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友達の家の飼い猫が妊娠したかもしれないと聞いたのですが、猫は妊娠から出産までどのような流れで準備をしたりするのでしょうか。
私たち飼い主にできることはありますか?

基本的に当サイトでは飼い猫には去勢・避妊をおすすめしていますが、新しい命が生まれることはとても素晴らしいことだと思います。
では猫が妊娠した場合の流れや飼い主さんができる準備について解説していきます。
猫の妊娠・出産の基礎知識
猫の妊娠はいつから?
メス猫は生後5~6ヶ月くらいから妊娠・出産が可能になり、定期的に発情期が来るようになります。
ちなみにオス猫もだいたい同じくらいの時期からメス猫の発情期の鳴き声やフェロモンに反応して発情するようになります。
ただしメインクーンや大きく成長する猫の場合、10~12ヶ月かけて大人の猫に成長するので発情や妊娠も少し遅い傾向にあります。
1回の出産で生まれる子猫の数
猫が1回の妊娠・出産で生まれる子猫の数は1~8匹、平均すると1回出産でおよそ3~5匹の子猫が生まれます。
人間と違って1度の出産でこの数が基本になるため、去勢・避妊をせずにいれば生涯で何十匹も出産する可能性があります。
猫の妊娠の確率は90%以上
猫が1回の交尾で妊娠する確率は90%以上とかなり高い確率で妊娠することがわかっています。
猫は人のように定期的に排卵期が来るのではなく、交尾の時に排卵されるため1回の交尾でも高い確率で妊娠します。
妊娠した猫の見分け方・特徴
お腹が少し膨らむ
代表的な特徴としてお腹が膨らむという見分け方があります。
妊娠後期になればなるほどわかりやすくなってきますが、妊娠初期には確認できないことも多く、肥満と勘違いしてしまうことも。
また中には妊娠直前まで妊娠していたことに気づかなかったという飼い主さんもいました。
そのためお腹の膨らみだけで妊娠を確認するのは難しいと言えます。
猫の乳首の変化
猫が妊娠した場合、お腹の膨らみだけでなく乳首の色や大きさにも変化が現れます。
子猫が母乳を飲むための変化として乳首の色がピンク色になってきたり、ややふくらんで目立つようになります。
つわりで食欲が落ちたり増えたり
また妊娠中期になると、つわりの症状から食欲がなくなります。その後つわりが終わるとそれを取り返すように以前よりも食欲旺盛になります。
床にゴロゴロ転がる
また妊娠した猫に見られるのが、床に転がってゴロゴロとお腹を見せながら転がる行動です。
メス猫の発情期にも見られる行動で、長い時間転がり続けます。
情緒不安定な様子
妊娠期は攻撃的になったり執拗に甘えてくるようになったり、周りを気にするようになったり、そわそわしたり、と普段とは違った様子が見られることが多くなり、情緒不安定なように感じるかもしれません。
猫の妊娠をはっきり確認したい
動物病院のエコーが確実
妊娠して3週間を過ぎるとエコーで妊娠かどうかが確認できます。ただ妊娠初期はまだエコーで確認できないことも。
どうしても妊娠しているのかハッキリさせたい場合は、妊娠の兆候が見られてしばらくしたら動物病院に連れていき、エコーで確認してもらうといいでしょう。
妊娠ではなく腹水など病気の可能性もあるので、猫の体調が心配な方は早めに連れて行く判断も必要かもしれません。
猫の妊娠から出産までの期間
猫の妊娠期間は約2ヶ月
猫が妊娠してから出産で子猫が生まれるまでの妊娠期間は60日前後(約2ヶ月)となっています。
妊娠に気づくのが妊娠3週を過ぎた頃だとしたら、もう1ヶ月後には出産しているという計算になります。
猫の妊娠期間はだいたい犬の妊娠期間と同じくらいです。他の猫科のライオン(約3.5~4ヶ月)やトラ(3~4ヶ月)よりは短いです。
