キャットフードのトレーサビリティとは?原材料の安全性を見極める方法

キャットフードのトレーサビリティとは?原材料の安全性を見極める方法

トレーサビリティ(Traceability)とは

トレーサビリティ(Traceability)とは、トレース(Trace:追跡)とアビリティ(Ability:能力)を組み合わせた造語で、直訳すると「追跡可能性」という意味を持ちます。

このキャットフードの原材料はどこの国の、どの農場や漁場で育ったものなのか」「加工はどこの工場で、どのような工程を経て行われたのか」といった情報を、必要に応じてたどることができる状態です。

ペットフードの原材料や製造過程には、消費者の目が届きにくい部分が多くあります。だからこそ、トレーサビリティの確認は“安心・安全”なキャットフードを選ぶうえでの判断基準の一つとなりつつあります。

ペットフード協会でも、トレーサビリティシステムにて一括して管理しています。

参考:ペットフードの原材料|一般社団法人ペットフード協会

なぜトレーサビリティがキャットフードに必要?

愛猫の食べ物の安全性に対する飼い主の関心が高まったことで、キャットフードの原材料の質や産地、安全性が問われるようになり、トレーサビリティの重要性が高まっています。

食品偽装や粗悪な原料のリスク

人間の食品と同様に、ペットフードでも原材料の偽装や粗悪な原材料の使用が過去に問題になったことがあります。例えば、どの部位の肉を使っているのか不明確だったり、病気で死亡した動物の肉が含まれていたケースも報告されています。

こうした事例が明るみに出るたびに、「キャットフードの中身をきちんと知りたい」という飼い主の声が強まっているのです。

食物アレルギーや慢性疾患への対応

猫にも食物アレルギーや腎臓病、消化器疾患といった慢性的な病気が増えています。

食事管理が治療の一部となるケースも多いため「どんな原材料が使われているのか」が治療方針に関わることもあり、原材料の出所や処理過程が明確であれば、医師の判断もより的確になります。

持続可能資源や動物福祉への関心

最近では、持続可能な資源の利用や動物福祉に配慮した生産が求められるようになっており、「猫のために良いだけでなく、地球環境や生産者にも優しいキャットフードを選びたい」と考える飼い主も増えています。

こうしたニーズにも、トレーサビリティを備えたキャットフードが応えることができます。

トレーサビリティが確保されたキャットフードの特徴

では、具体的にどのようなキャットフードが「トレーサビリティが確保されている」といえるのでしょうか。以下のような特徴が見られます。

原材料の原産地や生産者が公開されている

トレーサビリティに力を入れているメーカーは、肉や魚、野菜などの原材料がどこの国でどのように育てられたかをホームページなどで明示しています。

場合によっては「カナダ産放牧鶏」「ニュージーランド産グラスフェッドビーフ」「ノルウェー産サーモン」など、詳細な情報が記載されていることもあります。

加工・製造工程の開示

工場の所在地や製造ラインの衛生管理についても情報を提供しているブランドは、トレーサビリティの面で信頼できます。「人間用の食品工場と同等の基準で製造」「HACCP認証を取得済み」といった記述がある製品は、より安全性が高いといえるでしょう。

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バッチ番号で履歴管理が可能

商品のパッケージに「バッチ番号(ロット番号)」が記載されており、それをもとに製造日・工場・原材料の入荷履歴をたどれる仕組みが整っている製品もあります。メーカーのサイトにアクセスし、番号を入力すると詳細が表示されるといった取り組みもあります。

第三者認証の取得

オーガニック認証や、原材料の持続可能性を保証するMSC認証など、第三者機関による認証を受けていることもトレーサビリティの一環といえます。

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トレーサビリティにおける注意点と限界

魅力的に思えるトレーサビリティですが、「記載があるから安心」とは限らない点にも注意が必要です。

海外製品の場合、確認が難しい

輸入品のキャットフードは、製造元のトレーサビリティがしっかりしていても、日本語での開示情報が不十分な場合もあります。その場合、公式サイトや英文の資料を読む必要が出てきます。

第三者認証にも基準のばらつきがある

第三者認証があっても、その基準が厳格かどうかは認証団体によって異なります。また、あくまで「一定の条件を満たしている」という保証であり、製品の安全性や猫の健康に対する絶対的な保証とはなりません。

信頼できるトレーサビリティ情報を見極めるには?

飼い主として、どのように情報の信頼性を見極めればよいのでしょうか。

まず一つの指針になるのは、「どこまで情報を開示しているか」です。たとえば原材料名だけでなく、その産地や生産方式(放牧、無農薬など)まで明示している場合は企業としての姿勢が見えやすく、トレーサビリティへの取り組みも真剣であると考えられます。

また、公式サイトで製造工程やサプライチェーンについて明示しているブランドは透明性が高く、信頼を置きやすいといえます。

口コミやSNS、第三者レビューサイトなども参考になりますが、過度に感情的な評価ではなく、客観的なデータや根拠に基づいた評価に注目することが大切です。

まとめ

  • トレーサビリティとは原材料の出所や製造過程を追跡できる仕組みのこと
  • 食品偽装や病気対策、SDGsへの関心から注目が高まっている
  • 原材料の産地公開や製造工程の記載があるキャットフードは信頼性が高い
  • 情報の開示範囲や信頼性にはメーカーごとの差がある点に注意が必要
  • 安全性と透明性の両立が、キャットフード選びの新たな基準になる

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。キャットフード勉強会ディレクターとして、猫ちゃんの栄養や病気、生態、キャットフードなどの情報を提供しています。猫ちゃんの魅力を発信し、飼い主さんの悩みや不安を解決することで、猫ちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。