安全なキャットフードの選び方!原材料や成分など徹底解説した完全マニュアル

キャットフード 選び方
キャットフード 選び方
猫田
キャットフードを選ぶ時、どんな点に注意して選べば良いか、ご自身で動物栄養学を勉強されたり、調べていらっしゃる飼い主さんも増えてきました。
鈴木さん
でもどんなにたくさんの知識をつけても、なかなか自信を持ってこのキャットフードがいい!と選べるかと言われれば、何年も猫を飼っている方でも難しいと聞きます。。
猫田

悩みどころが沢山ありますよね。この記事では、そんなキャットフードの選び方を初級編から超上級編に分けてご紹介したいと思います。

難しいことはよく分からない!という方は初級編だけを踏まえて、もっとこだわって選びたい方は、中級、上級、超上級と進んでみてください!

【初級】簡単でわかりやすいキャットフードの選び方

初級編のキャットフードの選び方基準
  1. 全年齢対応の総合栄養食を選ぶ
  2. 主食はドライタイプを選ぶ
  3. ヨーロッパ産キャットフードがおすすめ

1. 総合栄養食を選ぶ

キャットフード 選び方1
猫田

第一条件として、毎日の主食としてキャットフードを選ぶなら「総合栄養食」を選びましょう。

また、初級では年齢を問わず与えられる全年齢対応のキャットフードがおすすめです。

鈴木さん
一般食や間食の可能性がありますもんね。年齢別に与えた方がいいんじゃないんですね。
猫田

総合栄養食は、猫の主食として与えてOKと認められたキャットフードのことで、そのフードと水だけで過不足なく猫に必要な栄養をバランスよく摂取できます。

もちろんその対象年齢のフードを与えるのは良いことですが、フードの切り替えによるお腹のトラブルやアレルギー、食べてくれないなど切り替え直後のお悩みを数多くいただく身としては、切り替えいらずの全年齢対応はそういったことが起こりにくいかもしれません。

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2018年11月7日

2. 主食はドライフードを選ぶ

キャットフード 選び方
猫田

猫の総合栄養食はドライフードを選ぶのがおすすめです。ドライフードは水分量が少なく栄養が凝縮されているので、少ない量で栄養を沢山摂取できます。

ウェットフードは高いので、毎日の食事として継続的に続けるのはドライフードが経済的です。また、猫はちょこちょこ食べる少食多食の動物なので、開封後すぐに食べきる必要があるウェットフードは主食には向かないかもしれません。

鈴木さん
そもそも総合栄養食は圧倒的にドライフードが多いですもんね。ドライの方が選べる幅も広いし、良い品質のキャットフードを探しやすいですね。
猫田

はい。またウェットフードは食いつきは良いのですが、頻繁に与えすぎると、ウェットフードしか食べなくなる猫もいるんですよ

ですので経済的な理由からドライフードを与えることになったり、災害時などフードが限られる非常時に備えるという意味でも、ウェットフードを与えるのは食欲がない時やおやつとして与えるのがおすすめです。

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2018年11月8日

3. ヨーロッパ産のキャットフードを選ぶ

キャットフード 選び方
猫田

ヨーロッパは世界的に見ても動物愛護への意識が国レベルで高いペット先進国で、ペットフードについても法律や規則で厳しく定められています

フードの性質や特徴は企業によって様々ですが、原産国やEU内の決まりや法律は共通なので、他の原産国よりも高い基準のフードが期待できます。

その点、ヨーロッパはオーガニック製品やナチュラル志向の原材料が多く、またEU独自の決まりや制限があるので、たとえばホルモン剤投与した家畜肉の輸入を禁止したり、原材料の安全性にも信頼がおけます。

鈴木さん

アジア産や国産、米国産はだめなんですか?

