体内における解毒能力とは
肝臓で有害物質を変化
体内における解毒能力とは、摂取した物質や代謝の際の生じた有害な物質を毒性の低い物質へと変え、無毒化する能力を言います。
肝臓内にある肝細胞中の酵素によって行われる「グルクロン酸抱合」という科学物質処理の方法によって、体の中に取り込まれた「毒」となる物質を無毒化しています。
肝細胞中の酵素の働きによってグルクロン酸が化合し物質を水溶性に変える方法で、薬物処理とも言われます。
猫の解毒能力が低い
始めにもお話しましたが、猫の場合、この肝臓による解毒能力が他の動物より低いことが分かっています。
猫は上でも説明したグルクロン酸抱合を構成する酵素が一部欠けており、他の動物よりも毒物や薬の代謝が苦手です。
タンパク質をエネルギーとして分解するなど高い肝臓機能を持っている猫ですが、肝臓の解毒作用が低いのはなぜなのでしょうか。
猫の解毒能力が低い理由
解毒する必要がなかった
猫の解毒能力が低い理由としては、他の動物よりも解毒能力が必要としていなかったことが理由に挙げられると思います。
猫が野生化で狩って食べていた小動物には始めから毒はありません。小動物が食べた植物も体内ですでに解毒されているため、猫は毒物を解毒する能力をそこまで必要としていなかったという歴史があります。
草食、雑食動物の解毒能力は高い
しかし犬、豚、牛、馬など草食動物や雑食動物は解毒能力が非常に高いとされています。
これは肉食動物のように、すでに無毒化された物を食べられるわけではないので、毒性のある物を食べてしまう可能性が高いからといえます。
そのため草食動物や雑食動物は体内の解毒能力が発達したと言われています。
猫にとって毒となる物がないか注意しなければならない
猫には毒になる物が多い
他の動物に比べて猫は体内の解毒能力が低いため、人や他の動物にとって問題の無い物質でも、猫にとっては有害な物質もあります。
そのため猫に与える食べ物はもちろん、観葉植物や香り(アロマ等)、家にある様々な物が猫にとって有害になる可能性がある物には注意しなければなりません。
体に異常をきたす
解毒能力がない猫が有害物質を体に取り込んでしまうと、嘔吐や下痢、痙攣、ふらつきなど物質によって体に様々な異常が出てしまい、場合によっては死に至ることもあります。
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