キャットフードの原材料:キヌア
キヌア(Quinoa)とは
キヌアとはヒユ科アカザ亜科アカザ属に属する植物で擬似穀類とも言われます。マチュピチュで有名なインカ帝国で紀元前5,000年前から栽培・主食として親しまれてきた食べ物です。
キヌアは穀物には分類されません。キヌアは栄養素や見た目、広い意味で分けると穀物に分類されますが、狭い意味では、穀物とは「イネ科の植物の種子」に限定されるため、ヒユ科に属するキヌアは「擬似穀類」と呼ばれています。
アンデス山脈という過酷な環境でも生産できるキヌアは、近年飢餓問題を解決するとも言われる食材の一つで、これからさらに食材としての注目は高まってくるのではと期待されています。
キャットフードのキヌア
キャットフードでは、穀物のアレルギー療法食でも使用されることがあります。また、いくつかの穀物や擬似穀類が混ざった「雑穀」としてキヌアが利用されることもあります。
穀物を不使用にしたグレインフリーキャットフードの中にも「擬似穀類」を利用することで、グレインフリーを実現しているフードもあります。
キヌアの栄養素
栄養成分表
タンパク質 | 14.1g | |
脂質 | 6g | |
炭水化物 | 64.2g | |
食物繊維 | 7g | |
灰分 (ミネラル) | カリウム | 563mg |
リン | 457mg | |
マグネシウム | 197mg | |
ビタミン | 葉酸 | 184mg |
ビタミンB2 | 0.32mg | |
ビタミンB6 | 0.49mg | |
水分 | 13g | |
カロリー | 100g | 368kcal |
キヌアの主な栄養素は炭水化物になります。数値でも100g中64.2gは炭水化物と半分以上が炭水化物と出ています。
キヌアや他雑穀に分類される食材は、主要な穀物にあたる小麦・米・トウモロコシなどに比べて含まれる栄養価が高いことが分かっています。
他穀物よりもミネラルが豊富
キヌアは特に他の穀物や雑穀と比べてもミネラルが豊富に含まれています。具体的には、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リン、鉄分、亜鉛などが挙げられます。
またビタミンでもビタミンB2やビタミンB6、葉酸などが豊富に含まれます。特に葉酸は他の穀物の何倍、何十倍という値がでています。
キヌアをキャットフードにつかうメリット
低GIで血糖値を上げにくい食材
キヌアは他の穀物に比べて血糖値を上げにくい低GI食材ということがわかっており、糖尿病や肥満が気になる猫には炭水化物源となる食材はキヌアのような低GI食材がおすすめです。
グレインフリーが実現できる
製造側にとっては、キヌアを使うことで「グレインフリー(穀物不使用)」と謳えるメリットがあります。
キャットフードではグレインフリーか否かという点は、消費者の選ぶ基準としても浸透してきているため、キヌア・イネ科の植物の種子(Grain)があるのなら、キヌアを選んだ方が「グレインフリー」という魅力ポイントを一つゲットできるわけです。
アレルギー性が低く、穀物アレルギー療法食にも利用される
キヌアは良質な植物性タンパク質が含まれながら、アレルギー性は低いことがわかっています。
このため、穀物のアレルギー療法食ではキヌアが利用されることも多いです。
キヌアをキャットフードにつかうデメリット
植物性タンパク質が豊富
キヌアは他の雑穀と比べて植物性タンパク質が豊富です。良質な植物性タンパク質は猫も問題なく消化吸収しますが、20%程度は吸収されずにアンモニア(有害)を発生されるため、解毒やフィルターの役目を担う腎臓や肝臓に負担をかけてしまうデメリットはあります。
肉や魚原料が豊富でキヌアの配合量がそこまで多くない場合にはそこまでの心配はいりません。
キャットフードのキヌアまとめ
- 紀元前数千年前から栽培が始まった歴史の長い穀物
- 疑似穀類なので、穀物(Grain)には分類されない
- 雑穀としても利用される
- 炭水化物と良質な植物性タンパク質が豊富
- ミネラルが豊富
- アレルギー性が低く療法食にも利用される