キャットフードの油脂とは?動物性油脂、植物性油脂の違い

猫田
油脂とは油であり、成分で言えば脂質です。キャットフードには、固めるためや嗜好性をあげるために油脂が使用されています。
鈴木さん
「動物性油脂」や「植物性油脂」「鶏脂」などの表記がありますよね。これはいったいどう違うんでしょう。

キャットフードの動物性油脂

動物から精製される脂

動物性油脂とは、動物の体内に含まれている脂のことです。例を挙げると、スーパーのお肉コーナーにある牛脂がこれにあたります。

製造方法のひとつとしては、原料となる肉を高温で茹でる時に浮いてくる脂を精製して動物性油脂を作ります。

キャットフードの動物性油脂とは?製造方法や役割、注意点を解説

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酸化しやすい

動物性樹脂は、酸化や劣化が早いのが特徴です。腐敗した動物性樹脂を含んだキャットフードを与え続けると最悪の場合、鼓腸症、癌、肝臓病、心臓病などに罹るリスクがあると言われています。

このため動物性油脂を含むキャットフードには酸化防止剤を使用しなければなりません。酸化防止剤には科学薬品もあれば自然由来のものもあり、各社ペットフードメーカーによって異なっています。

添加物の使用

酸化防止剤は化学薬品であれば没食子酸プロピルやBHAなどに代表される発がん性が認められている酸化防止剤が使われている場合があります。

このため、自然由来のものを使用していることが望ましいのですが、動物性油脂を製造する時に添加する酸化防止剤は原材料欄に表示しなくていいことになっていて、明確に把握することは難しいのが現状です。

特に動物性油脂を自社で製造せず、他社から仕入れて使用している工場の場合にはコンプライアンスの問題で知ることができない場合も少なくありません。

様々な動物の肉の脂

パッケージの原材料名に記された動物性油脂の詳細が全く書かれていない場合には、特に注意が必要です。

詳細が全く書かれていない動物性油脂という表記だけの場合には、家禽ミール、ミートミールを作る時にとれる脂を使用していることが多く、様々な動物の肉が混ざった脂の可能性が高いです。

鶏脂など原材料名がはっきりしている動物性油脂

例えば「鶏脂」など鶏の脂を使用していることがはっきりと表示されている場合には、製造時に使用する原材料の鶏の脂を使用しているケースが多いです。原材料からとれたものなので最も合理的で安心であることがわかります。

ただし酸化防止剤は必要になります。上記動物性油脂の場合と同じように、この鶏脂製造時に使用する脂に使われる酸化防止剤は表記の必要がありませんので、注意が必要です。

具体的な原材料名が書かれている鶏脂などは油脂を判断する上では一番いい選択肢かもしれません

キャットフードの植物性油脂

代表的な植物性油脂

植物性油脂は、植物の中に含まれた脂肪を抽出、精製した油のことです。代表的なものとして以下のようなものがあります。

  • コーン油
  • 大豆油
  • オリーブ油
  • フラックスオイル(有機亜麻仁油)
  • グレープシードオイル
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2020年5月21日

酸化や劣化が遅く、安心感が高い

この植物性油脂は、動物性油脂と比較して、酸化や劣化が遅いのが特徴的です。動物性油脂よりも酸化防止剤の使用頻度は低く済み、一般的には植物性油脂の方が安心だと言われています。

猫が好む嗜好性は動物性油脂よりも劣る

油脂はキャットフードを固めるため、また嗜好性をあげるために使われますが、猫にとって植物性の油脂は嗜好性が低く、食いつきに関しては動物性油脂には大きく劣ります。このため、食いつきをよくするために、肉原料を増やしたりなどの工夫が必要です。

植物性油脂のクオリティで違いあり

植物性油脂にもいくつかの製造方法があります。高温による圧搾法では、製造工程の段階で必要な栄養素であるビタミンやミネラルが大きく失われているだけでなく、猫の健康に害を及ぼす可能性のある薬品を使われているケースもあります。

熱を加えない冷圧法によって抽出・精製された植物性油脂は、必要な栄養素であるビタミンやミネラルが失われず、必須脂肪酸も残っているので、猫の健康にとっては冷圧法の植物性油脂の方がよりいいものと言えます。

また、植物性油脂の中でも、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスがとれている、フラックスオイル(有機亜麻仁油)やグレープシードオイルをはおすすめです。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。