体重管理のキャットフード。普通のフードとの違いは?配合成分・栄養素と導入すべき猫について

体重管理のキャットフード。普通のフードとの違いは?配合成分・栄養素と導入すべき猫について

猫の肥満は糖尿病関節炎など多くの疾患を引き起こす要因となるため、必要に応じてダイエットや体重管理キャットフードの活用が欠かせません。しかし、キャットフードの給与量を単純に減らすだけでは栄養不足につながる恐れがあります。飼い主が適切なキャットフードを選び、健康的に体重をコントロールしてあげることが大切です。

この記事では、体重管理キャットフードの特徴や含まれる成分・栄養素、体重変動による疾患リスク、そして導入を検討すべき猫のタイプについて解説します。

体重管理キャットフードの特徴

体重管理キャットフードとは、単に「カロリーを減らしたフード」ではなく、猫に必要な栄養をしっかり確保しつつ、肥満を防ぎ、筋肉量を維持しながらエネルギー摂取をコントロールできるよう作られています。

  • 体重管理フード(最も一般的)
  • 体重コントロール
  • 体重ケア
  • 肥満気味の猫用
  • 去勢・避妊後の猫用(太りやすい傾向に対応した設計)
  • ヘルシーサポート
  • ライト(Light)(カロリー控えめを意味する)

などさまざまな表記が見られ、一般的なキャットフードに比べて以下のような特徴があります。

一般的なキャットフード体重管理キャットフード
カロリー設計標準体型の維持を想定して設計。成長期や活動量の多い猫に十分なエネルギーを与えられるように作られている。脂肪や総カロリーを抑え、太りやすい猫でも摂取エネルギーをコントロールできるように調整。
タンパク質と脂肪の比率脂肪エネルギーが高めのことも多く、嗜好性が重視されることも。高タンパク・低脂肪にすることで筋肉量を維持しつつ余分な脂肪を減らす設計。
食物繊維の含有量消化性や嗜好性を優先し、繊維量はそこまで多くない傾向。食物繊維を多めに含み、少ない量でも満腹感が得られるよう工夫。
配合される成分総合栄養食の基準に従ったビタミン・ミネラルが中心。これに加えて、L-カルニチンやオメガ3脂肪酸など、減量・体重維持をサポートする成分が強化される傾向。
想定される対象猫成猫・シニア・子猫などライフステージ別が基本。避妊・去勢後や肥満傾向、運動不足の猫を想定して開発されている。

体重管理キャットフードに配合される成分・栄養素

体重管理キャットフードには、ただ「低カロリーにする」だけでなく、代謝や満腹感の維持を助ける成分や栄養素が配合されることが多く見られます。

高品質の動物性タンパク質

猫は肉食動物であり、良質な動物性タンパク質は健康維持に不可欠です。体重管理キャットフードでは、脂肪を抑えながらもタンパク質量を高める設計が多く、筋肉量を落とさずに減量ができるよう工夫されています。筋肉は基礎代謝を高める役割を持つため、十分なタンパク質を摂ることはリバウンド防止にもつながります。

使用される原材料も、チキンやターキー、サーモンなど消化しやすく低脂肪な肉類が選ばれることが多いのも特徴です。

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L-カルニチン

L-カルニチンは脂肪をエネルギーへと変換する際に重要な役割を果たす成分です。とくに肥満傾向にある猫は体内に脂肪が蓄積しやすくなるため、効率的な脂肪代謝をサポートするL-カルニチンの摂取は大切です。体重管理キャットフードに配合されることで、脂肪燃焼を促しつつ、筋肉量を維持しながら健康的な減量を実現する助けとなります。

また、心筋のエネルギー代謝にも関わるため、心臓の健康維持にも有益とされています。

食物繊維(セルロース、ビートパルプなど)

体重管理キャットフードには食物繊維が多く配合される傾向があります。繊維質は消化管内で水分を吸収して膨らみ、満腹感を持続させる働きがあります。これにより猫は少量でも満腹を感じやすくなり、自然と食べ過ぎを防ぐことが可能です。

また、食物繊維は腸内環境を整え、便通をスムーズにする作用もあるため、便秘の改善や腸内細菌バランスの維持にも役立ちます。肥満対策と同時に消化器の健康を支える重要な成分といえるでしょう。

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オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)

オメガ3脂肪酸とはサーモンや魚油に多く含まれる栄養素で、抗炎症作用を持つことが知られています。体重管理キャットフードに配合されることで、肥満によって起こりやすい関節炎や皮膚炎などの炎症を和らげる効果が期待できます。

また、被毛や皮膚の健康維持にも寄与し、ダイエット中でも毛並みを美しく保つことができます。

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必須ビタミン・ミネラル

体重管理中でも猫に必要なビタミンやミネラルをしっかり補えるよう、体重管理キャットフードにはバランス良く配合されています。

例えば、カルシウムやマグネシウムは骨や関節の健康に不可欠であり、ビタミンA・Eは免疫力や抗酸化作用を支える重要な栄養素です。体重管理のために給与量を減らしてしまうと、これらの栄養素が不足するリスクが高まります

そのため、必要な栄養を保ちながらカロリーを抑えることが、体重管理キャットフードの大きな特徴といえます。

体重管理キャットフードの導入が検討される猫

体重管理キャットフードはすべての猫に必要ではありません。導入が推奨されるのは以下のようなケースです。

・避妊・去勢後の猫
ホルモンバランスの変化により基礎代謝が落ち、太りやすくなります。若齢期からの管理が理想的です。

・肥満傾向にある猫
ボディコンディションスコア(BCS)が適正値を超えている場合、体重管理キャットフードの導入で早期に改善を図る必要があります。

・室内飼いで運動量が少ない猫
活動量が少なく消費カロリーが低い猫には、カロリーコントロールが欠かせません。

・高齢猫
加齢とともに基礎代謝が落ちますが、運動量が減っている場合は肥満のリスクが増します。一方で痩せすぎも問題となるため、体重管理キャットフードと定期的な健康診断を組み合わせることが重要です。

まとめ

  • 体重管理フードは低カロリー高タンパクで健康的に体型維持を助ける
  • 食物繊維やカルニチン配合で満腹感と脂肪代謝をサポート
  • 肥満は糖尿病・関節炎・心疾患など多くの病気リスクを高める
  • 痩せすぎも腎臓病や甲状腺疾患など深刻な病気の兆候となる
  • 去勢後や運動不足、高齢猫は特に体重管理フード導入が有効

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。キャットフード勉強会ディレクターとして、猫ちゃんの栄養や病気、生態、キャットフードなどの情報を提供しています。猫ちゃんの魅力を発信し、飼い主さんの悩みや不安を解決することで、猫ちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。