

確かにそう感じる飼い主さんは多いですが、「副産物=粗悪品」というわけではありません。レバーや心臓など、猫にとって栄養価の高い部位も含まれているんですよ。
大事なのは、
どんな副産物を使っているか。
今回は、副産物の定義から安全性の見分け方まで解説していきましょう。
キャットフードにおける「副産物」とは?
「副産物=粗悪品」ではない
キャットフードにおける副産物とは、主に食肉加工の過程で出る、人間用食品としては利用されにくい部位や残渣を指します。つまり、「人が食べない・食べにくい部位」ということです。例としては、レバーやハツ、砂肝、骨、血液、皮膚、羽毛粉などです。
しかし、副産物と言われるレバーやハツ、砂肝などは人も食べられる部位であり、焼肉屋や焼鳥屋でも人気の食べ物ですよね。
つまり、副産物は「人が食べない・食べにくい部位」ではありますが、必ずしも「不要なゴミ」という意味ではありません。
「副産物」という言葉は曖昧な表現であるため、大事なのは、「どの部位を、どのように処理したか」という点です。

例えば、「チキンレバー」と具体的に書かれているものはどの部位を使用したかが明確で安心ですし、レバー自体もビタミンや鉄分が豊富で猫の健康に有効的です。
しかし、表記が「肉副産物」とだけでは内容が曖昧で、猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。そこを確認することがキャットフード選びのポイントになります。
キャットフードにはどう表記される?
キャットフードに副産物が使用されている場合、原材料欄には「肉副産物」や「動物性副産物」、「家禽副産物」などと表記されます。
これらは「どんな部位が使われているのか」が分からず、内容や品質が曖昧です。とくにコストを抑えたキャットフードで見られる傾向にあります。
キャットフードにおける「副産物ミール」とは?
副産物ミールとは、副産物を加熱処理し、脂肪を取り除いて粉末化したものです。「チキンレバーミール」「ターキーハツミール」などは具体的な部位が明示されており、保存性が高く、猫にとっても有用なたんぱく源になります。
しかし、表記が「副産物ミール」「家禽副産物ミール」だけの場合は羽毛やくちばしなど利用価値の低いものが混ざっている可能性があり、注意が必要です。
また、原材料のトレーサビリティ(産地や流通経路を追跡し、安全性と品質を確認できる仕組み)が副産物よりもさらに不明確になりやすく、品質の差が大きい傾向にあります。
副産物を避けた方がいい場合と選んでも良い場合


避けた方が良い場合
- 原材料表示が「肉副産物」「動物性副産物」といった不明瞭な表記しかない場合
- 動物種が特定されていない場合(アレルギーリスクや品質不安につながる)
- 消化性が低く、栄養として利用されにくい素材が多く使われている場合
- 副産物が主原料になっている場合(栄養バランスが偏っている可能性)
- 安価すぎる製品で、品質よりコスト削減を優先している可能性が高い場合

安心して選べる場合
- 「鶏レバー」「豚ハツ」など具体的な部位名が記載されている
- ヒューマングレードの場合、原材料や製造工程の安全性が保証されやすい
- HACCPやISO22000など、衛生管理基準を満たした工場で作られていると信頼性が高い
- AAFCOやFEDIAFの基準をクリアしている総合栄養食
- 信頼できるメーカーが製造し、情報公開を行っている

まとめ
- 副産物は内臓や骨など人が食べにくい部位を指す
- 副産物には栄養豊富な部位もあるため、副産物=粗悪品ではない
- 表記が曖昧な「副産物」だけの表示は注意が必要
- AAFCO基準を満たしたものは、副産物入りでも総合栄養食となる
- 透明性のあるメーカーを選ぶことが安全性の鍵