キャットフードの合成着色料:食用青色2号(インジゴカルミン)
食用青色2号は「インジゴカルミン(Indigo Carmine)」という藍色に近い紫寄りの色を付けるインジゴイド系の合成着色料です。食品ではキャンディーや冷菓、チョコレートなどに使用されています。
青色1号と2号では使用を許可している国の数に開きがあり、1号が12カ国であるのに対し、青色2号は39カ国が使用を認めています(1号の3倍以上の国)。また、摂取許容量などの上限設定も青色2号の方が高いことから、青色1号よりは2号の方が規制は緩いと言えます。
独特の色合いを演出できますが、熱や光に非常に弱いという特徴があるため、加熱が必須のキャットフードではほとんど使用されていません。
- モンプチキャットフード
食用青色2号(インジゴカルミン)の猫への危険性・悪影響
オスのマウスの精巣への生殖毒性が報告
画像引用元:欧州食品安全機関(EFSA)、食品添加物としてのインジゴカルミン(E132)の再評価に関する科学的意見書を公表
2. ANSパネルは、インジゴカルミンが吸収されにくく、遺伝毒性について懸念を引き起こさないことを観察により認めた。500mg/kg体重/日以下の用量では、亜急性毒性試験、慢性毒性試験及び生殖発生毒性試験における有害影響は確認されておらず、また、慢性毒性試験における血液学的パラメータ及び生物学的パラメータの変更は確認されていない。精巣への有害影響のみが最小毒性量(LOAEL)の17mg/kg体重/日で報告されており、確認された場合には、安全性の懸念が生じることになる。この観察された有害影響が、(1)当該食品添加物そのものによるものか、(2)被験試料中に存在する不純物及び/若しくは汚染物質によるものか、及び/又は(3)試験の実施方法によるものか明らかではないため、この試験には不備があるとANSパネルは考えた。
欧州食品安全機関(EFSA)のインジゴカルミンの再評価に関する科学的意見書によると、インジゴカルミンは、急性毒性や慢性毒性試験、生殖毒性試験において有害性は確認されていないとしていますが、精巣への有害影響については報告され安全性の懸念があるとしています。
雄の生殖毒性の評価
その一年前、2013年に発行された調査では、スイスのマウスのオスの生殖器官である精巣に対するインジゴカルミンの潜在的な毒性を評価し、「組織学的には、染料は完全な精巣構造に重大な損傷を引き起こしました。」と発表しています。
画像引用元:インジゴカルミンによる雄の生殖毒性の評価 スイスアルビノマウス
マウスの体重を毎週記録した。両方の用量の染料は体重は大幅に増加しましたが、精巣重量は大幅に減少しました。尿細管の直径と精子の運動性が大幅に低下することがわかりました。染料は低用量では有意ではなく、高用量では有意であることが判明した精子密度。組織学的に、染料は完全な精巣構造に重大な損傷を引き起こしました
長期毒性調査では軽度の貧血のみ、死亡率や腫瘍の発生率などに影響なし
画像引用元:マウスにおけるインジゴカルミンの長期毒性
30匹のオスと30匹のメスのマウスのグループに、0.2、0.4、0.8、または 1.6%のインジゴカルミンを含む食事を80週間与えました。60匹のオスと60匹のメスのマウスのグループがコントロールとして使用されました。この治療は、死亡率、体重増加、臓器重量、または腫瘍の発生率を含む組織病理学的検査の結果に影響を与えませんでした。0.8%または1.6%のインジゴカルミンを含む食餌を与えられたマウスでは、軽度の貧血がみられました。インジゴカルミンをマウスに1.6% までの食事レベルで与えても、発がん作用はまったく発揮されなかったと結論付けられています。この研究における悪影響のないレベルは、食事の0.4%でした。
1975年と古い調査結果ですが、80週間にわたって青色2号のマウスにおける長期毒性を調べた調査では、軽度の貧血以外、死亡率や体重増加、臓器重量、腫瘍の発生率(発がん性)などに影響は与えなかったとしています。
まとめ
- 藍色に近い紫がかった色を付ける合成着色料
- 青色1号より多くの国で認められている
- オスの生殖機能に悪影響を及ぼす
- 軽度の貧血以外の慢性毒性は確認されていない