キャットフードの原材料:黍(キビ:Common Millet)
黍(キビ:Common Millet)はソルガムとも呼ばれるイネ科キビ属の植物で、中央アジアなどが原産地とされています。古代穀物の一つであり起源についてははっきりとは分かっていませんが粟や稲よりも後に伝来したと考えられています。
現在は五穀米や雑穀米のひとつとして、粟や稗、麦や豆などと一緒に炊いて食べられることが多く、低カロリーでヘルシーな炭水化物源として健康志向の人にも人気です。
キャットフードにおいては、グレインフリー(穀物不使用)のキャットフードが主流となってきているため海外ブランドではあまり見られませんが、粟や稗に比べるとキビ(黍)はキャットフードで比較的よく使用されている印象です。
国産のドライフード、またウェットフードにもよく使われています。特にキビの中でも「高きび(紅キビ)」がよく配合されていま
黍(キビ)の栄養素と猫におけるメリット
栄養素 | キビ | 米 |
---|---|---|
タンパク質 | 11.3g | 6.1g |
脂質 | 3.3g | 0.9g |
炭水化物 | 70.9g | 77.6g |
食物繊維 | 1.6g | 0.5g |
カリウム | 200mg | 89mg |
マグネシウム | 84mg | 23mg |
リン | 160mg | 95mg |
銅 | 0.38mg | 0.22mg |
亜鉛 | 2.7mg | 1.4mg |
ビタミンB1 | 0.34mg | 0.08mg |
ナイアシン | 3.7mg | 1.2mg |
パントテン酸 | 0.95mg | 0.66mg |
カロリー | 353kcal | 342kcal |
食物繊維が豊富で健康な腸内環境や便通をサポート
キビ(黍)は食物繊維が豊富です。食物繊維は消化されずに腸まで届き、腸内の不要物を掃除しながら便量を増やし、腸の蠕動運動を促します。
腸の運動を活発にすることで、便通を促進し便秘解消などに役立ちます。
ビタミンやミネラルが豊富
キビ(黍)は、ビタミンB群、葉酸、マグネシウム、リン、鉄など、多くの栄養素を含んでいます。
ビタミンB群はエネルギーの生産や神経機能、赤血球の生成にかかわり正常な体の機能を保つために働きます。葉酸はDNAの合成や修復、細胞分裂に必要な栄養素です。
リンやマグネシウムは体の骨を構成する必須栄養素であり、エネルギーの代謝や貯蔵などにも関わっています。
鉄分は赤血球のヘモグロビンの構成要素として働き、血液となって酸素を全身に届ける役割を果たします。
低GIでヘルシー
また、キビ(黍)は血糖値を急激に上昇させにくい低GI食材です。
食物繊維によって満腹感を持続させながら、血糖値の上昇がゆるやかにすることで肥満や糖尿病の予防に役立ちます。
黍(キビ)の注意点、副作用、危険性
生のままで与えない
キビ(黍)自体に毒性や危険な物質は含まれていませんが、他の穀物と同様、生のまま与えず、人と同様、炊いてから与えてください。
固いまま与えると栄養源として吸収されず、消化不良や便秘を悪化させる可能性があります。
与えすぎない
他の穀物と同様で、キビを猫に与え過ぎないことも大切です。
猫の主なエネルギー源はタンパク質から得ているので、主食は肉や魚になるようにキビなどの穀物は与えすぎないようにしてください。
まとめ
- キビ(黍)は比較的キャットフードではよく使われる
- 食物繊維やビタミンB群、マグネシウムや銅、葉酸、リン、鉄が豊富
- 生のまま与えない、与える量に注意する