【ラグドール】性格・飼い方・かかりやすい病気まで完全解説|相性診断つき

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ラグドール(ragdoll)の誕生・起源

新しい猫種でありながら人気が高い

ラグドールは1960年代、アメリカ・カリフォルニア州リバーサイドで誕生した猫種です。

ブリーダーのアン・ベイカー氏が、ペルシャ風の長毛を持つ白猫「ジョセフィン」と、性格が穏やかで人懐っこいオス猫を交配したことから始まりました。

ジョセフィンの子どもたちは非常におとなしく、抱かれると脱力するように身を預ける特徴を持っていたことから、“ぬいぐるみ”を意味する「ラグドール」と名付けられました

アン氏はこの性質を保ちながら計画的に繁殖を重ね、現在のような大型で長毛、性格の優しい猫種として確立されていきました。

ラグドールは比較的新しい猫種でありながら世界中にファンが多く、現在ではTICAやCFAなどの主要な猫種登録団体にも正式に認められています。

日本での人気は?

ラグドールは日本でも高い人気を誇る猫種で、その大きな体とふわふわの被毛、穏やかで人懐っこい性格が魅力とされています。とくに「抱っこ好きな猫」として知られ、初めて猫を飼う人にも支持されています

近年の人気ランキングでも常に上位に入り、癒し系の外見と性格のギャップが多くの飼い主に愛されています。

アニコムの人気の品種ランキング(2024年)によると、ラグドールの飼育頭数は9,720頭で、7位に位置しています。

ラグドールの性格

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ラグドールは「ぬいぐるみ」のように抱っこされることを嫌がらない性質にもあるように、おだやかで人懐っこい性格が大きな魅力です。

初心者や子どものいる家庭でも飼いやすいと言われており、甘えん坊で愛情深い一方、無駄に騒ぐことが少ないため、落ち着いた性格を求める方にもぴったりです。

  • 温厚で従順
    →抱っこを嫌がらず、穏やかに身を任せる子が多い
  • 人懐っこく甘えん坊
    →飼い主に寄り添い、後をついて歩くような行動も
  • 静かでおだやか
    →鳴き声も小さく、あまり騒がない
  • 知的で賢い
    →名前を覚えたり、簡単なおもちゃで遊ぶのが得意
  • 社交的で協調性がある
    →他の猫や犬、子どもとも比較的うまくやっていける

ラグドールの毛色・模様

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ラグドールにはシール、ブルー、レッド、クリーム、ライラックといった毛色の「ポイントカラー」があり、これに加えてタビー(縞模様)やトーティ(サビ柄)、バイカラーなどさまざまなパターンが存在します。

毛色だけでなく、模様の入り方にも特徴があり、顔や耳、脚、尾に濃い色が入る「ポイント」、前足や後ろ足に白い手袋や靴下のような模様が見られる「ミテッド」、複数の色が混ざり合った「トーティ」、はっきりと2色が分かれている「バイカラー」などが代表的です。

ラグドールは生まれたときにはほとんど白色で、成長とともに徐々に色が現れます。毛色が完全に定まるまでには、1年から2年ほどかかることもあります

定番カラーのシールやブルーは安定した人気ですが、最近は珍しいライラックやクリームカラーを好む人も増えてきています。

ラグドールの顔・体型

ぬいぐるみのような温和な顔立ち

ラグドールの顔は、丸みを帯びたやさしい輪郭と大きな青い瞳が特徴です。目はオーバル型で澄んだサファイアブルーが多く、見つめられると吸い込まれるような印象を与えます。鼻筋はなだらかで、マズル(口元)はややふっくらとしており、耳は中くらいの大きさで先が丸く、程よく広がって配置されています。

全体的に柔らかで愛らしく、ぬいぐるみのような温和な顔立ちをしています。

骨格がしっかりで筋肉質

ラグドールはセミフォーリンタイプの大型猫種で、骨格がしっかりとしており筋肉質な体つきをしています。成猫の体重はオスで6〜9kg、メスで4.5〜7kgで、大柄ですが動きは優雅でおっとりとしています