猫田

もちろん国産や他の原産国のキャットフードでも良いフードは沢山あります。あくまで国が設定している法律の違いなので、フード自体を見て与えて判断するのが一番です。

ただアジアや日本はペットフードの法律は基準がゆるいと言われており、愛護意識もまだまだ高いとは言えません。米国産も比較的おすすめですが、ホルモン剤投与や遺伝子組換え原料などが懸念される場合もあり、重金属中毒による訴訟やリコールも頻繁にニュースになっているので、初級編の簡単な選び方ではヨーロッパ産をおすすめさせていただきました。

【中級】年齢・成長段階別のキャットフードの選び方

鈴木さん
全年齢対応の全成長段階(オールステージ)で与えられる総合栄養食も便利ですが、ライフステージ別にキャットフードを選ぶ方もいますね。
猫田

健康で問題なければオールステージを与え続けて問題はありませんが、ここでは中級の選び方、子猫・成猫・シニア猫それぞれの時期で気を付けたいキャットフードの選び方基準を解説します。

中級編 年齢対象別のキャットフードの選び方基準
  1. 子猫用(生後2~6ヶ月)
  2. 成猫用(生後6ヶ月~12ヶ月以降)
  3. シニア猫用(7、8歳以降)

1. 子猫のキャットフードの選び方(生後2ヶ月~)

キャットフード 選び方 子猫
猫田

子猫用のキャットフードを選ぶ時は、月齢・食べ物の消化性・食物アレルギーこの3つに注目して選びます。それを踏まえて子猫用キャットフードでは以下のような選び方をおすすめします。

  • 歯の生え具合と月齢に合ったフード
  • 単一動物性タンパク質のキャットフード
  • キャットフードをコロコロ変えない
鈴木さん

子猫の場合、月齢によってミルク・離乳食・子猫用ドライフードと選び方が大きく変わりますよね。月齢別のフード切り替えの目安をご紹介します。

生後0~1ヶ月・母乳
・猫用ミルク
生後1~2ヶ月・子猫用の離乳食
(ミルク併用も)
生後2~6ヶ月・子猫用フード
・全年齢対応フード
生後6ヶ月以降・成猫用キャットフード
・全年齢対応フード
猫田

月齢と子猫の歯の生え具合の様子を見ながら離乳食からドライフードへ切り替えて行きましょう。

また、子猫のうちはまだ消化器官ができあがっておらず、下痢や嘔吐、胃腸に問題がでやすく、アレルギー反応も出やすいので、あまりころころキャットフードは変えず、消化性の良い食材を使用した、単一動物性タンパク質のキャットフードが安心です。

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2019年12月19日

2. 成猫のキャットフードの選び方(生後6ヶ月~)

キャットフード 選び方 成猫
猫田

成猫のキャットフードの選び方は、正直猫によってかなり違います。

猫それぞれに合わせつつ、成猫期は体調が安定しやすいので、特に健康に問題がないようであれば、総合栄養食という範囲内で割と自由に与えてもらっても大丈夫です。

鈴木さん
他にシニア期に備えるとは具体的には、どんなふうに備えればいいのでしょうか。
猫田

具体的にいうと、以下の点には配慮した方がいいかと思います。

  • 健康状態や猫種に合わせて選ぶ
  • 肥満に配慮した低GI食材やカロリー設計
  • 猫の好みを把握、偏食対策

成猫期は病気の原因となる肥満対策はした方がいいかと思います。肥満対策には、脂質量や炭水化物量、また原材料の血糖値の上昇度(GI値)なども関係するため、一概にカロリーだけで判断はできませんが、高タンパクで低脂質なレシピ、また炭水化物にGI値の低いサツマイモやエンドウ豆を使用したものがおすすめです。

また、シニア期になると病気や体の衰えなどで、療法食やウェットフードを与えなければならなくなったりと、何かとフードに制限が出てきます。

それに備えて猫自身がなんでも食べられるように何種類かのフードも与えてみたり、猫の好みを把握するために猫の食いつきがいい味や食感のフードを見つけておくなども、シニア期への準備の一つになるかと思います。

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2016年8月29日

3. シニア猫のキャットフードの選び方(7歳以降~)

キャットフード 高齢猫 シニア
猫田

シニア猫は以下のようなところに気をつけてキャットフードを選びましょう。

シニア猫は腎臓病にかかりやすくなるので、特にカルシウム・リン・マグネシウムの比率やバランスには注目しましょう。

  • ミネラルバランス(カルシウム・リン・マグネシウム)
  • 健康診断の結果や病気を踏まえて獣医師にも相談
  • コンドロイチンやグルコサミン(関節の構成成分)
  • オメガ3(関節、脳の活性化、血液さらさら)
  • 低GI食材(肥満、血糖値上昇の対策)
鈴木さん
シニア期になると腎臓病に限らず他の病気にもかかりやすくなりますよね。シニア猫によっては療法食という選択もありますね。
猫田
そうですね。高齢になると慢性の病気が増えてくるので、療法食を与え続けるという選択も多くなってくるかと思います。ただ療法食はあくまで獣医師さんに療法食をを与えるよう指示されてから与えるものなので、自己判断で与えるものではありませんので注意してください。

