップされて話題になったものです。猫がきゅうりに驚いて、ぴょーんと飛び上がっています。
他の野菜には驚かないのに、なぜきゅうりにはこんなにも驚くのでしょうか?
見たことがないものだったため
猫がきゅうりを見て驚く理由の一つは、視界に突然見慣れない物体が現れることによる驚きの反応です。
アメリカのカリフォルニア州に住む認定動物行動学者ジル・ゴールドマン氏は、「通常、猫は床に置かれたきゅうりを見る機会がないため自然と発する驚愕反応」と述べています。
もちろん、農家に住む猫など普段からきゅうりを見慣れている猫であれば驚かない場合もあります。
猫は警戒心が強い動物で、周囲の安全を確保するために常に環境を観察しています。特に静かに置かれたきゅうりのような物体は、猫にとって予想外であり、危険を感じる誘因になります。
私たち人間にとって、きゅうりはどのような存在か、それがどういうものかが分かっているため驚くことはありませんが、見たことのないものが突然後ろに現れたら、飛び上がるほど驚くのは自然なことでしょう。
ヘビに似ているため
きゅうりの形状や質感が、猫の天敵であるヘビに似ていることが理由として考えられます。
猫にとってヘビは天敵の一つ。ヘビに似たきゅうりを見てすぐに逃げる行動は、とっさに「食べられてしまう!」と本能的に認識したのでしょう。野生時代にヘビの攻撃を恐れるために進化した防御反応だといえます。この防御反応は、生まれてから一度もきゅうりを見たことがなかったとしても起こると考えられています。
また、きゅうりのツヤツヤとした質感もヘビに似ているのも、驚く理由なのではないかと考えられます。
猫は常に狩りをする捕食者のイメージがあるものの、自然界では他の動物の餌食になってしまうことも多かった過去から、ヘビはそうした天敵の一つとして猫のDNAに刻まれているのではないかと推測されています。
安心安全な場所であるため
普段生活している家には、信頼できる飼い主さんと美味しいごはんがあり、絶対的な安心感を持っています。
そんな安心安全で油断した環境の中で、ヘビに似た得体の知れない物体(きゅうり)が急に現れたことで飛び上がって驚いたということです。
きゅうりドッキリを仕掛けるデメリット

猫の驚く反応や飛び上がる行動がおもしろいと、猫が気づかないようにわざと近くにきゅうりを置いてドッキリさせる人も少なくないようです。
しかし、猫に対してきゅうりドッキリを仕掛けることはデメリットや健康リスクがあります。「反応を見たいから」と安易な気持ちで猫を驚かせることはやめましょう。
多大なストレスとなる
猫は非常に敏感な生き物で、突然の驚きや予期しない物体に対して強いストレスを感じることがあります。ストレスは猫の健康に悪影響を及ぼし、食欲不振や嘔吐、免疫力低下につながる恐れがあります。
信頼関係を損なう
意図的に驚かせることで、猫が飼い主さんに対して不信感や警戒心を持ち、信頼関係が損なわれる可能性があります。
猫は繊細な性格であるため、一度壊れた信頼関係は修復するのは非常に難しいです。飼い主さんに甘えなくなったり、攻撃的になる恐れもあります。
ケガや骨折の危険性
猫が驚いて急に飛び跳ねたり走り出すことで、家具や壁にぶつかってケガをする、滑って転倒するなどの事故が起きる可能性があります。高い場所にいた場合、落下して骨折をする危険性もあります。
不安症や問題行動があらわれる
猫は繰り返し驚かされたりストレス状態が続くと、常に周囲を警戒するようになり、リラックスできなくなります。
不安症により過剰な隠れ行動(隠れ続ける、人前に出てこない)があらわれたり、強い攻撃性や過剰な鳴き声、過剰な毛づくろいなどの問題行動を引き起こすことも考えられます。
問題行動は放置すると、一緒に生活することが難しくなるまでエスカレートする恐れがあります。
きゅうり以外に驚く野菜は?

猫が気づかないうちに後ろに置けばどんな食材でも驚く可能性はありますが、ゴーヤやズッキーニは形状や色味がきゅうりに似ているため、同じように驚いてしまうかもしれません。
ごぼうや人参などは似たような細長い形状をしていますが、茶色やオレンジ色であり、マットな質感で、自然界の危険な動物に似ていないため警戒心は薄いと考えられます。見た目のインパクトが少ないため、猫が「危険物」と認識しないかもしれません。
まとめ

