キャットフードの原材料:そら豆(Broad Beans)
そら豆(Broad Beans)は豆類の中でも最も大きな種子で、世界最古の野菜のひとつとして日本でも8世紀頃から食用されてきました。
キャットフードの原材料として使用され、また猫用手作りごはんでも空豆を使用したレシピも紹介されています。
そら豆には猫にとって毒性のある成分や物質は含まれていないので、猫に与えても問題ありません。豆部分が非常に大きいため数粒でも食べ応えがあり、また食べた時に他の豆類とは異なるホクホクとした食感が楽しめるので、芋類などが好きな猫はそら豆も好んで食べたがるかもしれません。
大豆アレルギーを回避するための代用原料としてそら豆が用いられることもあります。
- tama ボナペティ キャットフード
- エクイリブリア キャットフード
そら豆の栄養素と効果作用
成分分析値 | タンパク質 | 26g |
脂質 | 2g | |
炭水化物 | 55.9g | |
食物繊維 | 9.3g | |
灰分 | 2.8g | |
モリブデン | 260μg | |
カリウム | 1100mg | |
マグネシウム | 120mg | |
銅 | 1.2mg | |
葉酸 | 260μg | |
エネルギー | 100g | 348kcal |
植物性タンパク質が豊富で低脂質
そら豆は、大豆に次いで植物性タンパク質が豊富です。
他の豆類は100g中植物性タンパク質は20g前後ですが、そら豆は26gも植物性タンパク質が含まれており、全体の1/4以上が植物性タンパク質で構成されています。
また、タンパク質量は大豆より低いですが、そら豆は高タンパクでありながら低脂質という点も大きなポイントです(大豆の脂質量が20g近いのに対し、そら豆は脂質は2g程)。
低GIで血糖値上昇に配慮
そら豆の6割近く(55.9g)が炭水化物で構成されていますが、他の豆類よりも植物性タンパク質が多い分、炭水化物や食物繊維量はやや控えめです。
また、そら豆は非常にGI値が低く(GI値:30)、低GI食材は血糖値をゆるやかに上昇させることから急激な血糖値の上昇を抑えるため、糖尿病や肥満の予防にも良い食べ物とされています。
ミネラル分(カリウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、モリブデン)も豊富
そら豆は灰分(ミネラル)が豊富に含まれます。多量ミネラルのカリウムやリンマグネシウムを始め、鉄分や亜鉛、銅、モリブデンなどの微量ミネラルも豊富に含まれています。
そら豆の注意点
タンパク質量が多く見える
そら豆は植物性タンパク質が豊富なので、キャットフードに配合すると一見タンパク質量が多くなったように見えますが、植物性タンパク質は「猫にとって良質なタンパク質とは言えない」という側面があります。
動物性タンパク質は、猫に必要なアミノ酸がバランス良く含まれているので、効率良く摂取したタンパク質を最大限利用することができますが、植物性タンパク質は、タンパク質を構成しているアミノ酸に偏りがあり、摂取したタンパク質を最大限利用することができず排泄されます。
このため、植物性タンパク質の割合が高い場合、高タンパク質にもかかわらず、実際は利用できていない可能性があります。
手作りごはんで与える場合は生で与えない
そら豆は猫用手作りごはんで使う食材としてもおすすめですが、生の状態では固く消化もよくないので、茹でるなどして加熱して柔らかくしてから与えましょう。
熱々の状態では火傷してしまうので、加熱後は食べやすい温度に冷ましましょう。
まとめ
- 植物性タンパク質が豊富
- 低GIで血糖値に配慮