猫の毛は、白、黒、茶、グレー、シナモンなど様々なカラーがあります。
では、この猫の毛の色や柄はどのように決まるのでしょうか。猫の毛の色や柄の種類と一緒に性格の傾向などもご紹介したいと思います。
猫の毛色はどのように決まる?
猫の被毛の毛色や毛質、模様は両親から受け継いだ遺伝子(DNA)の組み合わせによって決まると考えられており、たとえば毛色の遺伝子には以下のようなものがあります。
- B遺伝子座…毛を黒くする
- W遺伝子座…毛を白くする
- O遺伝子座…毛をオレンジにする
- I遺伝子座…毛をシルバーにする
- d遺伝子座…毛色を濃くする
被毛全体に現れる基本的なベースカラーがあり、他の色が模様として入るというパターンになります。ベースカラーの種類には以下のような種類があります。
猫の毛色(ベースカラー)の種類
基本的に猫の被毛のベースカラーは5つに分かれており、そこからさらに数種類に枝分かれして細かく毛色の名前や種類が名付けられています。
ホワイト(白)
ホワイトは白。色素が薄く、青い目やオッドアイの猫も多いとされる毛色で、昔はその神聖さから「神の使い」と言われることもありました。
白猫は他の色の猫に比べて、自然界でとても目立つカラーです。敵に見つかりやすく狙われやすいので、警戒心が強く繊細なところがあります。また気が強く、慣れるまでには時間がかかるかもしれません。一度なつくと非常に愛らしい姿を見せてくれます。
ブラック(黒)
ブラックはいわゆる黒猫、また寒色で暗色寄りのブルーやブルーキャラメルなどもブラックに分類されることがあります。黒猫は劣勢遺伝のため数はそこまで多くありませんが、黒猫は病気に強いと言われており、生命力も強いため野良猫でもよく見かける毛色になります。
黒猫のクールな見た目から警戒心が強いのかと思いきや、実は黒猫はとてもフレンドリーで甘えん坊な性格をしています。
黒は自然界では最も目立たない色で、夜も暗闇に紛れることができるので、危険を回避しやすい得な猫です。好奇心が強くフレンドリーなので、他の猫との多頭飼いにも向いています。
チョコレート(茶)
チョコレート(茶)には、チョコレート、またライラック(ラベンダー、グレー、ブルー)、ライラックキャメルなどのカラーが分類されます。
チョコレートは野良猫には稀な毛色で、日本でチョコレート色の猫はあまり見かけません。ハバナブラウンなどの血統猫がこの色に分類されます。
グレーの被毛が美しいブリティッシュショートヘアやロシアンブルーなどはライラックカラーが多いです。
落ち着いた性格の猫が多く、警戒心はやや強めですが、高貴な印象もあります。
シナモン(薄茶)
シナモン(薄茶)にはシナモンやフォーン、フォーンキャラメルなどのカラーが分類されます。黒やチョコレートに比べて色素は薄く、シナモンはシナモンスティックのような赤みのある茶色です。
レッド(赤)
レッドは、真っ赤というよりも明るいオレンジ系というイメージのカラーになります。実際レッド系にはオレンジ、クリーム、アプリコットなどが分類されます。
いわゆる茶トラなどの明るいオレンジ色はレッド系に分類されます。日本猫や野良猫にも多く見られる系統のカラーです。
レッドカラーの猫は、温厚で人なつっこく、甘えん坊な猫が多いため、飼いやすい種類になります。また、元気で好奇心旺盛、活動的なので多頭飼いにも向いています。
猫の毛色は成長や病気で変わる
成長とともに毛色が変わるのは問題なし
猫は子猫から大人の猫に成長する過程で、徐々に毛色が変化していきます。
たとえば子猫の時は白や淡色だったのに、成長と共に徐々に茶色になってきたり、模様が現れたりすることも自然なことです。
子猫の時はメラニン色素量が少なく、成長と共に増えて本来のメラニン量を持つようになるので、成長した時の色が、受け継いだ遺伝子情報の本来の色です。
このため成長と共に色が変わったからといって、病気が原因ではないのでご安心ください。
高齢になると毛色が薄くなる
猫も歳を取ると、猫も被毛の色が薄くなってきます。人に白髪が増えるのと同じ老化現象の一つで、猫の体調に問題があるわけではないので、これも基本的には心配いりません。
ただ場合によっては被毛に必要な栄養素が足りていない可能性やストレスなどの可能性も考えられるので、被毛の色だけでなく、毛質や脱毛、皮膚の状態なども合わせて観察して、場合によっては動物病院で診察してもらうのが安心です。