キャットフードの黄色4号(タートラジン)。危険性やアレルギーの誘発性、喘息の副作用について

キャットフード 黄色4号

キャットフードの着色料:食用黄色4号(タートラジン)

食用黄色4号は、黄色を付けるために使用される「タートラジン(Tartrazine)」という着色料です。

黄色4号は「レモンイエロー」と呼ばれるビビットカラーに近いビタミンカラーで、ゼリーやシロップなどのお菓子類や加工食品、清涼飲料水など、最も多品目の製品に含まれる使用頻度の高い着色料ですが、石油由来のタール色素の合成着色料ということで自主規制を行うメーカーもあります。また、1964年、JECFAによってタートラジンのADI(許容1日摂取量)は7.5mg/kgと設定されました。

キャットフードでも黄色4号を使用した製品は比較的多く、他の合成着色料と合わせて使用することで、粒毎の色のバラつきを減らし、鮮やかで自然な茶色やオレンジ色を演出しています。

黄色4号を使用したキャットフード例

食用黄色黄色4号(タートラジン)の危険性・悪影響

喘息、じんましん、血管性浮腫、アレルギー反応の誘発性や不耐症

キャットフード 黄色4号画像引用元:Tartrazine|Science Direct

タートラジンの摂取は、消費者の敏感な部分集団における有害反応(喘息および慢性蕁麻疹)に関連しています(Lockey、1959)しかし、亜硫酸塩誘発喘息の状況とは異なり、タートラジンと喘息および慢性尿毒症の誘発との関連については議論の余地があります。一部の研究で指摘された効果は、他の研究では再現できませんでした ( Bush and Taylor, 2009)。

研究によると、タルタルジンの摂取は、高用量と低用量の両方で一連の生化学的マーカーの変化を引き起こす可能性があり、高用量では喘息患者と子供に重大な有害性があることが示されています (Amin, Hameid, & Elsttar, 2010 ) . タートラジンの許容 1 日摂取量 (ADI) は、 1964 年に JECFA によって 7.5 mg/kg /日と割り当てられましたが、多くの国がタートラジンを禁止または制限しています( Walton et al., 1999 )。

黄色4号は食品添加物として認められていますが、喘息やじんましん、血管性浮腫、鼻づまりなどのアレルギー反応の誘発性や不耐症、機能亢進を引き起こしたり悪化させる原因と考えられています。

また、イギリスではADHD(注意欠陥・多動性障害)の原因となる可能性が危惧されており、子どもに与えることは避けるべきと勧告されています。

じんましん及び血管性浮腫の誘発は被験者の1%未満

黄色4号について、国によっては食品添加物としての使用を禁止していますが、じんましん及び血管性浮腫を誘発される被験者の1%未満という調査報告もあり、現時点で日本では禁止する必要はないという判断で、食品・ペットフードいずれにも使用が認められています

キャットフード 黄色4号 危険性
画像引用元:欧州食品安全機関(EFSA)、食用黄色4号(タートラジン, E 102)など食用アゾ色素10種の食品成分リスト収載の妥当性に関する科学的意見書を公表|食品安全委員会

3. 食用黄色4号不耐性の発現頻度は、食品によってじんましん及び血管性浮腫を誘発される被験者の1%未満である。感受性を有する者において、食用黄色4号及び食用赤色102号に対する不耐反応が少数例、並びに、食用黄色5号及び食用赤色2号に対するさらに少ない数の不耐反応例が報告されている。これらの反応には、じんましん、血管浮腫、ぜん鳴及び白血球破砕性血管炎が含まれる。ブラウンFK、ブラウンHT、リソールルビンBK、ブリリアントブラックBN、カルモイシン及び食用赤色40号に対する感受性に関するデータは利用可能ではなく、また、証拠書類によって裏付けられた経口暴露後の不耐反応の事例は報告されていない。アゾ色素を含む色素混合物に対する不耐反応の少数例のみが報告されている。不耐反応には、じんましん、眼瞼(がんけん)浮腫、顔面紅潮、並びに、小児の多動性スコアが含まれる。

まとめ

  • レモンイエローに近い合成着色料
  • キャットフード以外にも食品で多品目に使用されている
  • 喘息や蕁麻疹、血管性浮腫、アレルギーを誘発する可能性
  • ただし確定ではなく研究の余地があるという見方

キャットフードの合成着色料とは?発がん性や遺伝毒性、猫への危険性を解説

2016年12月5日

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。