キャットフードの銅。働きと必要量、銅酵素として働き骨の形成や貧血を予防する

キャットフード 銅

キャットフードの成分:銅(copper、cuprum

必須ミネラルの銅(Cu)

銅とは原子番号29の金属の一つで、少なくとも1万年以上の歴史のある古くから利用されてきた金属資源です。日本でも弥生時代から青銅器に利用され、現在も10円玉に青銅が使われています。

銅は猫の生体内では、骨・骨格筋・肝臓・血液・脳等に存在します。銅は栄養素としても非常に重要な成分で、猫にとって食事から摂取しなければならない必須微量ミネラルの一つです。

銅が多く含まれる食材
  • 干しエビ
  • いか・たこ
  • 牡蠣
  • レバー
  • ナッツ類

様々な食品に含まれますが、特に魚介類やレバー、ナッツ類に銅は多く含まれます。銅はココアにも豊富ですが猫にはNGなので除外しておきます。

猫の体での銅の働きと作用

銅は猫の体内に入ると肝臓に運ばれ、タンパク質と結合し「銅酵素(銅タンパク質)」として酸素の運搬、酸化還元、神経伝達物質、電子伝達の代謝などを助ける様々な働きを行います。

貧血を予防する(鉄の代謝や輸送)

銅には鉄分をヘモグロビンに合成する酵素としての働きがあり、貧血を予防します。貧血予防では一般的に鉄分の摂取量が気にされますが、鉄分を利用するためには銅の働きが重要になります。

骨の形成と健康維持

銅には猫の骨の形成に必要な角質(コラーゲン)同士を繋げ強化する働きがあり、骨の形成を助け、骨部の基礎構築体系を維持します。

被毛の色素の合成

猫の被毛の色素となるメラニンの合成を助ける働きがあります。

キャットフードに必要な銅の量

銅 キャットフード画像引用元:2016 AAFCO Midyear Meeting Committee Reports – AAFCO CAT FOOD NUTRIENT PROFILES BASED ON DRY MATTER

AAFCOが2016年に公開の栄養基準に記載されているキャットフードに必要な銅の必要量は、子猫や成長期は15mg/kg以上、成猫期以上は5mg/kg以上で上限値はありません。

銅の栄養基準はextruded(ドライ)とcanned(ウェット)でそれぞれ基準があります。他の成分はドライキャットフードが基準なので、今回は上段(extruded)の基準を紹介しています。ウェットタイプのキャットフードの場合、子猫と成猫期の基準が8.4mg/kg以上とドライに比べて少なめに設定されています。

銅の欠乏症/過剰摂取

欠乏:銅欠乏性の貧血

銅は様々な食べ物に含まれるので総合栄養食のキャットフードを与えていればめったに不足することはありません。銅は鉄をヘモグロビンの一部として利用するために必要不可欠なので、銅が不足すると猫は銅欠乏性の貧血を引き起こします。

過剰摂取:肝障害、代謝障害

基本的に猫が余分に摂取した銅は体内で胆汁中に排泄されるため、多少多く猫が摂取してしまった程度では銅の過剰症にはなりません。

ただ化学薬品の誤飲など急性の過剰症を引き起こすと、消化管障害や肝障害、溶血性貧血などの急性中毒を引き起こす可能性があります。

まとめ

  • 猫の貧血予防や骨の形成に関わる
  • 猫の体内では酵素として様々な機能をもつ
  • 欠乏/過剰はあまり起こらない
  • 成長期の猫は通常より多くの銅が必要
  • ドライキャットフードとウェットキャットフードで最低値が異なる

キャットフードに必要なミネラルの種類を解説!不足・過剰で猫がなる病気や症状

2018年7月27日

ABOUTこの記事をかいた人

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。