子猫用と成猫用のキャットフードの違いは?成猫用への切り替え時期は生後6~12ヶ月が一般的

キャットフード 子猫 成猫
鈴木さん
子猫用と成猫用のキャットフードには具体的にどんな違いがあるんでしょうか。また子猫用はいつまでで、成猫用にはいつから切り替えればいいのでしょうか。
猫田

子猫用と成猫用キャットフードでは、成分に明確な違いがあります。この記事では子猫用・成猫用キャットフードの違いと切り替え時期、全年齢対応のキャットフードなどを紹介していきたいと思います。

子猫用キャットフードと成猫用キャットフードの違い

子猫用と成猫用では栄養成分の基準が違う

子猫用フードと成猫用フードでは、栄養成分の基準が明確に異なります

日本ではペットフード公正取引協議会が定める公正競争規約によって、AAFCOの成分基準を満たさないとキャットフードは「総合栄養食」として販売することができません。

キャットフード 成分基準画像引用元:AAFCO 2016 AAFCO Midyear Meeting Committee Reports

このAAFCOで定められている成分基準が分けられており、それぞれの基準を満たしたものが子猫用(成長期)、成猫用として販売されています。

  • Growth and Reproduction(子猫・成長期)
  • Adult Maintenance(成猫・メンテナンス)

子猫にアダルト用キャットフードを与えると栄養が不足する可能性

子猫は多くの栄養とカロリーが必要

子猫に成猫用フードを与えると、栄養が不足する可能性があります。子猫は成長のために、より多くのエネルギーと栄養を必要とするため、AAFCOの基準でも定められているように、子猫用キャットフードは通常よりタンパク質や脂肪分を多く含み、他成分も成猫用より最低基準が高めに配合されています。

子猫はまだ胃が小さく、食べられる量も成猫より少ないので、少量で沢山のエネルギーと栄養を摂取できる食事が好ましいですが、成猫用は肥満対策のために脂肪分やカロリーを控えた製品が多いため、子猫が満腹になるまで食べても必要な栄養素が摂れない可能性があります。

成長不良や内蔵機能の発達に遅れが出る可能性

子猫はただでさえ食べられる量が少ない上に、含まれる栄養も少ないので、子猫が成猫用を食べ続けると、成長不良や骨の異常、内臓機能の発達が遅れ、消化不良などを引き起こす可能性があります

成猫にキトン用キャットフードを与えると肥満の原因になる

大人の猫に子猫用フードは高カロリー過ぎる

大人の猫に子猫用フードを与えると、栄養が多過ぎて肥満の原因になります。子猫用のキャットフードは栄養が豊富なので、成猫が食べても基本的に問題はなく、ある栄養が不足してしまうという心配もありません。

ただ子猫用キャットフードは、先程も話したように高タンパク・高脂肪のため、少量で沢山のカロリーを摂取してしまいます。去勢や避妊を終えた猫は、手術前より運動量や消費カロリーが少なくなるので、特に肥満になりやすくなります。

大人になったら成猫用か全年齢対応に切り替える

このため子猫用のキャットフードを与えている場合は、成猫期にうつるタイミングでキャットフードも成猫用または全年齢対応のキャットフードに切り替えましょう。

子猫用から成猫用キャットフードへの切り替え時期

成猫用への切り替えは生後6ヶ月~1年までが一般的

子猫用から成猫用キャットフードへの切り替え時期は、だいたい生後6~12ヶ月までにするのが一般的です。生後6ヶ月は去勢避妊手術が始まる時期のため、手術後に徐々に成猫用キャットフードに移行する方が多いです。

ただ去勢避妊の手術後は回復のためにエネルギーを多く使うので、手術後すぐに切り替えるのではなく、回復後に時間をかけて切り替えていきましょう。

また、同じ猫でもノルウェージャンフォレストキャットやメインクーンのような大型猫は大きくなる分、成長期も長いです。このような大型猫は1年くらい子猫用キャットフードを与える場合もあるので、猫の成長具合や避妊去勢手術後の様子を見ながら切り替えるのがいいかと思います。

全年齢対応(オールステージ)は切り替えの必要なし

全年齢対応はどの年齢でも与えられる

AAFCOの成分基準では、子猫用と成猫用それぞれで成分基準が設定されていますが、成猫用と子猫用とで全く成分基準が異なるということはなく、最低基準が高く設定されている子猫用の項目に合わせれば、子猫用と成猫用を兼ねる総合栄養食をつくることも可能です。

こうした子猫用、成猫用を兼ねるキャットフードは「全年齢対応(オールステージ対応)」の総合栄養食として販売されています。

猫が健康な状態なら切り替えなくていい

全年齢(オールステージ)対応のキャットフードは、子猫、成猫、老猫どの年齢でも与えられるので、年齢を理由にキャットフードを切り替える必要はありません。

警戒心が強い猫や偏食や好みが激しい猫には、1つお気に入りの全年齢対応のキャットフードを見つけて与え続けた方が、のちのち楽かもしれません。

今のところ老猫用キャットフードの明確な基準はない

ちなみに老猫用キャットフードは、関節に配慮したグルコサミンやコンドロイチンが配合されていたり、腎臓や下部尿路に配慮してミネラル量やタンパク質量が低めに設定されたりしていますが、老猫用の成分基準はAAFCOでは設定されていません。

このため老猫用キャットフードは成猫用基準の範囲内で、老猫に必要な栄養を調整していますが、具体的に老猫キャットフードと表示するための基準や制限があるわけではありません。

まとめ

  • 子猫用と成猫用では、成分基準(最低基準)が異なる
  • 子猫用:カロリーが高く、高タンパク・高脂肪
  • 成猫用:肥満に配慮したカロリーや脂質を抑えたものが多い
  • 成猫用への切り替えは生後6ヶ月~12ヶ月が一般的
  • 全年齢対応は子猫も成猫も与えてOK
  • 老猫用キャットフードの基準はない(成猫用の基準が適用)
猫田
子猫用キャットフードからの切り替えを検討している方は、当サイトが公開している全116種類のキャットフードを徹底比較したおすすめランキングも参考になるかと思います。!
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2016年8月29日

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。