キャットフードの一般的な製造方法、袋詰めまでの製造過程を解説

猫のためにどのキャットフードがいいのか真剣に選ぶ飼い主さんが増えてきましたが、キャットフードがどのような製造方法でどんな過程を経て作られているのかご存知でしょうか。

今回はキャットフードの基本的な製造方法、製造される過程を解説していきます。

ドライフードの製造方法

水分量が少なくコロコロとした形のドライフード。猫の主食(総合栄養食)として猫が最も多く食べているキャットフードと言えます。

製造方法1. 原材料を工場に入荷

原材料が工場に運ばれ、原材料のチェックが行われます。原材料のまま入荷されることもあれば、すでに粉状になって入荷されることもあります。

製造方法2. 原材料を細かくして混ぜ合わせる

原材料は「粉砕機」ですべての原材料がだいたい同じくらいの大きさになるまで細かくされます。細かくなった原材量は大型のミキサーに入れられ、加熱されながら原材料がしっかり混ぜ合わされます。

※すでに粉状になっている物は直接ミキサーへ。

混ぜ合わされた時点でまた一度、異物や混入物がないかの確認作業が行われます。

製造方法3. 加熱&加圧で生地状にまとめ成形

原材料を混ぜたらさらに加熱をし、圧力加えながら生地状になるように、エクストルーダーという機械でこねたり練ったりします。

生地のように原材料がまとまると、キャットフードの形に成形されていきます。

まとめられた生地を練り上げながら押し出し口に押し出していき、金太郎飴のように出てきた記事を指定した厚みにカットします。

押し出し口の形状によってキャットフードの形は変えられるため、これもあらかじめ厚みと一緒に指定しておきます。

製造方法4. 熱風で水分を飛ばし乾燥させる

こうしてフードの形に整えられたキャットフードを、ドライフード(水分量10%以下)にするために熱風を当てて乾燥させていきます。

この作業を行わないと、キャットフードがカビてしまったり酸化が早まってしまい、ドライフードとして販売することも難しくなります。

製造方法5. 添加物や栄養素をなどを添加

劣化、酸化を防止するための添加物や、加熱などで失われてしまった栄養素も添加します。

またオイルや動物性油脂を塗りドライフードが崩れないようにします。このオイルなどには猫を惹きつける香りもあるため食いつきを良くするためにも使用されます。

製造方法6. 冷やして袋詰めして出荷

最後に加熱されて温かくなったキャットフードを、袋詰めの前にしっかり冷やします。

冷やして異物などの混入物がないかを確認後、袋に詰められ出荷されます。

ウェットフードの製造方法

ウェットフードはドライフードとは反対に、水分量が多いフードです。代表的なウェットフードを上げるとするなら缶詰(猫缶)などがあります。

製造方法1. 原材料を工場に入荷

ウェットフードは肉や魚などの原材料がほとんどです。

製造方法2. 頭や骨などを取り除きカット

原材料を混ぜ合わせる前に、使用される動物の頭や脚、骨、内蔵などを取り除きます。

取り除いた材料はドライフードほどではありませんが、カットして猫が食べやすい大きさにしていきます。

製造方法3. 原材料を混ぜ合わせる

カットした原材料を混ぜ合わせていきます。ここで足りない栄養素や添加物などが加えられます。

製造方法4. 缶詰にして冷却されて出荷

混ぜたら缶詰にして空気を抜いて密閉します。ここでもう缶詰になってしまいますが、ここから菌を殺したり品質維持のために缶詰を加熱したり冷却したりします。

こうした工程を経てウェットフードは出荷されます。

製造方法はどのメーカーもそんなに変わらない

どのように製造されているのか、その方法を知ることは大切ですが、この製造方法はメーカーやブランドによって大きく違うわけではありません。

そのため、キャットフードで違いが大きく出るのは原材料の質です。キャットフードを選ぶ際は、やは原材料や添加物表示を見て決めるのが一番簡単かと思います。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。