キャットフードの着色料:食用黄色5号(サンセットイエローFCF)
食用黄色5号は「サンセットイエローFCF」という橙色(オレンジ色)を付ける合成着色料で、ゼリーやキャンディーなどの菓子類や清涼飲料、佃煮、たくあんなどに使用されています。
キャットフードは基本的に茶色い粒の商品が多いため、オレンジ色の着色ができる黄色5号は比較的使用頻度が高く、複数のブランドで他着色料と併用されています。
とはいえ他の合成着色料と同様、石油由来のタール色素になるため安全とは言いきれず、ベニバナ色素や天然由来の色素で代替するメーカーも増えたため、現状国産の激安フード以外にはほとんど使用されていません。
一日摂取許容量(ADI)は0~2.5mg/kg 体重に設定されていますが、あくまで人の場合なので、猫に対しての許容量についてはわかりません。
黄色5号を使用したキャットフード例
食用黄色5号(サンセットイエローFCF)の危険性・悪影響
反復投与毒性では成長遅延や体重減少、下痢が報告
画像引用元:食用黄色5号|日本医薬品添加剤協会
【一部抜粋】
ラット 14日間反復投与毒性試験
飼料に5%の本色素を添加して未成熟の雄ラットに摂食させた場合、通常飼料に5%添加では何の影響も観察されなかったが、精製飼料では、成長の著しい遅延を引き起こし、半数以上のラットが14日間の実験期間内に死亡した。この毒性は、ハーブの種子、人参の根の粉末、アルファルファの葉肉、小麦粉の添加により防御されたが、精製セルロースの効果は中程度であったイヌ 2~3ヶ月間反復投与毒性試験
イヌによる混餌投与試験を実施した。ビーグル4匹に本色素を1.0、5.0%で混餌投与した。5.0%群のイヌ4匹のうち2匹、および1.0%群の1匹で体重漸減がみられ、2~3ヶ月後に屠殺しなければならなくなった。一般に、5.0%混餌投与群は中等度毒性、1.0%混餌投与群は軽度毒性を示した。体重減少および下痢が、結果としてみられた主要な臨床所見であった。肉眼および病理組織学的検査で病理学的変化が認められたが、特徴的なものではなかった1) 。イヌ 7年間反復投与毒性試験
雌のビーグル犬5匹に対して本色素を2.0%で7年間混餌投与した。病理組織学的所見は何も報告されなかった
食用黄色5号について、反復投与による毒性試験がマウスやラット、犬、ハムスターやミニブタなどで行われており、中でも未成熟のオスラットに行った試験では、精製資料に著しい成長遅延を引き起こし14日間の実験内で半数以上のラットが死亡したことを報告しています。
また、より猫と体重が近い犬への試験では、体重減少や下痢などの毒性を示していますが、上記3項目の7年間の反復投与試験では、病理的な問題は何も報告されていません。
発がん性は確認されていない(IARC)
食用黄色5号は(IARC)の評価によれば、食用黄色5号(サンセットイエローFCF)は発がん性が確認されていないグループ3に分類されています。
黄色5号については反復毒性試験はかなり行われていますが、その上で発がん性や遺伝毒性などは確認されていません。
まとめ
- オレンジ色の合成着色料
- 反復投与毒性試験で成長遅延や体重減少、下痢が報告
- 発がん性や遺伝毒性は確認されていない