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2018年10月24日

【上級】成分値や栄養素でみるキャットフードの選び方

上級編のキャットフードの選び方基準
  • タンパク質
  • 脂質
  • 食物繊維
  • 灰分(ミネラル)
  • 炭水化物
猫田

キャットフードの成分表までしっかり見ている方は少ないですね。ですが実は原材料や成分値が一番そのキャットフードを正直に語ってくれています。

数値だけが並ぶ成分値はとっつきにくいですが、知っておくと一歩進んだキャットフード選びができるかと思います。

成分名目安AAFCO成分基準
成分値タンパク質30%以上子猫 30%以上
成猫 26%以上
脂質10~20%9%以上
食物繊維3~8%-
灰分(ミネラル)5~9%-
成分の比率Ca:P:Ma
(カルシウム:リン:マグネシウム)
1:0.8:0.08-
オメガ6:オメガ35:1~10:1-

キャットフードのタンパク質

鈴木さん
タンパク質は猫の体をつくるために働くだけでなくエネルギー源として主力になる成分なので、他の動物より多くの摂取量を必要としますよね。
猫田

中には50%以上の超高タンパクなキャットフードもあります。

ただし重い腎臓病のようなタンパク質の摂取を制限しなければならない猫の場合は例外です。

キャットフード タンパク質

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2019年9月13日

キャットフードの脂質

猫田

脂質は10~20%程度が一般的です。5~15%のキャットフードはヘルシーな印象です。脂質が20%を超えてくるキャットフードは高脂肪と言えます。

また脂質の中で注目なのがオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸です。キャットフードの理想的な比率はオメガ6:オメガ3 = 5:1~10:1の範囲だと言われています。

鈴木さん

最近は3:1という見解もありまだ明確に分かっていないところもありますよね。

猫田

はい。魚系のキャットフードの場合、オメガ3脂肪酸がどうしても多くなってしまいがちです。

反対に肉原料がメインのキャットフードはオメガ3脂肪酸を摂取するために、オキアミやサーモンオイルなどを使用してオメガ脂肪酸の比率を調整しています。

キャットフード 脂質

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2019年9月18日

キャットフードの食物繊維

猫田
食物繊維は3~8%のキャットフードが平均的ですね。
鈴木さん
毛玉ケア(ヘアボールコントロール)や消化器サポート(便秘・腸内ケア)のキャットフードには食物繊維が多く配合されている傾向がありますよね。
猫田

はい、鈴木さんが言うような機能性を持たせたキャットフードでは食物繊維や、オリゴ糖、乳酸菌などが多く配合されていますね。

ただし、食物繊維が多すぎるキャットフードは消化器官に負担をかけ便秘や消化不良を悪化させる原因にもなるので、食物繊維が多すぎる場合には注意が必要です。 

キャットフード 食物繊維

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2018年8月29日

キャットフードの灰分(ミネラル)

猫田

キャットフードではミネラル(灰分)は5~9%が平均的です。

ミネラルは猫にとっても生命活動に必要不可欠な成分ですが、多すぎると病気の原因となってしまうので注意が必要です。

シニアの選び方でもお話しましたが、カルシウム・リン・マグネシウムの比率は特に注目してみておきましょう。理想的な比率は「カルシウム・リン・マグネシウム=1.2:1:0.08」です。

鈴木さん

特に腎臓疾患や尿路疾患が心配される猫は、ミネラルの量やバランスによって腎臓病、腎不全、尿路結石、膀胱炎などのリスクに関わってきますよね。

成分表示にミネラルが細かく記載されていたら、比率は見ておきたいと思います。 

キャットフード ミネラル

キャットフードのミネラル(灰分)。猫の必須ミネラルの働きと栄養基準、適正比率を紹介

2018年7月27日

キャットフードの炭水化物(糖質)

