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猫の体にしこりを発見したら。悪性腫瘍である特徴や症状、治療方法を解説

猫の体にしこりを発見したら。悪性腫瘍である特徴や症状、治療方法を解説

猫の体にしこりを見つけた!

杉浦さん
猫の体を触っていたら、しこりのようなものを見つけました。

しこり=腫瘍というイメージがあるかもしれませんが、すべてのしこりが悪性腫瘍というわけではなく、良性や非腫瘍のものなど種類がさまざまです。また、しこりは見た目だけでは良性か悪性か判断できないので、早めに動物病院を受診することが予後を左右します。

この記事では、猫にしこりができた時に気をつけるべき症状や原因、治療方法などをご紹介します。

猫のしこりの症状

猫のしこりは、皮膚の表面にできるものから体の内部にできるものまでさまざまで、大きさや硬さ、形状も異なります。しこり自体に痛みがないことも多く、飼い主がブラッシングやスキンシップの際に偶然見つけるケースも少なくありません。

しこりがあるからといって必ずしも悪性腫瘍とは限りませんが、なかには早期治療が必要な病気が隠れていることもあります。

猫のしこりでみられる主な症状

  • 皮膚や皮下に小さな膨らみがある
  • 徐々に大きくなっている
  • 硬い、または柔らかいしこり
  • 赤く腫れている
  • 熱をもっている
  • 出血や膿が出ている
  • 痛がったり触られるのを嫌がる
  • しこりの周囲の毛が抜ける
  • 皮膚がただれる
  • しこりを気にして舐めたり噛んだりする

しこりの原因が悪性腫瘍や重い病気の場合は、しこり以外にも食欲不振や元気消失、体重減少、発熱など、さまざまな全身症状が現れることがあります。

これらの症状を伴う場合は、病気が進行している可能性もあるため、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。

注意すべき、しこりの特徴

次のような特徴があるしこりは、悪性腫瘍の可能性があるため早急に動物病院を受診する必要があります。

  • 短期間で急激に大きくなる
  • 2cm以上の大きさがある
  • 触ると痛がり動きたがらない
  • 表面が赤くただれて出血している
  • しこりが熱をもって腫れている
  • 食欲不振や元気消失などの全身症状

しこりの見た目だけで良性・悪性を判断することはできません。

早期発見・早期治療のためにも、しこりを見つけたら経過観察だけで済ませず、獣医師の診察を受けることが重要です。

猫のしこりの種類と原因

猫のしこりは、大きく「良性腫瘍」「悪性腫瘍」「非腫瘍性(腫瘍ではないもの)」の3つに分類されます。

見た目や触った感触だけでは区別が難しく、良性と思われるしこりでも検査をしなければ確定できません。しこりを見つけた場合は、動物病院で細胞診や組織検査などを受けることが大切です。

良性腫瘍

良性腫瘍は、周囲の組織へ浸潤したり遠隔転移したりすることはほとんどなく、比較的ゆっくりと大きくなるのが特徴です。ただし、大きくなることで生活に支障をきたす場合は手術が必要になることがあります。

脂肪腫

高齢猫に多くみられる良性腫瘍です。

柔らかく、皮膚の下で動くことが多いのが特徴ですが、猫では犬ほど多くは発生しません。

皮脂腺腫

皮脂腺から発生する良性腫瘍です。

高齢猫にみられることがあり、小さなイボのようなしこりとして現れます。

良性乳腺腫瘍

猫の乳腺腫瘍の多くは悪性ですが、まれに良性の乳腺腺腫などが発生することもあります。しかし、良性である確率としてはわずか1%程度とされ、症状はお腹のあたりにしこりがあるのみで全身症状はみられません。

悪性腫瘍

悪性腫瘍は周囲の組織へ広がる「浸潤」や、ほかの臓器へ広がる「転移」を起こすことがあります。

乳腺腫瘍

猫では約80~90%が悪性とされています。

乳首の周囲にしこりができ、進行すると潰瘍や出血を伴うことがあります。

避妊していないメス猫で発症リスクが高くなりますが、生後6ヶ月までの避妊手術で発生率を約90%低下させる予防効果があります。また、腫瘍がある場合でも、避妊手術を同時に行うことで再発リスクを抑えられるとされています。

線維肉腫

皮膚や皮下組織の線維組織から発生する悪性腫瘍です。

硬いしこりとして触れることが多く、周囲へ深く浸潤しやすく、再発率が高いことで知られています。

ワクチン関連肉腫(注射部位肉腫)

ワクチンなどの注射部位に、まれに発生する悪性腫瘍です。

接種後にしこりが3ヵ月以上残る場合や急速に大きくなる場合は注意が必要です。

扁平上皮癌

耳先や鼻、まぶた、口腔内などに発生しやすい悪性腫瘍です。

初期は傷やかさぶたのように見えますが、進行すると潰瘍を形成し、周囲の組織を破壊していきます。

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2026年6月30日

肥満細胞腫

皮膚や脾臓などに発生する腫瘍で、小さなしこりとして現れやすい特徴があります。

皮膚型は比較的良好な経過をたどるものもありますが、悪性度の高いタイプもあるため注意が必要です。

リンパ腫

リンパ球が腫瘍化する病気で、体の表面にあるリンパ節が腫れてしこりとして触れることがあります。

消化器や胸部など体内に発生することも多く、食欲不振や体重減少などの全身症状を伴うことがあります。

非腫瘍性(腫瘍ではないしこり)

