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キャットフードの原材料:アマランサス(アマランス)
アマランサス(Amaranth)とは
アマランサス(Amaranth)は、ヒユ科ヒユ属の植物の総称で、擬似穀類のひとつです。同じヒユ科の擬似穀類の「キヌア」の種子とは見た目や栄養素がよく似ており、キャットフードでは主要穀物の代わりとして利用されることがあります。
干ばつや寒冷にも強い
アマランサスは、環境に適応する力に長けているため、雨や水分の少ない干ばつ地域でも栽培することができる丈夫な植物です。もともとはメキシコやグアテマラ、ペルーなど南米で生息していた植物ですが、現在はヒマラヤ山脈の周辺や寒い国や地域で栽培されていることが多いです。
同じ名前の着色料「アマランス(Amaranth)」との見分け方
穀類のアマランスと着色料のアマランス
アマランサスはスペルからも「アマランス(Amaranth)」と呼ばれることもあることから、同じ名前の合成着色料「アマランス(Amaranth)」と間違われることがあります。
合成着色料のアマランス(Amaranth)とは、赤色に着色できる食用タール色素のことで「赤色2号」と呼ばれます。食品ではイチゴシロップなどで使用されますが、アメリカや北欧、韓国などでは使用禁止になっています。
アマランサスはキャットフードの原材料として配合されると、この合成着色料だと勘違いされることもあります。
用途名が書かれているか見る
見分け方はとても簡単で、アマランスが着色料だった場合、「着色料(アマランス)」と表記されます。ペットフード安全法では着色料などの添加物はその用途名も記載しなければならないと定められているので、もし着色料のアマランスが使用されている場合には、上記のように「着色料」という用途名も一緒に記載されます。
反対に、原材料名に「アマランス」とだけしかない場合には、穀類のアマランサスが配合されていると予想できます。
アマランサスの栄養素
炭水化物やミネラルが豊富
アマランサスは擬似”穀類”なので炭水化物が豊富に含まれます。炭水化物が豊富ですが、アマランサスは血糖値を急激な上昇ではなくゆるやかに上昇させる低GI食材になります。
低GI食材は血糖値や糖尿病、肥満傾向の猫などにおすすめの食材です。またカロリーについても他の穀物や炭水化物源に比べると低めです。
タンパク質 | 12.7g | |
脂質 | 6g | |
炭水化物 | 64.9g | |
食物繊維 | 7.4g | |
灰分 | マグネシウム | 270mg |
リン | 540mg | |
鉄分 | 9.4mg | |
亜鉛 | 5.8mg | |
銅 | 0.92mg | |
マンガン | 6.14mg | |
セレン | 13μg | |
モリブデン | 59μg | |
ビタミン | ビタミンB6 | 0.58mg |
葉酸 | 130μg | |
パントテン酸 | 1.69mg | |
カロリー | 100g | 358kcal |
アマランサスは穀物(グレイン)ではない
擬似穀類をつかってもグレインフリーと謳える
ここ最近は穀物を不使用にした「グレインフリー」が注目されていますが、穀物(Grain)には、アマランサスのようなヒユ科やタデ科の植物の種子は含まれません。このため、イネ科ではない擬似穀類を使用することでグレインフリーを実現することができます。
擬似穀類は、アレルゲンのリスクは他の穀物に比べて低いといわれますが、消化器官への負担などについては他の穀物とあまり変わりありません。このへんは、飼い主さんの判断で、グレインフリーのどの部分に対して魅力を感じているかによってアマランサスや擬似穀類が許容できないか、必要と考えるか違ってくると思います。
キャットフードのアマランサスまとめ
キャットフードのアマランサスについてお話しました。
- 擬似穀類のひとつ
- 炭水化物とミネラルが豊富
- 低GIで血糖値や肥満が気になる猫におすすめ
- 低アレルゲン
- 合成着色料アマランスと間違われやすい