HACCP(ハサップ)とは
食品の衛生管理システム
画像引用元:HACCP(ハサップ)|厚生労働省
HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)とは原材料の入荷から製造、出荷に至るまで全ての工程における記録や管理を行うシステムです。国連の国連食糧農業機関(FAQ)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格委員会から発表され、世界各国に採用を推奨している国際的に認められた衛生管理システムです。
食品の安全を守ることに特化した管理方法で、感染症や食中毒などの病気や症状、傷害を起こす可能性がある病原体や異物を除くもしくは軽減することを目的としています。
HACCPによる管理の方法手順
HACCPを導入にするにあたって、公益社団法人日本食品衛生協会が公開しているHACCP導入のための7原則12手順によれば、下記のような手順と原則で実施されます。
- HACCPのチーム編成
- 食品の説明書の作成
- 意図する用途及び対象となる消費者の確認
- 製造工程一覧図の作成
- 製造工程一覧図の現場確認
- 危害要因分析の実施(ハザード)【原則1】
- 重要管理点(CCP)の決定【原則2】
- 管理基準(CL)の設定【原則3】
- モニタリング方法の設定【原則4】
- 改善措置の設定【原則5】
- 検証方法の設定【原則6】
- 記録と保存方法の設定【原則7】
HAPCCP認証とは
HACCP認証は、第三者から上記のようなHACCPの衛生管理方法が機能していることが認められて与えられる認証です。社外の団体や機関によって認められるので、認証のない団体に比べて会社の透明性や情報開示姿勢、安全管理に対する意識が高いと言えます。
ただ認証は、認証を受ける団体によって基準も異なり、さらに地方自治体や厚生労働省などの公的な機関以外にも、民間企業からも受けることができます。また地域認定のような限定的な認証もあるため、HACCP認証を得ている工場やペットフードがすべて同レベルの衛生管理が行われているわけではありません。
キャットフードにおけるHACCP(ハサップ)
HACCPのシステム導入は欧州ペットフード工業連盟(FEDIAF)でも推奨されています。キャットフードの原材料や成分はパッケージや公式サイトから確認できますが、ペットフードの製造工程や環境における安全・衛生管理は、このような認証を見ることでしかほとんど確認することができません。また、どんなに良い原材料や栄養バランスでも、安全管理がなっていなければ台無しになってしまうので、HACCPのような製造工程や環境にも意識を向けることは大切かと思います。
ペットフード企業もHACCPを導入することで消費者(飼い主)に対してキャットフードを製造する環境の安全性や衛生管理、意識の高さを示すことができるので、HACCPシステムを導入しているメーカーは多くあります。また製造委託しているメーカーは、委託している製造工場がすでにHACCPを導入していることもあるため、HACCPシステムを採用している企業は意外に多いかもしれません。
まとめ
- 工場や製造環境の衛生・安全管理を行うシステム
- HACCP認証は厚生労働省や自治体、民間企業でも行っている
- 認証の基準や項目は認証機関によって異なる