キャットフードの栄養素:イソロイシン
イソロイシン(isoleucine)は必須アミノ酸のひとつで以下のような機能があります。
- 神経機能のサポート
- 血管拡張作用
- 血糖値の上昇の抑制
- 肝臓の機能を高める
- ヘモグロビン形成
- 筋肉強化
- 疲労回復
- 髪や肌の健康保持
- 糖尿病予防
イソロイシン、バリン、ロイシンを合わせてBCAA(分岐鎖アミノ酸)
イソロイシンはバリン、ロイシンと合わせてBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれています。BCAAはスポーツサプリでもよく見られ、運動時エネルギー補給源として活用されています。BCAAは筋肉を構成するたんぱく質の主成分のアミノ酸です。
イソロイシンは牛肉、ラム肉、鶏肉、鮭、牛乳、チーズなどに含まれています。
イソロイシンの発見
イソロイシンはサトウダイコンの糖蜜から1904年に発見されました。3年後の1907年にはアミノ酸化学構造が決定しています。更に24年後の1931年にはイソロイシンの合成が行われるようになりました。現在ではイソロイシンは肝硬変患者の低アルブミン血症の治療薬にも配合されています。
猫におけるイソロイシン
猫にとっても必須アミノ酸であるイソロイシン。猫の場合でもイソロイシン、バリン、ロイシンのBCAA(分岐鎖アミノ酸)はだいたいセットで考えられます。
BCAAのアミノ酸の血中濃度は食事からの摂取に大きく左右されるため、食事は非常に重要です。特にBCAAは筋肉を構成するたんぱく質の主成分のアミノ酸のため、しなやかな猫にとってもとても重要なたんぱく質です。
高齢猫は特に摂取することが望ましい
年を重ねる毎にBCAAを摂取しても活用ができなくなっていくため、筋肉量が落ちていってしまいます。このため年を取ってきたらBCAAを積極的に摂取することがおすすめです。
イソロイシンは欠乏すると被毛の荒れや硬くなったり、肉球などの乾燥やひび割れ、疲れなどがみられます。
キャットフードに必要なイソロイシンの量・基準
ペットフード公正取引協議会が採用するAAFCOのガイドラインではドライタイプのキャットフードのイソロイシンの最低基準は、幼猫用が0.56%・成猫用0.52%以上と定められています。
最大値(上限値)の設定はありません。
イソロイシンの欠乏/過剰摂取
欠乏
BCAA(イソロイシン、バリン、ロイシン)は筋肉を構成するたんぱく質のため、欠乏すると筋肉量が落ち、体重が減少します。
中でもイソロイシンが不足すると皮膚被毛の荒れや肉球の乾燥・ひび割れなどが見られます。
過剰
過剰摂取については特にありませんが、アミノ酸はバランス良く摂取することが大切です。
まとめ
- 必須アミノ酸のひとつ
- イソロイシン、バリン、ロイシンでBCAA(分岐鎖アミノ酸)と言われる
- BCAAは筋肉を構成するたんぱく質
- スポーツ後のエネルギー補給でも使われる