胴は長く、四肢は太くてやや短め。首元や胸、しっぽには豊かな飾り毛があり、全体としてふわふわとした優雅なシルエットを描きます。

成長に時間がかかり、完全に大人になるまでには3〜4年を要します

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2018年7月3日

ラグドールの飼い方・飼いやすさ

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安全でストレスがない生活を送るために、ラグドールの飼い方を把握しましょう。

生活環境

ラグドールはおとなしく穏やかな性格ですが、体が大きいためある程度のスペースがある住環境が理想です。高所へのジャンプも好きなので、キャットタワーやステップ付き家具を設置すると安全に運動できます。

あまり激しく動き回らない分、ストレスを感じない静かな空間も必要です。

毛が長く暑さに弱いため、夏場は冷房や風通しのよい環境を整えることが大切です。トイレやベッドは体格に合ったゆったりサイズを選びましょう。

ブラッシング

ラグドールは長毛種ですが、毛質は比較的なめらかで絡みにくく、週2〜3回のブラッシングで美しい被毛を保てます。とくに脇やお腹、首元など毛が密になりやすい部位は毛玉ができやすいため、丁寧にケアしましょう。

ブラッシングは皮膚の健康維持や血行促進だけでなく、飼い主とのスキンシップの時間としても大切な習慣になります。

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2018年10月15日

食事管理

ラグドールは成長に時間がかかる大型猫種で、3〜4年かけてゆっくりと成猫になります。そのため、ライフステージに合ったキャットフード選びが重要です。

子猫期は成長を支える高たんぱくな食事を、成猫期は肥満防止を意識したカロリー調整されたフードが望ましいです。

穏やかな性格の反面、運動量はそれほど多くないため、体重管理と食べすぎの防止を心がけましょう。

遊び

ラグドールは活発すぎるわけではありませんが、遊び好きで知的好奇心もある猫種です。毎日10〜15分程度、飼い主と一緒に遊ぶ時間を作ることでストレス解消や運動不足の予防になります。釣り竿型のおもちゃや転がるボール、知育トイなどがおすすめです。

また、穏やかでマイペースな性格なので、無理に遊ばせようとせず、猫のペースに合わせて楽しむことが大切です。

初心者でも飼いやすい?

ラグドールは穏やかで人懐っこく、鳴き声も静かなため、初めて猫を飼う方でも非常に飼いやすい猫種です。抱っこされるのを嫌がらない子が多く、しつけやケアにも比較的協力的です。

ただし、大型で長毛のため、食事管理や定期的なブラッシング、広めのスペースの確保などには多少の配慮が必要です。おっとりした性格なので、騒がしい環境や急な変化にはストレスを感じやすいこともありますが、手間をかけて愛情を注げる方には理想的なパートナーになります。

ラグドールの健康・かかりやすい病気

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猫種に限らず、猫は猫下部尿路疾患肥大型心筋症歯周病にかかりやすい傾向にあります。ここでは、これらの病気以外でラグドールがかかりやすい病気をご紹介します。

善玉菌の割合が多い

ラグドールと他の猫種の腸内細菌叢を比較した研究では、ラグドールの腸内には、ラクトバチルスエンテロコッカスなどの有益な細菌(善玉菌)の割合が高いことが示されました。

乳酸菌の一種であるこれらの善玉菌は、消化を助けたり、病原菌の増殖を抑制する働きがあり、腸内環境のバランスが整いやすい傾向にあると言えます。

参考:Comparative Analyses of the Gut Microbiota in Growing Ragdoll Cats and Felinae Cats

慢性腎臓病

ラグドールは、慢性腎臓病(CKD)の発症リスクが他の猫種より高い可能性が示唆されています​加齢とともに腎機能が低下しやすく、早期には症状が出にくいため、定期的な健康診断や血液検査、尿検査が推奨されます。

