キャットフードの赤色40号(アルラレッドAC)大腸炎を誘発、発がん性や猫への危険性

キャットフード 赤色40号 着色料

キャットフードの着色料:食用赤色40号(アルラレッドAC)

食用赤色40号は赤色を付けるために使用される「アルラレッドAC(Allura Red AC)」という石油由来の合成着色料で、キャンディーやガムなどの駄菓子や清涼飲料水に使用されています。

欧州では赤色40号は自主規制対象となっていますが、日本や米国などでは食品添加物、飼料添加物としての使用が認められています。キャットフードでは赤色の着色には102号と106号が使用されることが多いため、赤色40号の使用頻度はあまり高くはありませんが、いくつかのキャットフードで使用されています。

赤色40号を使用したキャットフード例

食用赤色40号(アルラレッドAC)の危険性・猫への悪影響

アルラレッドACの長期摂取で腸疾患の誘発性が確認

キャットフード 赤色着色料引用元:Chronic exposure to synthetic food colorant Allura Red AC promotes susceptibility to experimental colitis via intestinal serotonin in mic

一部抜粋:断続的な曝露は典型的なヒトの曝露に似ていますが、マウスのARへの12週間の間欠的な曝露は、大腸炎に対する感受性に影響しません。しかし、幼少期にARに曝露すると、マウスは大腸炎に対する感受性が高まります。さらに、ARへの慢性的な暴露は、結腸セロトニン (5-ヒドロキシトリプタミン; 5-HT) レベルの上昇と、ミオシン軽鎖キナーゼ (MLCK) による上皮バリア機能の障害に関連する軽度の大腸炎を誘発します。重要なのは、ARへの慢性暴露は、5-HT生合成の律速酵素であるトリプトファンヒドロキシラーゼ 1 (TPH1) を欠くマウスの大腸炎感受性に影響を与えません。AR曝露による混乱した腸内微生物叢の盲腸移植は、レシピエントの無菌 (GF) マウスの大腸炎の重症度を悪化させます。さらに、慢性的なAR曝露はナイーブGFマウスの結腸5-HTレベルを上昇させます。ARがヒトに同様の効果をもたらすかどうかは不明のままですが、私たちの研究は、一般的な合成着色料への慢性的な長期暴露が、マウスの腸内微生物叢依存および非依存経路の結腸5-HTを介して実験的大腸炎を促進することを明らかにしています。AR曝露による混乱した腸内微生物叢の盲腸移植は、レシピエントの無菌 (GF) マウスの大腸炎の重症度を悪化させます。さらに、慢性的なAR曝露はナイーブGFマウスの結腸5-HTレベルを上昇させます。

食用赤色40号(アルーラレッドAC)の慢性的な長期摂取は、マウスの腸セロトニンを介して大腸炎の感受性を促進することが明らかになりました。

腸は消化や免疫にも大きく関わるので、愛猫が消化器症状やアレルギー、免疫力の低下、また腸炎に悩まされている場合は、食用赤色40号を使用しないキャットフードに変更することで改善が見られる可能性があります。

キャットフード 赤色40号 安全性引用元:EFSA Journal – 2009 – – Scientific Opinion on the re‐evaluation of Allura Red AC E 129 as a food additive

1980年に食品添加物委員会 (JECFA)、1984 年にEU食品科学委員会 (SCF) と両委員会は、1日許容摂取量 (ADI) を0~7mg/kg 体重 (bw)/日と設定しました。

2007年からアルーラレッドACは、8歳から9歳の子供の活動亢進を引き起こしました。パネルは、Allura Red ACはinvitro遺伝毒性試験および長期発がん試験で陰性であり、その影響はマウスのinvivoコメットアッセイで観察された核DNA移動は、発がん性をもたらすとは考えられていません。

パネルは、現在のデータベースは、7mg/kg体重/日のADIを修正する理由を示していません。パネルはまた、報告された使用の最大レベル精緻化された摂取推定値は、一般的にADIを下回っていますが、1~10歳の場合は曝露の高いパーセンタイル(95番目)の子供は、範囲の上限にあるADIよりもわずかに高くなる可能性があります

食品添加物委員会 (JECFA)、EU食品科学委員会 (SCF) の両委員会は、食用赤色40号の1日許容摂取量 (ADI) を0~7mg/kg 体重 (bw)/日と設定しています。この報告によるとアルーラレッドACは遺伝毒性試験や発がん試験では陰性だったものの、8歳から9歳の子供の活動亢進を引き起こすとしていまうs。活動亢進は多動性障害(ADHD)のことで、10歳未満の子どもへの摂取は控えた方がいいという見方が強まっています。

まとめ

  • 駄菓子や清涼飲料水に使用される赤色合成着色料(タール色素)
  • 大腸炎などの腸疾患を誘発する可能性
  • 発がん性や遺伝毒性は陰性
  • 10歳未満の子どもの摂取は多動性障害(ADHD)を引き起こす可能性がある

キャットフードの合成着色料とは?発がん性や遺伝毒性、猫への危険性を解説

2016年12月5日

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。