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GI値とGL値は糖質から算出される値です。糖尿病や肥満などのリスクを低減に役立つということで注目されています。糖尿病家系の猫や肥満傾向の猫を飼われている方は特にチェックしておきたいところです。
ではまずGI値とGL値について、どのような数値なのかを簡単に解説していきたいと思います。
GI値(グライセミック・インデックス)とは
血糖値の上がりやすさ
「GI値」とは食事後の血液中に吸収される糖質の度合いを表した数値です。正式にはグライセミック・インデックス(Glycemic Index)と言います。
GI値によって、食べた後の血糖値の上がりやすさを数値として見たり、どの食材や食べ物がより血糖値が上がりにくいかを比較することができます。
1990年代に注目され始め、過体重や肥満、糖尿病の発症リスクを低GI食品が低減させる可能性があると言われ始めました。
GL値(グリセミック負荷)とは
血糖値の上がりやすさ & 糖質量
「GL値」とはGI値(血糖値の上がりやすさ)に食べ物の糖質量も合わせて算出される数値です。正式にはグリセミック負荷(Glycemic Load)と言います。
GI値が血糖値の上がり具合だけを算出しているのに対し、GL値は血糖値の上がり具合と糖質量の両方を考慮した計算方法となっています。
より現実的な値として役立てやすくなったため、これからは糖尿病や肥満予防にはGI値に変わってGL値が主流になってくるかと思います。
低GI値、低GL値のキャットフードのメリット
糖尿病のリスクを減らす
低GI値、低GL値のキャットフードは、糖尿病のリスクを減らしたり予防することも期待されています。
糖尿病は血糖値が高く血管に負担をかけている状態をいうので、血糖値が上がりにくい低GI値や低GL値のキャットフードは、猫の糖尿病のリスクを減らしたり予防することにつながります。
肥満の予防や改善
また低GI値、低GL値のキャットフードは、肥満の予防や改善にも効果があるとされています。
血糖値が一気に上がると糖尿病リスクが上がるだけでなく、一気に押し寄せて余分になった糖質はエネルギーとしてではなく脂肪細胞に送り込まれてしまい、肥満にもなりやすくなります。
ゆるやかに血糖値が上がる低GI値や低GL値のキャットフードは、ゆっくり血糖値が上がっていくため、糖質が余分な分として脂肪細胞に送られにくくなり、肥満の改善や予防に役立ちます。
キャットフードの原材料のGI値
炭水化物となる原材料
ではキャットフードに使用される原材料のGI値はどのような数値になっているのでしょうか。
ここではキャットフードの炭水化物としてよく使用される穀物・豆類・芋類のGI値とカロリーを合わせてご紹介します。
食べ物の名前 | GI値 | カロリー(kcal) |
---|---|---|
さやいんげん | 26 | 23 |
いんげん豆 | 27 | 333 |
さやえんどう | 28 | 36 |
そら豆(生) | 30 | 108 |
エンドウ豆 | 38 | 352 |
小麦全粒粉 | 45 | 328 |
グリーンピース | 45 | 93 |
アマランサス | 45 | 358 |
オートミール | 55 | 380 |
さつまいも | 55 | 132 |
レンズ豆 | 55 | 353 |
玄米 | 56 | 165 |
かぼちゃ | 65 | 91 |
とうもろこし | 70 | 92 |
白米 | 84 | 168 |
じゃがいも | 90 | 76 |
猫にとっての基準はまた変わってくるかと思いますが、人用の食品の場合、高GI値=70以上、中GI値=56~69、低GI値=55以下という基準で判断されています。
豆類が低GI値の傾向
表をみると、低GI値な原材料は豆類に多く、高いGI値の原材料は穀物や芋類といった傾向となっています。
ジャガイモとサツマイモのGI値
注目したいのが太字になっているジャガイモとサツマイモのGI値。ジャガイモはカロリーが低いですがGI値は高く、たいしてサツマイモはカロリーは高いですがGI値は低いです。
この場合、カロリーだけでみるとジャガイモの方がヘルシーに思えますが、GI値やGL値を参考にすると、サツマイモの方が糖尿病や肥満対策に適している原材料として判断されます。
このようにカロリーだけではヘルシーかどうか、糖尿病や肥満に配慮されているかどうかはわかりませんので、ぜひGI値やGL値についても考えてキャットフードを選んでみてください。