猫田
キャットフードには、炭水化物源となる芋類や豆類、穀物などが配合されています。近年は穀物不使用のグレインフリーが注目を浴びていますが、代わりに豆や芋が使用されているので、キャットフードの30~60%程度は炭水化物が占めています
鈴木さん
炭水化物って成分分析値には書かれていませんが、そんなに入っていたんですね。
猫田
猫も炭水化物を30~40%は消化吸収できるので炭水化物が含まれること自体は問題ありませんが、多すぎると猫の消化器官の負担が大きくなるため、炭水化物は40%以下になっているフードがおすすめです。
鈴木さん
炭水化物が完全に0%というキャットフードはありませんもんね。他に炭水化物で気をつけることはありますか?
猫田

炭水化物源はどのような食材を使用するかがキャットフードを選ぶ上で重要なポイントで、アレルギー性が低く、血糖値の上昇度が低い(低GI)食材をつかったキャットフードがおすすめです。

アレルギーと血糖値に配慮した原材料としておすすめの食材が、エンドウ豆、サツマイモです。また、ジャガイモはGI値は高いもののカロリーは低く、腹持ちがよくてアレルギー性も低いため、次点でおすすめです。玄米は穀物なので米アレルギーがある猫にはNGですが、低GIでヘルシーな食材として知られています。また玄米はアレルギー性も低いと言われています。 

キャットフードの炭水化物(糖質)。適正な割合と計算方法。妊娠猫には糖質が必要

2018年8月16日

【超上級】原材料や添加物、調理方法でみるキャットフードの選び方

超上級編のキャットフードの選び方基準
  1. 動物原料が多いキャットフードを選ぶ
  2. 添加物に配慮した製品を選ぶ
  3. 調理法にこだわった原材料の製品を選ぶ

1. 肉や魚が多いグレインフリーフード

猫田

キャットフードを選ぶ時は肉や魚など動物原料が多く含まれたものを選びましょう。

肉や魚はアミノ酸スコアが高く利用性が高い良質なタンパク質が含まれていて効率よくエネルギーと栄養素を吸収でき、猫本来の食事に近い食材です。少ないタンパク質で必要なエネルギー分をまかなえるので、猫が病気になりやすい腎臓や肝臓への負担も少ないんですよ。

鈴木さん

猫にとっては動物性タンパク質が主要なエネルギー源という点は、人と猫の栄養の違いとして大きいですね。

肉か魚どちらを選ぼうか迷っている方は下の記事をご覧ください!

主原料は肉か魚のどっちを選ぶ?実は肉好きが多い日本猫

2016年8月26日
猫田

また、グレインフリーを基準とした選び方もおすすめです。グレインフリーは穀物を不使用にする分、肉や魚が多くなる傾向があるので、原材料名欄を見るよりパッと見で探しやすくなります。

ただ穀物入りのキャットフードを好む猫もいますし、穀物入りの方が体の調子が良い猫もいますので、グレインフリーが正義というわけではありません。

鈴木さん

確かにグレインフリーはプレミアムキャットフードやヒューマングレード、タンパク質が35%以上のものが多いですよね。

グレインフリーキャットフード

グレインフリーキャットフードが人気の理由!デメリットと口コミ評判、おすすめ商品を紹介

2018年4月11日

2. 添加物に配慮したキャットフードを選ぶ

猫田

よく「無添加」という宣伝を見ますが、実際ドライフードを無添加で製造するのは不可能に近いとされています。

というのも、総合栄養食は栄養バランスの調整や、加熱調理や保存期間で失われる栄養素を補うために栄養添加物が使用されますし、一度開封して酸素に触れたフードが酸化しないよう酸化防止剤も加えられるからです。

鈴木さん
では無添加はどういうことなんでしょうか。
猫田
一般的に「無添加」と言われるキャットフードは、一切添加物を使用していないわけではなく、おそらくですが飼い主さんが懸念すると考えられる添加物や合成添加物を使用していないものと思われます。
鈴木さん
添加物自体を避けることは難しいんですね。でも発がん性や奇形性なんかが心配される添加物もありますよね…。
猫田

