フランスといえばエッフェル塔や凱旋門、ベルサイユ宮殿などの歴史的な建造物や都会的で美しいパリの町並み、また食べ物だとフレンチやフランスパン、ワインなどが有名ですよね。
フランス産ペットフードはどんな特徴があるのでしょうか?
フランス産ではロイヤルカナンが有名です。グランツキャットフードもフランス産ですね。
フランスは昔から世界をリードしてきたヨーロッパの中心的な国ですが、ペット先進国のひとつで、法体制も他国より進んでいます。ここではそんなフランスのペットフード事情をご紹介したいと思います。
フランスの動物愛護への意識と法律
フランスはペット飼育率が最も高い国
画像引用元:FACCO-RAPPORT-2021|FACCO
世帯の43.5%は、少なくとも1匹の犬または猫を飼っています。犬の個体数は安定しているが、猫の個体数は増加している。 フランスのほぼ3世帯に1世帯が猫を飼っており、5世帯に1世帯が犬を飼っています。
2020年のFACCOの調査によると、フランスはペット飼育率が最も高い国で、魚なども含めると全体で7,500万のペットが飼育されています。
フランスの人口は6,700万人ですが、そのうち43.5%(約半数)の世帯が犬か猫と暮らしています。猫は約1,510万頭で増加傾向にありますが、犬は約半分の約750万頭で横ばいです。
動物飼育が権利として認められている。店や公共交通機関の同伴も可能
また、フランスでは動物を飼育することが権利として認められています。また、賃貸でも動物との入居を拒否されることはなく、ペットにも家賃がかかりますが、大きな迷惑をかけなければ退去命令されることもありません。
カフェやレストランにも犬や猫との同伴入店も一般的で、電車などの公共交通機関にも一緒に乗車することが認められています。
猫犬以外の生き物に対する愛護意識も高い
フランスは熱帯魚の飼育数が最も多いこともあり、犬や猫以外の生き物に対する愛護意識も高い傾向があります。たとえば、フランスでは魚の大きさや数に対して、水槽が小さかったり、十分な遊泳スペースがない過密状態の飼育環境は、魚への飼育は虐待だとみなされる場合があります。
バカンス時期の猫や犬の遺棄が問題視
フランスでは、他ヨーロッパ諸国と同様、バカンスの時期になると動物の遺棄が多くなることが問題視されています。バカンス時期には2ヶ月ほどの休暇がもらえるので、海の近くなどリゾート地まで遠出してゆっくり過ごす人が多いのですが、その際に「一緒に連れて行けないから」「長期間預かってくれる人がいないから」などの理由で動物を遺棄する人が増えてしまうようです。
マイクロチップが義務ではない。入れ墨も可。
画像引用元:各国の動物の飼養及び管理に関する法規制等の概要
犬猫共に譲渡前の個体識別や登録は義務化されていますが、マイクロチップの装着は義務ではありません。
また「入れ墨も可」との記載がありますが、個体を識別できるとはいえ痛みが伴うタトゥーを動物に対して入れることが問題がないという認識は、文化の違いなのか若干の違和感を感じるところかもしれません。
<最新ニュース>ペットショップで犬猫の展示販売を禁止する法改正が成立
2021年12月にフランスで法改正があり、ペットショップでの犬や猫の展示や販売を禁止する法案が可決されました。他にも水族館でのショーや移動式サーカス、動物放棄の厳罰化、ミックの養殖禁止など様々な規制が新たに定められました。
詳しくは以下の記事に詳細があるので気になる方は合わせてご覧ください。
フランスのペットフードについて
日本で購入できるフランス産フードは少ない
最も知名度の高いペットフードと言っても過言ではないロイヤルカナンはフランス産ですが、他に日本で販売されているフランス産のペットフードは多くありません。
フランスは犬や猫と暮らす世帯が多く自国でのペットフードの消費が十分なことに加え、EU内であれば自由に貿易ができるので、ヨーロッパ内での輸出入の方が展開しやすく、わざわざ日本で販売をしない企業の方が多いのかもしれません。
ペットフードのガイドラインを定めるFACCOとFEDIAF
画像引用元:FACCO公式サイト
日本のペットフード協会のような機関として、フランスに「FACCO」があり、ガイドラインや指導を行っています。
フランスは欧州ペットフード産業連盟「FEDIAF」に加盟しているので、フランス産のドッグフードやキャットフードは、FEDIAFが定める栄養基準や表示のガイドラインに則って製造販売が行われています。
FEDIAFはヨーロッパ版のAAFCOのような期間で、EU加盟国はAAFCOよりもFEDIAFの栄養基準をクリアしている製品が多いです。AAFCOとFEDIAFで基準が大きく異なる項目はほとんどありませんが、日本ではペット公正競争規約により、総合栄養食として販売するにはAAFCOの成分基準を満たす必要があると定められているので、FEDIAFの基準しか満たしていないペットフードは日本で販売することは難しいかもしれません。
もちろんFEDIAFとAAFCOどちらの基準も満たしている製品もありますし、総合栄養食ではなく一般食であれば問題ないので不可能というわけではありません。
まとめ
- フランスはペット飼育率No.1
- 43.5%(約半数)の世帯が犬か猫と暮らしている
- ペット先進国で動物愛護の意識や考え方も進んでいる
- 動物と共生するための法体制がしっかりとしている
- 日本で販売されているフランス産のペットフードは少ない
- FEDIAFの栄養基準を採用
- FACCOがガイドラインや指導を行っている
- 2021年12月法改正で犬や猫の店頭展示や販売が禁止