キャットフードに穀物は必要ない?消化器官への負担と穀物アレルギー

猫田
タイトルにもありますが、キャットフードによく含まれている穀物は、猫にとってそこまで必要な物ではありません。
鈴木さん
そうだったんですね。つまりグレインフリー(穀物不使用)のキャットフードは問題ないんですね。
猫田

はい、グレインフリーは穀物の栄養は他の食材で補っています。むしろ穀物が含まれていないのは、メリットが多いですよ。

しかし肉にアレルギーを持っている猫や、穀物の栄養素を他の食材で補えないキャットフードには穀物は必要な原材料です。

穀物が必要ないと言われる理由

猫にとって、キャットフードに含まれている穀物はそこまで必要ないと言われる理由は、

穀物が必要ないと言われる理由
  1. 穀物の栄養は他の食材で補える
  2. アレルギー反応を起こしやすい
  3. 糖尿病や肥満のリスクを高める
  4. 摂取し過ぎると消化官に負担がかかる

などがあります。穀物には様々な栄養が含まれており、人にとっては重要な主食となりますが、猫にとっては主食どころか病気のリスクも高める原因になることから、穀物は猫にとってそこまで必要がないのでは、と言われることが多いです。

1.穀物の栄養は他の食材で補える

芋類や豆類で補える

穀物の主成分は、炭水化物と植物性タンパク質です。よく聞かれる炭水化物は、糖質と食物繊維の総称です。

炭水化物は、様々な食事に含まれています。特に芋類や豆類には炭水化物も食物性タンパク質も多く含まれているため、穀物を摂取しなくてもそれらの食材で栄養を補うことが可能です。

2.アレルギー反応を起こしやすい

植物性タンパク質がアレルゲンに

穀物の主成分の一つである植物性タンパク質は、猫がアレルギー反応を起こしやすく、皮膚疾患やかゆみ、体調不良など猫や穀物によって様々な症状を引き起こします。

特に小麦は猫のアレルゲンになりやすいため、グルテンフリーという小麦だけを抜いたキャットフードが販売される程です。

3.糖尿病や肥満のリスクを高める

穀物に多い糖質が原因

穀物には人にとってエネルギー源となり糖質が豊富に含まれていますが、猫にとって糖質は、血糖値を上げて糖尿病のリスクを高めるだけでなく、肥満の原因にもなります。

猫は元々インスリンという糖質の初夏を促進するホルモンの分泌が少ないため、糖尿病になりやすいと言われており、糖質の多いキャットフードはそのリスクを高めると言われています。

ブドウ糖は脂肪になりやすい

また糖質は分解されてブドウ糖になると脂肪として体に蓄積されやすくなるため、肥満の原因にもなります。

4.摂取し過ぎで消化管に負担

穀物は消化されにくい

猫の体はタンパク質を消化しエネルギー利用することに長けていますが、炭水化物をエネルギーとして効率的に利用することができません。

そのため炭水化物を摂取しすぎると、消化を行う小腸などの内臓に負担がかかります。

キャットフードの穀物のメリット

鈴木さん
穀物はそこまで必要ないし他の食材で補えるのに、なぜ穀物を使用するんですか?
猫田
それは安く栄養のあるキャットフードを作れるからです。

穀物で安くキャットフードが作れる

穀物はもともと丈夫な植物が多く、そこにさらに品種改良などが行われた結果、効率的に大量の生産ができるようになりました。穀物の生産量は年間それぞれ数億トンにものぼります。

キャットフードに穀物を使用することで原材料費を安く抑えて、その分キャットフードを安く販売することができます。

少ない原材料で多くの栄養価

また穀物には多くの栄養があるため、少ない原材料で総合栄養食の栄養基準を満たしやすいというのもメリットとして大きいと思います。

タンパク質も含まれる穀物はキャットフードのタンパク質を補うのにも便利な食材です。

妊娠猫には糖が必要

胎児や母乳に糖が必要になる

今まで穀物はそこまで必要ないと言ってきましたが、妊娠した猫や授乳期の猫に関しては、糖質が必要になります。

胎児がお腹の中で成長するにはブドウ糖が必要であり、母乳には乳糖が必要になります。そのため妊娠期の猫や授乳期の猫に与えるキャットフードは35%程度の炭水化物が含まれたキャットフードを与えるのが望ましいと言われています。

糖質(炭水化物)は穀物以外のさつまいもやじゃがいも、豆類などでも摂取できますので、そうしたものから摂取するのがいいでしょう。

キャットフードに多い穀物と特徴

小麦について

小麦はイネ科のコムギ属の植物で、小麦の生産量は年間約7.3億トンにものぼります。

小麦にはデメリットが多く、

  • 猫が消化しにくい
  • 小麦が高GIで血糖値を上げやすい
  • 小麦のタンパク質が猫のアレルゲンになりやすい 

などが挙げられます。高GIである小麦は血糖値を急激に上げてしまうため、糖尿病発症のリスクを高めてしまいます。

また上でも説明したように、穀物の中でも小麦は特に猫のアレルゲンになりやすく、食べ続けることで猫がアレルギー反応を起こしやすくなります。このアレルギーの原因になる理由は、品種改良による遺伝子組換えが原因とも言われています。

その中でスペルト小麦は通常の小麦に比べると、アレルギーを発症しにくい食材として注目されています。スペスト小麦は、古代から品種改良や遺伝子組換えがされずに、かつての姿、特徴を保ったままなので、アレルゲンになりにくいと言われています。

トウモロコシについて

トウモロコシはイネ科のトウモロコシ属にあたる植物で、年間の生産量は8.1億トンを超えています。キャットフードには「コーン」「スイートコーン」「コーングルテンミール(コーンからでんぷんを除いたもの)」などの表記で含まれていることもあります。

トウモロコシは穀物の中でも猫が消化しにくい食材です。そのため猫の消化官の負担や吸収率を考えるならトウモロコシも避けるべきでしょう。

またトウモロコシも品種改良が多くされているため、小麦ほどではありませんが猫のアレルゲンになりやすい食材です。

米について

キャットフードに米が含まれていることは少ないですが、穀物の中でも米はアレルゲンになりにくい食材として、低アレルギー食に使用されることがあります。

米の中でも玄米がキャットフードに使用されることが多く、穀物ですが他の穀物よりは安全という認識がされています。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。