はい。当サイトの見解としては、使用実績が長く自然由来の添加物を使ったキャットフードを選ぶのがおすすめです。

ただペットフード安全法で、酸化防止剤、着色料、保存料、増粘安定剤、発色剤、甘味料の添加物は、用途名と添加物名の両方の記載が義務づけられています。

そしてBHAやBHT、○色○号など、合成添加物は名称が割とわかりやすいので、もし添加物で「これって危険?」と不安になったら下記の記事から避けたい添加物に該当しているか確認してみるといいかと思います。

キャットフードの危険な合成添加物、安全性が高い天然添加物を解説

2016年8月26日

3. 栄養損失の少ない原材料を使ったキャットフード

猫田
キャットフードに使われている原材料は、もちろんその原材料自体も大事ですが、中級では、それがどのように調理されたのかも注目したいところです。たとえば、乾燥鶏肉(チキンミール)と、鶏生肉や脱水鶏肉(ディハイドレイテッドチキン)では、同じ鶏肉でも栄養の損失が異なります
鈴木さん
どういうことでしょうか。
猫田

たとえば、キャットフードではよく目にするチキンミール。ミール(乾燥肉)類は、他の工場や国で、加工された状態で仕入れられ、キャットフード製造でさらに加熱加工が加えられるので栄養損失は大きくなります。チキンミールやミートミールは保存性が高く、利用はしやすいですが、個人的には食材というよりタンパク源、プロテイン単体のような印象です。

対して、同じチキンでも生の状態から低温でゆっくりと乾燥させる脱水鶏肉や鶏生肉は、栄養損失を抑えて食材に含まれる天然の栄養を最大限に利用し、栄養添加物も最小限に抑えることができます。

鈴木さん
なるほど!栄養添加物で過不足を補うのは仕方ないにしても、愛猫にはなるべく本来の栄養の形で摂取してもらいたいですよね。これなら原材料名の表記で原材料のランクがわかりやすいですね。

キャットフードの原材料「生肉」「乾燥肉」「脱水肉」の違いは?

2019年4月29日

【病気】病気を患っている猫のキャットフードの選び方

療法食やウェットフードを駆使

猫田
病気にかかっている猫の場合、回復が第一優先になるので獣医師さんや動物病院が指定する療法食を与えます。
鈴木さん
病気にかかると食欲や体力が落ちてしまうので、症状や進行度合いに合わせて嗜好性の高い高脂質なキャットフードやウェットフードを与えることもありますよね。
猫田

そうですね。注意点としては、療法食は必ず獣医師さんや動物病院で診察を受けて相談してから与えるようにしましょう。

理由は飼い主さんの判断ミスの可能性があるからです。実は病気ではなかったり別の病気や原因があるかもしれません。

猫用の療法食とは?獣医師指導のもと利用する、病状に合わせて管理されたキャットフード

2016年11月29日

口腔内トラブルがある、顎の筋力が衰えた猫

猫田

ドライフードを食べられない猫にはウェットフードの総合栄養食を与えることもあります。

たとえば、顎の力が弱くなったシニア猫、口腔内の炎症でドライフードが食べられない猫、顎の筋肉が発達していない子猫などです。

鈴木さん
食べずに体力や免疫力が落ちてしまうことが一番心配ですから、大好物やウェットフードのような嗜好性の高いものを与えますよね。
猫田

ウェットフードの総合栄養食を探すなら下のランキングも参考にしてみてください。

ウェットフード ランキング 猫 キャット

【2023年最新】おすすめ猫用ウェットフードランキング!種類とキャットフードの選び方を解説

2018年7月18日

【マニアック】企業やブランドの信頼性、透明性でみるキャットフードの選び方

猫田

近年、ペットフード業界は盛り上がりを見せています。新興ペットフードメーカーも増え、様々なブランドやメーカーがペット用品を展開するようになってきました。

ペットフードの製造や販売を行っているのが、海外ブランドなのか、国産原料にこだわった国産キャットフードなのか、食品や日用雑貨でも有名な有名な大手企業が製造販売しているのか、それぞれにメリットとデメリットがあり、判断材料の一つとして利用できるかと思います。

大手企業のメリットとデメリット

猫田

大手企業が販売するキャットフードは、店頭販売やテレビCM、動物病院への営業なども行っているので、知名度が高く、よく目にする商品が多いかと思います。

また、大手は自社工場を持っていることも多く、確かな販売実績もあるため、新興ペットフードメーカーに比べると安心して与えられるかと思います。また、手頃な価格帯のキャットフードが多く、手に取りやすいメリットもあります。

