オーストラリアのペットフード事情。牛肉輸出が盛んでBSE未発生の安全な畜産国!

オーストラリア キャットフード
鈴木さん

オーストラリアは、日本の真下、南半球のオセアニアに位置する国ですよね。

カンガルーやコアラなどがいる自然豊かなイメージが強いですが、どんな国なんでしょうか。

猫田

オーストラリアは国土総面積が世界6位で、シドニーなどの都市や栄えた観光地を始め、他の地域では生息していない珍しい動物が生息する自然豊かな一面もあることから、観光業が盛んな国です。

また、オーストラリアには鉱山が多く、鉄鉱石やボーキサイト、ウラン、チタン、金などの鉱物資源が豊富なので、鉱業が国内の主産業となっています。

鈴木さん
そんなオーストラリアでは犬や猫、ペットフード事情はどうなっているんでしょうか。

オーストラリアのペットフード事情

安全な畜産国で世界有数の牛肉輸出国

オーストラリア(Australia)は、ニュージーランドと同様、BSE(狂牛病)や口蹄疫などの家畜伝染病が発生していない畜産国の一つです。キャットフードではメインの原材料としてお肉を沢山使用するので、安全性の高い肉原料を使用したペットフードが期待できます。

オーストラリアでは、国民が普段食べる肉の量も他国に比べて非常に多く、畜産業、特に牛肉産業が盛んです。

牛肉は自国の消費だけに留まらず、オーストラリアは世界有数の牛肉輸出国として、世界各国に「オージー・ビーフ(Aussie Beef)」を輸出しています。日本における牛肉輸入も、アメリカとオーストラリアがほとんどを占めており、オーストラリア産牛肉を店頭で見かける機会も非常に多いかと思います。

肉をよく食べるオーストラリアでは、魚料理は多くないと言われていますが、海に囲まれた大陸ということで、海洋資源も豊富で、エビやマグロ、サケ、アワビ、カキ、ロブスターなどがよく採れるため、漁業がさかんです。

カンガルー肉を使用したペットフード

オーストラリアで主に食べられている肉は牛肉(ビーフ)で、カンガルー肉を普段から食す人はあまりいないようですが、キャットフードやドッグフードでは、オーストラリアのカンガルー肉や鹿肉などのジビエ肉を使用した製品が多く見られます。

ちなみにカンガルーは飼育が非常に難しいことから、完全なジビエ肉です。ジビエのメリットについては下記の記事の中で説明していますので、気になる方はご覧下さい。

キャットフードのジビエ肉一覧。動物の種類と栄養の特徴、地域貢献にも

2019年8月8日

オーストラリアでは一部のカンガルーの数が増えすぎたことで、国内の農業被害や環境への影響があることから、年間300万頭のカンガルーが狩猟されています。キャットフードなどペットフードに利用されるのは、増えすぎたことで狩猟されたカンガルーの命を無駄にしないという目的も同時に果たしています。

カンガルー キャットフード

キャットフードのカンガルー肉。栄養素と特徴、完全ジビエの安定供給への心配は?

2019年8月18日

オーストラリア産のキャットフード

近い位置にあるニュージーランド産の原材料を使用したキャットフードや、オーガニック認証機関ACOの認証を受けたオーガニックキャットフードも販売されています。

また、積極的に他国企業からの委託製造も行っていることから、他国の企業の製品のOEM製造や、有名ブランドの一部の製品をオーストラリア工場で製造している場合もあるようです。

オーストラリアの動物愛護の意識と法律

オーストラリアでは犬39%、猫29%の飼育率

オーストラリア キャットフード ペットフード画像引用元:GfK 「グローバルのペット飼育率調査」24.05.2016

GfKが2016年に発表した世界のペット飼育率調査によると、オーストラリアでは、犬の飼育率が39%、猫の飼育率が29%となっており、68%の世帯が犬もしくは猫を飼育しています

オーストラリアは世界平均から見ても飼育率が高く、日本やヨーロッパの国よりも高い割合であることが分かります。

州法によってペットショップ禁止の地域がある

オーストラリアでは、全土に共通する動物愛護や動物福祉に関する法律(連邦法)はありません。

このためオーストラリアでは州法によって州毎に法律を定め、規制や罰則を行っており、ペットショップや店頭での動物販売が禁止される地域もあります。

州毎の規定のためすべての地域ではありませんが、州法で定められたものであれば、懲役刑や罰金刑などを課すことも可能です。

ただ、ペットフードに関する法律がない国はありますが、動物福祉・動物愛護に関する法律や虐待防止法が連邦法で定められていないケースは珍しいかもしれません。

移動動物園オーナーの犬殺害事件、最高裁で無罪判決

2016年、移動動物園のオーナーであるダニエル・ブライトンが所有するラクダを襲った放浪犬のブルテリアを拷問の上、殺害した事件がありました。

オーストラリア 動物愛護 キャットフード勉強会引用元:News.com.au

ラクダを襲った犬を機に縛りつけ、農具等を使用し暴行を繰り返しました。動物虐待罪として3年4か月の刑で裁判が行われましたが、最高裁では、ラクダを襲った犬を駆除したという主張が通り、判決が覆ったことでブライトンは無罪放免となりました。

この結果に、動物愛護や動物福祉に関する法律が十分ではないという苦言の声が上がっています。

ペットフードの安全確保も州法と自主基準

オーストラリアでは、動物愛護や動物福祉だけでなく、ペットフードに関する直接的な法規制も行われていません。

このため、オーストラリアのペットフードは、連邦政府と州政府の合意で「ペットミートの衛生的な生産のためのオーストラリア標準(Australian Standard for the Hygienic Production of Pet Meat)」という基準が構築されています。

オーストラリア ペットフード画像引用元:一次産業常任委員会 衛生のためのオーストラリアの基準

また、業界団体であるオーストラリアペットフード協会(PFIAA:Pet Food Industry Association of Australia Inc.)が定めた「ペットフードの製造及び販売に関する自主行動規範(Code Of Practice for the Manufacturing & Marketing of Pet Food)」に基づいて規制が行われています。

PFIAA オーストラリア ペットフード協会画像引用元:PFIAA 公式サイト

この規範では、成分表示、使用方法、製造日及び賞味期限あるいは消費期限、原材料名(使用する原料名及び添加物名を多い順に消費者がわかりやすい名称で記載)の表示項目が規定されています。

まとめ

ABOUTこの記事をかいた人

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。