腫瘍ではなく、炎症や感染、外傷などが原因でしこりができることもあります。適切な治療により改善するケースが多いものの、放置すると悪化することがあります。

膿瘍(のうよう)

猫同士のケンカによる咬み傷などから細菌感染を起こし、膿がたまった状態です。

急に大きく腫れ、熱感や痛みを伴い、膿が破れて出てくることもあります。

皮脂腺嚢胞(粉瘤)

皮脂や角質が皮膚の下にたまってできる袋状のしこりです。

通常は良性ですが、感染すると赤く腫れたり膿がたまったりします。

肉芽腫

慢性的な炎症や異物反応によって形成されるしこりです。

太ももや脇腹、口腔内などに発生し、比較的若い猫に多くみられます。

リンパ節の腫れ

感染症や免疫疾患などによってリンパ節が腫大し、しこりとして触れることがあります。

原因によっては抗菌薬などの治療で改善することもありますが、リンパ腫などの腫瘍性疾患との鑑別が必要です。

猫のしこりの治療方法

猫のしこりの治療方法は、良性腫瘍・悪性腫瘍・非腫瘍性によって大きく異なります。

しこりの見た目だけで原因を判断することはできないため、細胞診や病理組織検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などで原因を特定したうえで治療方針が決定されます。

良性腫瘍の治療

良性腫瘍は転移することはほとんどなく、ゆっくりと大きくなるものが多いため、症状や大きさに応じて治療が選択されます。

経過観察

小さく、猫の日常生活に影響がない場合は、定期的に大きさや形の変化を確認しながら経過観察を行います。

急激に大きくなったり、炎症や出血を伴ったりした場合は再検査が必要です。

外科手術

しこりが大きくなっている場合や、生活の妨げになる場合は外科的に切除します。

また、見た目だけでは良性と断定できないことも多く、診断を兼ねて摘出手術を行うケースもあります。

悪性腫瘍の治療

悪性腫瘍は周囲の組織へ浸潤したり、肺やリンパ節などへ転移したりする可能性があるため、できるだけ早く治療を開始することが重要です。

外科手術

治療の第一選択となることが多く、腫瘍だけでなく周囲の正常組織も含めて広範囲に切除します。

特に乳腺腫瘍や線維肉腫、ワクチン関連肉腫では、初回手術で十分な範囲を切除することが再発防止につながります。

抗がん剤治療

転移のリスクが高い場合や、手術だけでは十分な治療が難しい場合に行われます。

特にリンパ腫では抗がん剤治療が中心となり、乳腺腫瘍や肥満細胞腫でも補助療法として用いられることがあります。

放射線治療

手術で完全に切除できなかった場合や、手術が困難な部位に発生した腫瘍では放射線治療が選択されることがあります。

線維肉腫やワクチン関連肉腫では、手術と組み合わせることで再発リスクを低減できる可能性があります。

緩和ケア

進行した悪性腫瘍で根治が難しい場合は、痛みや炎症を抑え、生活の質(QOL)を維持することを目的とした治療が行われます。

鎮痛薬や栄養管理などを組み合わせながら、猫ができるだけ快適に過ごせるようサポートします。

非腫瘍性(腫瘍ではないしこり)の治療

炎症や感染、外傷などが原因の場合は、原因に応じた治療を行います。

薬物療法

膿瘍や細菌感染では抗菌薬、炎症が強い場合は抗炎症薬や鎮痛薬を使用します。

症状や原因によって使用する薬剤は異なるため、自己判断で人用の薬を与えてはいけません。

切開・排膿

膿瘍では、内部にたまった膿を排出するために切開・排膿を行うことがあります。

処置後は傷口を洗浄し、抗菌薬を投与して感染の改善を図ります。

原因疾患の治療

リンパ節の腫れや肉芽腫などでは、感染症や免疫疾患など原因となる病気の治療を優先します。

原因が改善すると、しこりも小さくなったり消失したりすることがあります。

猫のしこりを予防するには

残念ながらしこりを完全に予防することはできませんが、日頃から猫とスキンシップを取りながら全身を触ることで、しこりの早期発見・早期治療につなげることはできます。

しこりは見た目で良性か悪性かの判断が難しいので、発見した場合は早めに動物病院を受診しましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

土橋

これまでプードルやペキプーなど15年以上動物と暮らし、犬の介護も経験しました。グルメ、旅行が趣味で全国へ取材に行き、地方ならではの魅力や遊びについて各メディアで執筆してきました。読者の皆様にわかりやすく、親しみやすい文章で執筆することを心がけています。損害保険募集人一般試験などの資格も取得。