鈴木さん
手に取りやすい価格帯と店頭販売、確かな販売実績があるというのは、かなり良さそうですね。
猫田

ただ保存性や利益率を重視した合成添加物や乾燥肉、穀物の使用が多く見られるため、飼い主さんとしては避けたい原材料が使用されていることも多いです。

また、大手の場合、様々な国に工場を所有しているため、新設工場が韓国や中国になる可能性も。

大手企業のキャットフード例

海外輸入ブランドのメリットデメリット

猫田

日本の輸入代理店がすでに海外で製造販売されているキャットフードを輸入して販売している製品も多くなってきています。海外ブランドのキャットフードだと、特に欧米産のものが多く輸入されている印象です。

また、動物原料を多く使用した高タンパク質なグレインフリーキャットフードの傾向が強く、合成添加物なども使用されていないものが多いです。

鈴木さん
いわゆるプレミアムキャットフードがここに属している感じですね。
猫田
そうですね。ただ海外ブランドとして何年もの販売実績がありますが、日本の環境や日本の猫に合うかどうかは与えてみないと分かりません。また通販サイトのみで店頭販売をしていないことが多いです。

国産ブランドのメリットデメリット

猫田
日本国内の原材料を使って作られた国産キャットフードは、その地方でとれたジビエ肉や農場の肉、野菜をつかったものが多い印象です。小ロットで製造しているため、地域に根ざし、自然由来のものにこだわった製品や合成添加物を不使用にするなど、安全性や製造環境、衛生面にも気を使ったブランドの傾向があります。
鈴木さん
国産に信頼をおく消費者も多いので需要はありそうですよね。
猫田
ただ小ロットでの製造ということで、店頭販売は少なく、少量販売で在庫切れになりやすい点、また安定収入が得られず製造自体が中止になってしまう場合もあるので、継続的に与えることへの不安はあるかもしれません。
国産ブランドキャットフード例

日本企業開発の海外産キャットフードのメリットデメリット

猫田
日本の企業が海外の工場でオリジナルレシピを開発製造し、日本に逆輸入したキャットフードです。海外産キャットフードではありますが、日本企業がレシピ開発に携わっているので、日本の猫や飼い主向けに原材料や成分、価格設定などを調整しています。
鈴木さん
海外の厳しい基準で製造しながら、日本の猫や飼い主さんの考えも取り入れられるのはいいですね。
猫田

良いところ取りなところはありますね。日本で初めての販売となると販売実績が浅いというデメリットはあるかと思いますが、海外工場ではすでに他製品も製造している実績があるので、その点は心配ないかと思います。

また、国産の小ロットで始めるペットフードブランドに比べると、資金力と覚悟は必要になるかと思いますので、長期的な挑戦できる企業も限られるのではないかと思います。

日本企業の海外オリジナルブランドキャットフード例

【まとめ】キャットフードの選び方で導いた当サイトおすすめキャットフードは?

猫田

今回はキャットフードの選び方についてまとめました。実際、これをすべて考えて選ぶと非常に大変です。

愛猫にとって重要な点をおさえつつ下記のランキングで愛猫に合ったキャットフードを探してみてはいかがでしょうか。 

全124種徹底比較!真のキャットフードランキング【おすすめ10選&口コミ評価】

2016年8月29日

おすすめ:ロニーキャットフード チキン

ロニーキャットフード
穀物グレインフリー
ポイント鶏生肉とディハイドレイテッドチキンを66%使用。34種類の野菜、フルーツ、ハーブ
実売価格単品購入:5,203円(税込)/1.8kg
定期購入:4,257円(税込)/1.8kg
単品200g:999円(税・送料込)
1kgあたり単品購入:2,890.5円/1kg
定期購入:2,365円/1kg
第一原料鶏肉
生産国ベルギー
メーカー日本
販売元株式会社ヒューマル/マッサンペットフーズ/マッサンのキャットフードの学校

