キャットフードの原材料:ヒヨコ豆
ヒヨコ豆とは
ヒヨコ豆は、ガルバンゾ-(スペイン語)、チャナ(インド)、チックピー(英語)など地域によって様々な名前で呼ばれています。ヒヨコ豆の栽培は古代エジプトやインド、古代ローマなど古くから栽培されてきました。現在はインドがダントツで収穫量が多く、次いでオーストラリアの収穫量が多くなっています。
日本で売られている一般的なヒヨコ豆は、白っぽいクリーム色で丸い形に筋が一周ぐるっと入ったような形状でナッツのようにも見えます(こちらはカナダ産です)。
ヒヨコ豆は料理ではシチューやカレーのように煮込み料理、サラダやスープなどに使われます。他の豆類と一緒に使われることも多いです。
キャットフードへの使用
キャットフードでは、特にグレインフリーや低炭水化物食を売りにした商品にヒヨコ豆は使用されることが多いです。原産国によって、上記で紹介したガルバンゾーやチャナと表記されることもあります。
配合量はメーカーによって異なりますが、第3原料以降に表記されることが多いので、数%から多くて十数%程度の配合かと予測できます。
ヒヨコ豆の栄養素
炭水化物、食物繊維
ヒヨコ豆で最も多い栄養素は炭水化物(61.5g)です。腸内を刺激して蠕動運動を活性化させ、便量を多くしたり便通を改善する不溶性食物繊維(16.3g)も豊富に含まれています。
ビタミンE、ビタミンB郡
またヒヨコ豆はビタミンも豊富に含まれています。特に抗酸化作用もあるビタミンE(2.5mg)、食べ物の代謝や補酵素として働くビタミンB郡(ビタミンB1、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、ビオチン等)も豊富に含まれています。
タンパク質 | 20g | |
脂質 | 5.2g | |
炭水化物 | 総量 | 61.5g |
食物繊維 | 16.3g | |
ビタミン | ビタミンE | 2.5mg |
ビタミンB1 | 0.37mg | |
ビタミンB6 | 0.64mg | |
葉酸 | 350μg | |
パントテン酸 | 1.77mg | |
ビオチン | 21.4μg | |
ミネラル | カリウム | 1200mg |
マグネシウム | 140mg | |
亜鉛 | 3.2mg | |
銅 | 0.84mg | |
セレン | 11μg | |
モリブデン | 150μg | |
カロリー | 100g | 374kcal |
ヒヨコ豆をつかったキャットフードのメリット
低GI食材で血糖値が上がりにくい
ヒヨコ豆は低GI食材に分類されます。GI値(グリセミック指数)とは血糖値の上昇度を表した数値で、低GI=55以下、中GI=56~69、高GI=70以上という目安があります。低GIであればあるほど血糖値を上昇させにくいので、糖尿病や肥満対策に向いた食材と言えます。
これによると豆類はGI値が全体的に低く、ヒヨコ豆のGI値も33なので、肥満猫や糖尿病の猫には血糖値を上昇させにくいヒヨコ豆はおすすめです。
腸内を刺激して便通を促進、便秘改善
ヒヨコ豆には不溶性食物繊維も豊富に含まれています。不溶性食物繊維には水分を吸収して便を固める効果、便の量を増やして不要物をこそげ取る働き、腸を刺激して腸内の活動を活発にするなどの効果が期待できます。
ヒヨコ豆をつかったキャットフードのデメリット
ヒヨコ豆を使ったキャットフードのデメリットはそこまで多くはありません。
食物繊維の摂り過ぎ
ただ不溶性食物繊維が豊富なのでヒヨコ豆の配合があまりに多いと、便が固まりすぎたり詰まったりして便秘を引き起こしたり消化不良を引き起こす可能性はあります。
ただしヒヨコ豆が第一・二原料で使用されることは少ないのでそこまでの心配いらないかと思います。
植物性タンパク質の摂り過ぎ
ヒヨコ豆には20gの植物性タンパク質が含まれています。植物性タンパク質でも猫は消化することができますが、動物性に比べると効率はよくありませんし分解する際にはアンモニアを生成します。このアンモニアの解毒のために肝臓や腎臓に負担がかかるため、植物性タンパク質よりも動物性タンパク質をメインに摂取することがすすめられています。
また植物性タンパク質が多いと、一見成分表のタンパク質は多く見えますが、実際動物性タンパク質量はそこまでではないという可能性も0ではありません。
ただこの点についてもヒヨコ豆の配合が非常に多いケースを除けばそこまでの心配は必要ないかと思います。
キャットフードのヒヨコ豆まとめ
- 血糖値を上げにくい炭水化物源
- 不溶性食物繊維が腸内活動を活発にする
- グレインフリーや低炭水化物食でよく利用される