中国産のペットフードは、日本に限らず世界で警戒されている原産国のひとつです。
もちろんすべてのペットフードが問題というわけではありませんが、問題になった事件や事故の数は非常に多く、飼い主さんの中にも中国産キャットフード、中国産原材料を使用したキャットフードも買いたくないという方は多いかもしれません。ペットフードメーカーのサイトにも安全性のアピールのために「中国産原材料不使用」と書かれるくらいです。
中国の動物愛護に関する意識や法律
中国の動物愛護に関する法律は不十分
現在、中国には飼育動物の虐待を禁止する国全体を対象とした法律はありません。
国際的に見ても、中国では1988年に制定された野生動物を保護する「野生動物保護法」、実験動物に関する法令などはあるものの、中国の動物の保護や福祉に関する法整備は不十分と評価されています。
中国国民の動物愛護への意識
また、中国ではたびたび商業目的の動物虐待や遺棄、また動物虐待を行う動画が問題となっています。また、中国は犬肉の最大の消費国であり、韓国と同様に犬や猫を食用としてきた長い歴史があります。
このことから、中国国民の動物愛護への意識は他国に比べてかなり低いのではないかと予想できます。
ただ、このような動物虐待が話題となり、動物虐待の反対デモや動物愛護の法律が発案される点などについては、以前よりも中国の国民意識が徐々に変化しているとも言えるかもしれません。
<2022年8月>中国東部で食肉処理目的の猫150匹が保護
引用:食肉処理前の猫150匹を保護、大半がペットか中国(2022年8月25日撮影・提供)|AFPBB News
国際動物愛護団体は8月30日、中国東部で食肉処理場に運ばれる予定だった猫約150匹を山東省済南市警察が保護したと発表しました。
地方自治体で犬猫肉の販売消費を取り締まり完全かつ無期限に禁止するなど、徐々に中国でも動物虐待への見方が厳しくなってきていますが、残念ながらこのきっかけは、動物愛護の観点ではなく新型コロナウイルスの流行であり、食用を目的とした犬やネコの商取引や野生生物の消費を阻止することで、今後コロナのような感染症拡大を防ぐことが目的のようです。
現在も犬や猫の肉は中国の一部の地域で珍味とみなされ、年間約1,000万引きの犬、約400万匹の猫が消費されています。食肉目的の取引は利益が高いことからペット窃盗なども行われることがあるのが現状です。
<2007年3月>メラミン混入の中国産原料によるペットフード大量リコール事件
中国産ペットフードや中国産原材料が危険視されるきっかけとなったのが、2007年のペットフード大量リコール事件です。
2007年に中国産小麦グルテンやコメタンパク質を使用した米国産ペットフードを食べたペットが大量に腎不全を発症し、そのうち100匹以上が死亡しました。
調査の結果、小麦グルテンやコメタンパク質のメラミン汚染が原因であることが報告され、中国産原材料が避けられるようになりました。
当時、日本ではメラミン汚染による犬や猫への影響や死亡事故はなかったものの、これを受けて日本でもペットフード安全法の制定、ならびに成分規格においてメラミンの基準値が設定されました。
まとめ
- 中国の動物愛護に関する法律や国民意識は低い
- 飼育動物の虐待を禁止する法律がない
- 商業目的で犬猫の虐待や殺傷、食肉利用が継続している
- 2007年に中国産原材料を使用したペットフードの死亡事件が発覚