猫はお茶を飲んでも大丈夫!


今回は猫に与えても大丈夫なノンカフェイン5選と、与えるメリットや注意点をご紹介します。
ノンカフェインのお茶を与えるメリット
基本的に水分補給は水
お茶を与えることでさまざまな健康効果やメリットがあります。しかし基本的に毎日の水分補給は水であり、ノンカフェインだからといってお茶を毎日飲ませることはおすすめできません。あくまでお茶は補助的な役割にとどめてください。
お茶を与えるのはあくまで「水をあまり飲まない猫」を対象とし、
- 水を飲ませるために興味を引かせるもの
- 嗜好性を向上させるもの
- キャットフードのトッピング
- たまのご褒美
として捉えましょう。
水分補給のサポート
猫は砂漠地帯に生息していたリビアヤマネコを祖先に持つため、乾燥した環境に適応して進化してきました。そのため、現代の猫も積極的に水を飲む習慣がなく、水をきちんと飲まないと泌尿器系の問題や腎臓病のリスクが高まるため、水分不足は防がなければなりません。
猫が水を飲みたがらない場合は、風味があるお茶を与えて興味を惹かせることで、水分補給の手助けとなります。
食欲促進に
温めたお茶をキャットフードにかけてふやかすことで香りがより強くなり、食欲が低下している猫の食欲促進につながります。
お茶の温度が熱すぎると猫が火傷をしたり、キャットフードの栄養成分を損失する恐れがあるため、ふやかす場合はぬるま湯(30~40℃程度)にしましょう。しっかりと粗熱が取れてから与えてください。
猫が飲めるノンカフェインのお茶5選
ノンカフェインのお茶はカフェインが入っていない原料から作られています。ノンカフェインのお茶の種類は意外と多くあり、それぞれの栄養や健康効果についてご紹介します。
麦茶

麦茶の主な原材料は大麦で、イネ科の植物です。世界中で栽培されている穀物の一種で、大麦を焙煎して煮出しや水出しで抽出したものが麦茶です。猫の興味がわきやすい独特な香ばしい香りがします。
麦茶にはミネラルが豊富に含まれています。汗をかくとミネラルが排出されるため、夏の水分補給や熱中症対策として麦茶が最適といわれるのはこのためです。
また焙煎過程で生成される「ピラジン」という成分には血流促進作用があり、リラックス効果やストレス軽減が期待されます。さらにポリフェノールを含み、抗酸化作用や電解質バランスの調整に寄与します。
- 水をあまり飲まない猫(香りが強いため嗜好性がアップ)
- 環境の変化や騒音などでストレスを抱えている猫
- 神経質で警戒心が強い猫
- 頻繁に長時間の留守番をしている猫
黒豆茶

黒豆茶の原材料は黒豆(黒大豆)で、焙煎してお湯で抽出したノンカフェインの飲み物です。香ばしい風味とほんのり甘い味わいが特徴で、健康志向の方に人気があります。
黒豆には、植物性ポリフェノールのアントシアニンやイソフラボンが含まれています。
アントシアニンは抗酸化作用を持ち、体内の活性酵素を除去して細胞の酸化を防ぎ、老化防止や生活習慣病のリスク軽減が期待されます。また血流を促進することによる冷え性改善やリラックス効果、血圧の調整、抗炎症作用なども持ちます。
イソフラボンは、去勢や避妊手術後のホルモンバランスの調整をします。また骨密度を保つ作用があり、カルシウムの吸収を助けることで骨粗しょう症の予防につながります。
- 体内の活性酵素が増えやすい猫
→高齢、肥満、ストレスを抱えやすい、運動不足など
- 体温調整が苦手で冷え性になりやすい猫
→高齢、短毛種、痩せている、運動不足など
- 骨折や関節トラブルの多い猫
→高齢、肥満、栄養バランスの偏り、避妊・去勢後など
ハトムギ茶

ハトムギ茶の原材料は、イネ科の植物であるハトムギの種子です。香ばしい風味とクセのない飲みやすさが特徴で、カフェインを含みません。
ハトムギ茶には利尿作用があり、体内の余分な水分や老廃物を排出することで、むくみの改善やデトックス効果が得られます。
また、ハトムギに含まれる「コイクセノリド」という成分には肌のターンオーバーを促進し、皮膚の修復や保湿をサポートする作用があります。これによりアトピー性皮膚炎や軽度の皮膚炎の改善が期待されます。
また抗炎症作用により関節炎や慢性的な炎症に効果的で、免疫系の働きを整え、感染症や病気への抵抗力を高める効果が期待されます。
- 頻繁に体を掻いたり舐めたりする猫
- フケや皮膚の赤みがみられる猫
- アレルギー体質の猫
- 免疫力が落ちている高齢猫
- 手足や顔にむくみがみられる猫
- 尿路結石などの泌尿器系トラブルを抱える猫
ごぼう茶