ロニーキャットフードは1.8kgで4,257円(定期)、4,730円(単品)で販売されているベルギー産のグレインフリーキャットフード総合栄養食です。

チキン66%を使用していて、その内容も高品質な鶏生肉やディハイドレイテッドチキンを使用し、ミール類は使用していません。また、猫の消化性とアレルギーに配慮し、穀物不使用の原材料でまとめ、動物性タンパク質もチキンと卵のみとなっています()。野菜や果物、ハーブを使用し、香ばしい香りに食欲がそそられます。

原材料だけでなく成分だけでみても非常にバランスの良さが分かります。ミネラルバランスでも、カルシウム:リン:マグネシウム=1:0.8:0.1と理想値のバランスと近い数値で設定されています。

また、必須脂肪酸のオメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸=3.5%:0.6%(5.83:1)も適切な比率(5~10:1)の範囲に入っています。

また、最近999円で200g少量パックの販売を開始し、通常サイズを購入する前にお試しすることができるようになりました。

おすすめ:オリジン キャット&キトゥン

created by Rinker
Orijen(オリジン)
¥1,584 (2023/05/26 19:16:48時点 Amazon調べ-詳細)
穀物グレインフリー
ポイント80%以上のパワフルな肉原料
実売価格6,136円/1.8kg
1kgあたり約3,409円
第一原料新鮮骨なし鶏肉
生産国アメリカ(カナダより変更)
メーカーカナダ
販売元チャンピオンペットフーズ社

オリジンのキャット&キトゥンは、世界中で販売されているアメリカ原産のキャットフード総合栄養食で、日本では1.8kgあたり6,123円で販売されています。

子猫から高齢猫までオールステージ対応で、原材料の90%が肉原料という非常にパワフルな原材料構成となっていて、タンパク質量も40%以上と他と比較しても非常に高タンパクとなっています。グレインフリーのため穀物アレルギーについては配慮されていますが、動物原料については様々な種類のものが配合されているので、アレルギー反応が出てしまった場合、特定が難しいので、アレルギーの出やすい子猫の時期よりも成猫以降の猫におすすめです。

カルシウム・リン・マグネシウムは1.2%:1%:0.1%(1:0.83:0.083)とほとんど理想的なバランスとなっています。

オメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸=3.5:0.8(4.375:1)と少しオメガ3脂肪酸が多めの配合になりますが、ほとんど適正値に近いと言えます。

おすすめ:エリザベスキャットフード サーモン

エリザベスキャットフード サーモン
穀物グレインフリー
ポイント・サーモンとニシンを41%使用
・魚系フードで崩れがちなオメガのバランスにも配慮
実売価格単品購入:5,445円(税込)/1.8kg
定期購入:4,455円(税込)/1.8kg
単品200g:999円(税・送料込)
1kgあたり単品購入:3,025円/1kg
定期購入:2,475円/1kg
第一原料生サーモン
生産国ベルギー
メーカー日本
販売元日本

エリザベスキャットフードは、ロニーを販売するマッサンペットフーズの第二製品として登場した魚のキャットフード総合栄養食です。4,455円(定期)、4,950円(単品)で販売されているこちらもベルギー産キャットフードです。

サーモンとニシンを41%使用したグレインフリーフードす。魚系ではオメガ6、オメガ3のバランスが崩れがちですが、エリザベスは成分調整もしっかりされています。また、第一商品であるロニーと比べると、ややカロリーや脂質が控えめとなっているので、体重管理を考えている猫や、カロリーが気になる猫にもおすすめのキャットフードです。

まとめ

キャットフード 選び方 まとめ
猫田

以上、キャットフードの選び方について、今回はかなり詳しく、いろいろな観点からご紹介してきました。これだけボリュームがあっても、正直、紹介しきれたとは言えません。

鈴木さん
猫の数だけ選び方があって、正解も異なるんですねー。
猫田
結局は飼い主さんが愛猫に合わせて、どれが最適かを判断して与えることが大切なのだと思います。そして、その判断材料として、今回の記事が参考になれば幸いです。 
  • 年齢、成分、原材料、メーカー、添加物、猫の体調など様々な選び方がある
  • 始めは簡単な選び方からが分かりやすいのでおすすめ
  • 病気や疾患がある場合は獣医師さんの判断を優先
  • 愛猫に合ったキャットフードを選ぶことが大切

ABOUTこの記事をかいた人

鈴木利奈

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。