キャットフードの青色1号(ブリリアントブルーFCF)発がん性や神経行動への悪影響や危険性

キャットフード 青色1号 ブリリアントブルー FCF

キャットフードの着色料:食用青色1号(ブリリアントブルーFCF)

食用青色1号は「ブリリアントブルーFCF」という鮮やかなで涼やかな青色を付ける合成着色料で、夏の定番のかき氷に使われるブルーハワイシロップや、サイダー味のお菓子、他ゼリーやキャンディー、金平糖などに使用されています。

他の合成着色料と同様、石油由来のタール色素に分類されますが、日本や米国を始め、12の国で使用が認められています。危険性は低いと考えられ、EUでも使用は認められていますが、EU内の一部の国(ベルギー・フランス・ドイツ・オーストラリア)では国単位で青色1号の食品への使用が禁止されています。

青色1号を使用したキャットフード例

キャットフードでは、茶色っぽい色が多いため赤・黄・橙あたりの暖色系の着色料がよく使用されますが、青色着色料も他の着色料と合わせて使用することで茶色っぽい色やワイン色を演出できるため配合されることがあります。

ただ最近は例からも分かるとおり、青色着色料を使用するキャットフードはほとんど見られず、国産の一部のフードのみにとどまっている印象です。

食用青色1号(ブリリアントブルーFCF)の危険性・悪影響

神経行動パラメータに重大な悪影響を示した

キャットフード 青色1号 合成着色料画像引用元:マウスの二世代毒性試験におけるブリリアントブルーFCFの神経行動学的効果|日本毒性学会

二世代にわたるマウスの青色1号による生殖・神経行動への影響を調査した東京都保健衛⽣研究所の発表によると、ブリリアントブルーFCFを5~11週齢のマウスに与え測定を行ったところ、探索行動の移動時間や水平活動回数に影響を与えたことが分かりました

結論として、食事摂取レベルでは人に悪影響を与える可能性は低いとのことですが、青色1号は神経行動に対して重大な悪影響を示したと報告しています。

上記はあくまで人への影響なので、猫や他の動物に対する毒性については悪影響がないとは言い切れません。

国際癌研究機関(IARC)の評価はグループ3(発がん性は確認できない)

ブリリアントブルーFCF キャットフード 着色料画像引用元:IARC MONOGRAPHS ON THE IDENTIFICATION OF CARCINOGENIC HAZARDS TO HUMANS|IARC

IARCという国際癌研究機関による発がん性リスク評価では、青色1号(ブリリアントブルーFCF)は、1987年に発がん性が確認されていないグループ3に分類されます。

ただし、グループ3は発がん性がなく安全であることを示す評価ではないので、今後の研究や実験調査によって発がん性が確認される可能性も0ではありません。

まとめ

  • 青色の合成着色料
  • 日本以外でも食品に広く使用されている
  • ベルギー・フランス・ドイツ・オーストラリアでは禁止
  • 神経行動に悪影響の可能性
  • 発がん性は確認されていない

キャットフードの合成着色料とは?発がん性や遺伝毒性、猫への危険性を解説

2016年12月5日

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。