また、腎臓の構造異常(腎皮質の形成不全)も報告されており、若齢期でもリスクがゼロとは言えません

参考:Prospective evaluation of healthy Ragdoll cats for chronic kidney disease by routine laboratory parameters and ultrasonography

5つの質問でわかるラグドールとの相性診断

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実際に猫と暮らしてみると、お世話の大変さや工夫が必要になることに直面します。可愛い・憧れだけでお迎えすると、あとから「思っていたのと違った…」と感じてしまうことも少なくありません。

そのため、猫をお迎えする前に飼いやすさや生活スタイルとの相性を見極め、自分とその猫種が合っているのか」を確かめることが、猫との幸せな生活を送るためにとても重要となります。

ここでは、あなたとラグドールとの相性がわかる「5つの質問」をご用意しました。ぜひ試してみましょう!

ラグドールとの相性診断
Q1
抱っこが好きで、膝の上にいることを好む猫に、毎日向き合ってあげられますか?
毎日でも喜んで甘えさせてあげたい(3点)
気が向いたときには応じられると思う(1点)
ベタベタした関係は少し苦手(0点)
Q2
大きくてふわふわな猫がソファやベッドでくつろぐ様子を見て、癒されると感じますか?
その姿を見ているだけで幸せになれそう(3点)
癒されるけど、お世話が大変そうかも(1点)
小柄な猫の方が扱いやすくて好み(0点)
Q3
週に何度か、長毛の毛玉や抜け毛ケアとしてブラッシングする時間をとる余裕がありますか?
もちろん!むしろスキンシップとして楽しみたい(3点)
やってみたいけど続けられるか少し不安(1点)
手間がかかる毛のケアはなるべく避けたい(0点)
Q4
飼い主の後をついてきたり、そっと寄り添ってくるような甘え方をする猫を愛おしく感じますか?
そういう猫との暮らしに憧れている(3点)
可愛いとは思うが、自由な猫も好き(1点)
べったりされるのはちょっと苦手(0点)
Q5
日中はおだやかに過ごし、夜も比較的静かに寝てくれるような猫を理想だと思いますか?
静かで落ち着いた猫がぴったり合うと思う(3点)
場合によっては活発な猫でも大丈夫(1点)
動きの多い猫ややんちゃな性格の方が楽しい(0点)

※この診断は、猫を初めて飼う方にも分かりやすく、ラグドールの一般的な性格傾向をもとに作成しています。ただし、実際には猫にもそれぞれ個性があるため、何よりも大切なのは今そばにいる猫ちゃんとの関係性です。

診断結果

・13〜15点|相性◎ とても向いています!
 ラグドールの甘えん坊で穏やかな性格にぴったり寄り添える素敵な相性です。

・7〜12点|相性○ 基本的に向いています
 多少の手入れや工夫が必要ですが、優しい関係を築ける可能性が高いです。

・0〜6点|相性△ 少しギャップがあるかも
 ラグドールの性質と生活スタイルにズレがある可能性があります。猫種選びを再検討してみても良いかもしれません。

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2020年6月4日

ラグドールの価格

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  • ペットショップ:約20万〜35万円前後
  • ブリーダー:約25万〜50万円以上

ラグドールでは、ブルーバイカラーやシールポイントなどの毛色がとくに人気です。人気カラーは需要が高いため、価格もやや高めに設定される傾向があります

まとめ

ラグドールは、ぬいぐるみのような見た目と、穏やかで人懐っこい性格が魅力の猫種です。抱っこを嫌がらず、静かに寄り添ってくれる姿に癒される飼い主も多く、初心者にもおすすめです。

長毛の被毛や大型の体格には適切なケアや環境づくりが必要ですが、その分、深い信頼関係を築けるパートナーになります。ラグドールの特徴や飼い方をしっかり理解し、優しく穏やかな時間を一緒に楽しみましょう。

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2022年10月12日

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。キャットフード勉強会ディレクターとして、猫ちゃんの栄養や病気、生態、キャットフードなどの情報を提供しています。猫ちゃんの魅力を発信し、飼い主さんの悩みや不安を解決することで、猫ちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。