猫に妊娠から出産までの流れ
妊娠初期:20日目頃まで
妊娠初期は約3週目~4週目くらいまでの期間です。お腹の膨らみはまだ目立ちませんが、乳首の色の変化や床をゴロゴロと転がるなどの行動の変化が見られる時期です。
妊娠中期:20日~40、50日目
20日目を過ぎてくると、猫の妊娠期は中期に入ります。この時期はつわりで食べる量が減ったり増えたりと、食欲の変化が大きい時期です。
この頃になるとお腹の膨らみが目立ってくる猫もいます。
食欲が増えている時期は、猫が欲しがるだけフードを与えましょう。子猫の成長に必要な栄養を摂っているので、食事量やカロリーの管理をする必要はありません。
妊娠猫用のキャットフードにすることで子猫と母猫に必要な栄養を摂取させることができます。
妊娠後期:40、50~60日
40、50~60日の妊娠後期になると、出産を行うのにふさわしい場所を探し回るようになります。良い場所を見つけたらその場所に産むための巣を作り出って準備し出します。
この時期はピリピリした雰囲気を感じるかもしれません。威嚇してきたり攻撃的になる場面もあるかもしれません。
心配でもこの時期は思春期子どもと接するように、なるべくそっとしておきましょう。母猫は自分のすべきことは分かっているので、干渉したりしつこくしたりせず、なるべく母猫の好きにさせることが大切です。
猫の出産
猫の出産は3時間程度かかりますが、出産が始まる時間帯は様々です。だいたい陣痛が始まってから1時間で子猫が生まれ始めて、数十分に1匹ペースで産み落とされます。
1時間を過ぎても出産し始めなければ帝王切開などの処置が必要かもしれませんので、動物病院に連絡して指示を仰ぎ必要なら動物病院に連れて行きましょう。
猫の出産までに飼い主ができる準備
母になる愛猫のために何かしてあげたいという飼い主さんができる、母猫のための準備をご紹介します。
妊娠猫用のキャットフード
妊娠中は通常時よりも多くの栄養が必要になります。また量だけでなく必要な栄養の種類も通常時とは違ってきます。
そのため、普段のキャットフードに加えて妊娠猫用のキャットフードも用意して常にさらにあけて置いておくといいでしょう。
妊娠中は穀物が必要だと言われているので、普段グレインフリーのキャットフードを与えている場合、この時期だけは穀物が適量含まれたキャットフードを与えるべきです。
妊娠猫が安心できる環境作り
妊娠期に限りませんが、猫にとって快適で過ごしやすい環境をつくってあげることは、妊娠期は特に大切です。
特に妊娠期の猫は気が立って不安定な時期もありますし、少しの環境のストレスや変化にも敏感になりやすくなります。
子猫の成長と母猫の健康のために、普段以上に猫の過ごしやすい環境作りについて考えましょう。
フードの種類やトイレを清潔に保つことはもちろん、音や匂い、猫がよくいる部屋の気温や湿度などにも気を遣いましょう。
猫の出産場所をそれとなく用意
妊娠した猫は妊娠後期になると、自分が出産する場所を探します。飼い主が決めたところで出産してくれるわけではありませんので、確証は持てませんが、猫の出産場所として適した場所をいくつか用意しておくことで、愛猫がそこで出産してくれる可能性があります。
猫も出産場所を探して巣を作るために準備する手間が省けるので、負担も軽減できます。
ただし注意点としては、つくっておくだけで無理に用意した出産場所に連れて行ったり、出産場所を変更させたりすることはしてはいけません。
その場所がふさわしくないと思ったら猫は他の場所に巣を決めたわけですから、猫が選んだ場所を出産場所として考え応援してあげましょう。
猫の妊娠・出産のまとめ
- 猫の妊娠は見分けにくい
- 猫が妊娠したら干渉しすぎない
- 妊娠猫用キャットフードがベター
- 過ごしやすい環境作りが大切


