キャットフードの原材料:納豆
納豆は猫にとって害や毒性はないので、大豆アレルギーなどがなければ猫に与えても問題ありません。
猫は好き嫌いがかなりはっきりしている傾向がありますが、納豆に関しては「猫がすごい勢いで欲しがる」「納豆が大好きで、食べていると近づいてくる」という声が多数寄せられています。納豆は猫が大好きなお肉やお魚ではありませんし、独特の匂いや味から好き嫌いが分かれるイメージがありますが、納豆自体の独特な匂いやタレの香りが好きな猫がかなり多いようです。
植物性タンパク質、食物繊維、ビタミンKなどの栄養素が豊富で、ポリフェノールの一種「イソフラボン」や納豆菌、ナットウキナーゼなど納豆ならではの機能性成分がたくさん含まれています。
- NSバイオジャパン 納豆×乳酸菌(猫用)
- ドクターズチョイス 猫専用おいしい納豆菌
- プレイアーデン 熟成ドライ 粒納豆
- トーラス ペット愛犬・愛猫用サプリメント おいしい納豆
総合栄養食で納豆の使用はほとんどありませんが、一方で猫用の一般食やフリーズドライのおやつ、トッピング、サプリメントなど総合栄養食以外のキャットフードでは納豆を売りにした製品が多く販売されています。
納豆があまり使用されない理由は?
納豆菌が自然界最強だから!
キャットフードで納豆があまり使用されないのは、納豆菌の生命力が非常に強いためです。納豆に含まれる納豆菌は、乾燥、酸、熱などに対しても耐性があり、100度以上で煮沸しても死滅しません。
菌が強い方が体の中で良い働きが持続して良さそうに思えますが、納豆菌が入ると他の菌類は負けてしまうため、食品製造において納豆菌は避けられることがあります。
繊細な麹菌などを扱う場では納豆菌の侵入を防ぐために、一定期間納豆を食べることを禁止されるほど。
ペットフードの製造工場はいくつもの製造ラインを持つ大型施設が多く、納豆をつかった製品を1つ製造すると他の繊細な有用菌は機能性を維持したまま配合が難しくなるため、納豆は原材料リストから除かれてしまうかもしれません。
猫における納豆の効果や作用
納豆には納豆菌、そして納豆菌が生成するナットウキナーゼによる働きや効果が期待されています。納豆菌は枯草菌の一種で、1906年に発見されてから、1968年に医薬品、1990年に動物用医薬品、1996年に食品添加物、そして納豆菌の健康への効果作用から最近は健康食品にも使用されてきています。
納豆菌のミュータンス菌抑制作用による歯周病予防効果
納豆菌が形成した芽胞に含まれる成分が、歯茎の炎症や歯周病の原因となるミュータンス菌の生育を抑制する可能性が認められました。
猫は歯磨きや病院を嫌がることが多いため、歯周病の予防や早期発見が難しく、歯が抜け落ちてしまったり、顎の骨まで溶けてしまうなど歯周病が重症化しやすい傾向があります。
納豆菌は腸内の善玉菌の活性化させ、増殖を助ける
納豆菌は動物の腸内にいる善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌など)を活性化、増殖を助ける働きがあります。
便の調子を整えたり、便秘改善、便通促進、腸内環境の改善により正常な免疫力の維持への効果も期待されています。
ナットウキナーゼの血栓溶解作用
納豆菌が発酵過程で産出する酵素ナットウキナーゼには血栓の主成分であるフィブリンを分解(溶解)する血栓溶解作用があり、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓、高血圧予防で注目されています。
ナットウキナーゼは酵素なので、熱に弱く、納豆が高温加熱や乾燥された場合はその効果を得ることは難しくなります。このためナットウキナーゼを摂取するには、納豆自体を与える、もしくは凍結乾燥製法のフリーズドライ加工された猫用納豆を与えるのがおすすめです。
猫に納豆を与える時の注意点
豆腐や納豆などの加工食品は、比較的消化しやすいため問題になることは少ないものの、与え過ぎはNGです。
大豆に豊富なイソフラボンは女性ホルモンと同じような働きをするため、納豆の食べ過ぎは乳がんや子宮筋腫のリスクを高める可能性があると言われています。
また、納豆はあくまでおやつとして与えるため、本来食べなければならない総合栄養食の摂取量に影響を与えない程度(2~5粒)にとどめましょう。
まとめ
- 納豆菌は最強の有用菌
- 総合栄養食のキャットフードではあまり使用されない
- おやつや一般食、サプリではよく使用される
- 手作り食にもおすすめ