キャットフードの原材料:チコリ(チコリー)
本来は苦みが強いチコリ
チコリはヨーロッパ原産の野菜で菊苦菜(キクニガナ)という和名があります。菊苦菜の名前の通り、強い苦みがあるのが特徴です。国によっては「アンディーブ」と呼ばれることもあります。
遮光で育てると苦みがなくなる
本来は苦みが強い植物ですが、チコリは日を当てずに遮光して栽培すると苦みがなく育ちます。
広く流通しているチコリはこの遮光環境で育てられた苦みのないチコリで、サラダとして生で食べられたり炒ってソテーで食べられます。
ただキャットフードでは苦みのあるチコリが使われているか苦みのないチコリが使われているかどうかは判断が難しいかもしれません。
ハーブやコーヒーにも利用
チコリは葉の部分だけでなく、根の部分も炒ってハーブとして使われたり、チコリコーヒーのようなノンカフェインコーヒーでも使われています。
キャットフードではもっぱら野菜として配合されることが多いですが、チコリー根と表記されていたり、少量の配合であればハーブとして使われているかもしれません。
チコリの栄養素
タンパク質 | 1g | |
脂質 | 0g | |
食物繊維 | 1.1g | |
ミネラル | 総量 | 0.4g |
ビタミン | 葉酸 | 41μg |
ビタミンK | 8μg | |
カロリー | 100g | 16kcal |
飛び抜けて高い値の成分がない
チコリは成分分析を見ると、飛び抜けて高い値の成分はありません。
バランス良くビタミンとミネラルが少量ずつ配合されており、葉酸とビタミンKは他の成分より豊富に含まれています。
水溶性食物繊維「イヌリン」
ですがチコリには成分分析では測定されない水溶性食物繊維「イヌリン」が豊富に含まれています。
イヌリンは腸内で良い働きをする細菌を増やすことに貢献する「プレバイオティクス」となる成分であり、猫にも腸内への効果が確認できています。
ただし食物繊維には水溶性食物繊維はカウントされないので、必ずしもチコリが配合されるからといって食物繊維量が多く表示されるわけではありません。
チコリーパルプとは?
チコリの食物繊維
チコリーパルプとは、チコリをつかって作られた食物繊維です。ロイヤルカナンやアボ・ダームでは、食物繊維量を増やすためにチコリーパルプが使用されています。
ビートパルプは甜菜をつかった食物繊維ですが、チコリーパルプはチコリに含まれる食物繊維を利用します。
チコリーパルプはビートパルプよりもシュウ酸の含有量が少なく、近年増えているシュウ酸カルシウムの尿路結石症への対策や予防を考えながら食物繊維を摂れるおすすめの原材料です。
チコリを使ったキャットフード例
アーテミス フレッシュミックス フィーライン キャットフード
ロニーキャットフード
クプレラ ホリスティックグレインフリー
ヤラー ビーフとチコリーのキャットパテ
キャットフードのチコリまとめ
はい。食物繊維が5%以下のキャットフードも、水溶性食物繊維は省かれた値なので、実質的な食物繊維量の総量はもっと多くなります。
チコリが多く配合されているキャットフードは水溶性食物繊維のイヌリンが豊富なので、食物繊維もしっかり摂取できるキャットフードだと考えていいでしょう。