ごぼう茶の原材料はごぼうの根で、焙煎して抽出した香ばしい風味が特徴のノンカフェインのお茶です。食物繊維やポリフェノール、サポニンを豊富に含み、デトックス効果や抗酸化作用が期待されます。
とくにイヌリンという水溶性食物繊維が多く含まれています。イヌリンは腸内の善玉菌(ビフィズス菌など)のエサとなるプレバイオティクスとして働き、腸内細菌のバランスを整えて便秘の解消や腸内フローラの健康維持が期待されます。
また糖の吸収を穏やかにする作用があるため、糖尿病の発症リスクの軽減や血糖値上昇を防ぎます。
- 下痢や便秘を頻繁にする猫
- 消化不良を起こしやすい猫
- ごはんが好きで食べ過ぎてしまう猫
- 早食いにより血糖値が上がりやすい猫
- 肥満気味や運動不足の猫
タンポポ茶

タンポポ茶の原材料はタンポポの根です。焙煎したタンポポの根から抽出され、香ばしい風味とほのかな苦味が特徴です。
利尿作用により尿の流れを促進し、猫の尿路結石や膀胱炎の予防に役立ちます。また消化を助ける働きがあり、胃腸の不調や便秘の改善をサポートすることができます。さらに抗炎症作用があるため、慢性的な炎症を緩和する効果も期待されます。
- 手足や顔にむくみがみられる猫
- 尿路結石などの泌尿器系トラブルを抱える猫
- 嘔吐や吐き戻しが頻繁な猫
- 消化機能が低下している高齢猫
- 慢性的な関節痛や関節炎がある猫
ノンカフェインのお茶を与える注意点
アレルギーのリスク
ノンカフェインのお茶はカフェインが含まれていないため猫が飲んでも大丈夫ですが、アレルギーを示すものもあります。
とくに、麦茶の原材料である大麦は注意が必要です。大麦自体は、同じ穀物のとうもろこしや小麦などの高アレルゲンの原材料に比べてアレルギーのリスクは低いですが、大麦は小麦と同じ農地で生産されていることが多く、収穫では小麦が混ざっていることがあります。ごく少量であっても小麦に反応する猫もいるので、大麦もアレルギーの可能性はゼロではありません。
お茶を初めて与える場合は少量からスタートし、少しでも体調に異変がある場合は動物病院で診てもらいましょう。
2~3倍に薄める
ノンカフェインのお茶はカフェインや刺激物は含まれていませんが、濃いお茶だと胃腸に負担をかける恐れがあります。猫にお茶を与える場合は2~3倍に薄めましょう。
猫が飲んではいけないお茶は?
下表は猫が飲んではいけないお茶とカフェイン含有量です。メーカーや商品によってカフェイン含有量に違いはありますが、目安としてご参照ください。
お茶の種類 | カフェイン含有量 (mg/100ml) |
---|---|
玉露 | 160 |
抹茶 | 32 |
紅茶 | 30 |
煎茶 | 20 |
ほうじ茶 | 20 |
ウーロン茶 | 20 |
緑茶 | 20 |
玄米茶 | 10 |
お茶に含まれるカフェイン含有量は若い芽(新芽)と成熟した芽で違いがあり、若い芽の方がカフェイン含有量が多くなっています。そのため、玉露や一番摘み煎茶などの高級茶に使用される新芽はとくにカフェイン含有量が多い傾向にあります。
猫がカフェインを摂取すると下痢や嘔吐、不整脈、異常興奮、痙攣などのカフェイン中毒症状を引き起こす恐れがあります。カフェインの致死量は猫の体重1kgあたり80~150mgで、これだけのカフェインを摂取をすることはないと思いますが、注意は必要です。
まとめ
- 猫はノンカフェインのお茶を飲んでも大丈夫
- お茶を飲むことは水分補給のサポートや食欲促進などのメリットがある
- 事前に猫のアレルギーを調べ、与える場合は2~3倍に薄める
- お茶には健康効果があるが、あくまで補助的な役割として与える