キャットフードの「良質なタンパク質」とは?アミノ酸スコアが高く利用効率の良いタンパク質

猫田

キャットフードの評価やランキングを見ると「このキャットフードは『良質』なタンパク質が摂れます」と書かれることがありますが、「良質」なタンパク質とは具体的にどんな基準で判断しているかご存知でしょうか。

ここでは良質なタンパク質とはどういう意味なのか、キャットフードにおける良質なタンパク質とは何かについて紹介したいと思います。 

「良質」なタンパク質とは

必須アミノ酸がバランス良く含まれるタンパク質

良質なタンパク質とは、タンパク質を構成するアミノ酸のうち、体内では作り出せない「必須アミノ酸」がバランス良く含まれたタンパク質を言います。

必須アミノ酸のバランスがとれた良質なタンパク質は利用性が高く少ない量で十分な働きを得ることができます。

猫はタンパク質からエネルギーを得ていますが、タンパク質を代謝してブドウ糖に変換する際、アンモニアが生成され体内に蓄積されます。このアンモニアを無毒化し尿素として排出するために肝臓や腎臓に負担がかかるため、腎臓機能が衰えてくる高齢猫は、少ないタンパク質で十分なエネルギーを得ることができる良質なタンパク質摂取がより重要になります。

良質なタンパク質は「アミノ酸スコア」で確認できる

アミノ酸スコアとは

アミノ酸スコア引用元:改訂 日本食品 アミノ酸組成表について-J-Stage

良質なタンパク質を確認する基準として「アミノ酸スコア」という評価があります。アミノ酸スコアとは、人の必須アミノ酸のバランスや利用効率の高さを数値化した食品別の評価です。(食品タンパク質中の第一制限アミノ酸顔料(mg/gN)÷アミノ酸評点パターンの当該アミノ酸量(mg/gN))×100で求めることできます。

多種類の必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質なタンパク質ほど評価は高く、最大値の100に近い数値になります。

アミノ酸スコアの高い食材

良質なタンパク質を含んだアミノ酸スコアが100の食材には、下記のようなものがあります。

アミノ酸スコア100の食材
  • 牛肉
  • 豚肉
  • 鶏肉
  • 鶏卵
  • あじ
  • いわし
  • まぐろ(赤身)

動物性タンパク質には必須アミノ酸が豊富なため、基本的に肉や魚、動物性の食べ物のアミノ酸スコアは高い傾向があります。キャットフードによく使用される鶏・牛・豚や卵を始め、青魚に分類される赤身のイワシやマグロ、アジもアミノ酸スコアが100の食材です。

人と猫とでは必須アミノ酸が異なるので同様の評価になるとは限らない

良質なタンパク質はアミノ酸スコアで確認することができますが、生物によって合成できるアミノ酸とできないアミノ酸があるので、必須アミノ酸の種類や必要量は人と猫とで異なります。このため人の基準でつくられたアミノ酸スコアが猫にも同様の評価になるわけではありません。

猫の必須アミノ酸13種類・アスパラギン
・システイン
・アルギニン
・グリシン
・ヒスチジン
・ロイシン
・イソロイシン
・バリン
・リジン
・メチオニン
・フェニルアラニン
・トレオニン
・トリプトファン
人の必須アミノ酸9種類・グリシン
・ロイシン
・イソロイシン
・バリン
・リジン
・メチオニン
・フェニルアラニン
・トレオニン
・トリプトファン
犬の必須アミノ酸11種類・アルギニン
・グリシン
・ヒスチジン
・ロイシン
・イソロイシン
・バリン
・リジン
・メチオニン
・フェニルアラニン
・トレオニン
・トリプトファン

キャットフードに必要な必須アミノ酸の種類と量

キャットフードの総合栄養食では、猫に必要な栄養を過不足なく摂取できるようレシピが設計されているため、総合栄養食を与えていれば必須アミノ酸もバランス良く摂取させることができます。AAFCOの総合栄養食で定められている基準は、11種類の必須アミノ酸とチロシンというアミノ酸です。アスパラギン、グリシンは必須アミノ酸ですが栄養基準はありません。

 最低基準
(子猫、成長期の猫)
最低基準
(成猫)
最高値
アルギニン
Arginine
1.24%1.04%-
ヒスチジン
Histidine
0.33%0.31%-
イソロイシン
Isoleucine
0.56%0.52%-
ロイシン
Leucine
1.28%1.24%-
リジン
Lysine
1.20%0.83%-
メチオニン
Methionine
0.62%0. 20%1.5%
システイン
Methionine-cystine
1.10%0.40%-
フェニルアラニン
Phenylalanine
0.52%0.42%-
チロシン
Phenylalaninetyrosine
1.92%1.53%-
トレオニン
Threonine
0.73%0.73%-
トリプトファン
Tryptophan
0.25%0.16%1.7%
バリン
Valine
0.64%0.62%-

まとめ

今回は良質なタンパク質とはどのような基準で判断されているのかという点と、必須アミノ酸について解説しました。

必須アミノ酸のそれぞれの効果や作用については下の記事で解説しています。

キャットフードのアミノ酸。種類と働き、旨み成分として嗜好性にも関わる

2019年4月23日

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【監修・執筆】鈴木利奈

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。